見出し画像

3つの好きな映画|日本を表すコトバ[今年観た邦画No1は市子]

「邦画」といっても「和画」とはいわない
「和菓子」といっても「邦菓子」とはいわない
「日本庭園」といっても「和庭園」とはいわない

日本を表すコトバはいろいろあるけど、同じようで同じじゃない。邦画と洋画、邦楽と洋楽。映画と音楽は「」と「」が対になる。これを「和画」とか「和楽」というと、なんとなく日本古来の、伝統の、という意味合いが出てきてしまう。

和菓子、和紙、和室、和歌、、はやっぱり「日本の伝統」という意味をもつ。だったら「日本茶」は「和茶」、「日本画」は「和画」、「日本刀」は「和刀」でもいいじゃないか、とも思ってしまう。

「和室」と「日本間」
「和食」と「日本料理」

そうか、「和」を「日本」に変えると、格式高い感じが出てくるじゃないか、と。和室は和っぽい感じの部屋だけど、日本間となると、伝統の様式に沿ったもの、となる。和食は家庭料理でも使えるけど、日本料理となると、プロの料理人の技となる。

ここに「和牛」と「国産牛」を持ち込むとややこしくなるので、もうやめよう。

「和」というコトバ

穏やかな気持ちは「和む(なごむ)」。素材の味や形は変えないで、ざっくり味を絡ませ、新しい魅力を引き出すコトバは「和える(あえる)」。やわらかく、しなやかに、穏やかな状態になることは「和らぐ(やわらぐ)」。

「和」の意味が、そのまま日本の比喩になる

和を以て貴しとなす。他者との調和や仲間の和を大切にする。主義主張を言い合うよりも、平和に協和することを美徳とする。良くも悪くもそれが日本の国民性なんでしょう。

ということで、今年ももうあと少し。字幕を目で追うのではなく、じっくり映像に没入できる邦画でもどうでしょう、という話。

今年観た映画No1は市子
そして、あらためて杉咲花はとってもすごい

市子

それでも生きる

市子は、恋人の長谷川義則からプロポーズを受けた翌日に、突然失踪。長谷川が行方を追い、これまで彼女と関わりがあった人々から証言を得ていと、切なくも衝撃的な事実が次々と浮かび上がる…。
市子の人生を狂わせた悲しき宿命。
名前を変え、人を欺き、社会から逃れるように生きてきた。
なぜ、彼女はこのような人生を歩まなければならなかったのか ——。

うれしい、かなしい、さみしい、くるしい、たのしい、おいしい、むなしい、うらやましい、あやしい、ほしい、、

数え切れないほどの感情が溢れ出る。
魂の叫びに目が離せない。


52ヘルツのクジラたち

生きたい

自分の人生を家族に搾取されて生きてきた女性・三島貴瑚。ある痛みを抱えて東京から海辺の街の一軒家へ引っ越してきた彼女は、そこで母親から「ムシ」と呼ばれて虐待される、声を発することのできない少年と出会う。貴瑚は少年との交流を通し、かつて自分の声なきSOSに気づいて救い出してくれたアンさんとの日々を思い起こしていく。

児童虐待、ヤングケアラー、トランスジェンダー、、
声なき声をつかみたい。孤独な魂の出会いの物語


湯を沸かすほどの熱い愛

余命2ヶ月、死にたくない

持ち前の明るさと強さで娘を育てている双葉が、突然の余命宣告を受けてしまう。双葉は残酷な現実を受け入れ、1年前に突然家出した夫を連れ帰り休業中の銭湯を再開させることや、気が優しすぎる娘を独り立ちさせることなど、4つの「絶対にやっておくべきこと」を実行していく。

お母ちゃんの遺伝子がちょっとだけあった
いい意味で期待を裏切る。熱い映画。いや邦画。

圧巻の杉咲花、三部作


関連記事

映画|三部作

本|日本の文化

旅|日本の建築文化



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集