小さな旅・思い立つ旅|テキスタイルと建築が上質に絡み合うカフェ・レストラン[HOSOO、minä、COQ]篇
職人=クリエイターの時代
元禄元年(1688)に創業した西陣織「細尾」12代目の著書に記載があり、たしかにそうだよなぁと。
Youtubeに映像を公開する人も、Instagramに写真をあげる人も、それこそnoteに文章を書く人も、みんな表現者でクリエイター。
今の時代は、そんな時代。
手でモノをつくる、ということ
ロボットやAIの時代になっても「手でモノをつくる」ことこそ人間の創造性の原点かと。
「賢いヒト」はホモ・サピエンス、「移動するヒト」はホモ・モビリタス、「遊ぶヒト」はホモ・ルーデンス。そして、「創るヒト」はホモ・ファーベルという。
本を読み、旅をして、遊び、モノを創る。
人間とは本来、そういう動物なのでしょう。
デザイナーと職人の対話が大切
デザイナーは、人びとが暮らす生活のなかで、そこに必要だけど、いまだ存在していないモノを想像し言語化する。
そして職人は、熟練の技でモノを魅力的に仕上げる。
なので、デザイナーは職人がどんな技を持っているか知る必要があるし、職人はデザイナーがイメージしていることを知る必要がある。
「HOSOO」と「minä perhonen」と「KAJIHARA DESIGN STUDIO」
この3つは、職人との対話を大切にしていることが感じられる、とても好きなテキスタイル。
そして、そんなテキスタイルが堪能できるとカフェ・レストランがあるけど、あまり知られていないので、この場を借りてご紹介。
京都、東京、北海道と場所もテキスタイルの雰囲気もバラバラ。だけど、3つともテキスタイルと建築の雰囲気がバッチリ合っている。
建築とテキスタイルが
上質に絡み合うカフェ・レストラン
HOSOO FLAGSHIP STORE [京都]
左官や鍛治、大工、箔塗りといった個々の専門技術を持った職人たちを結びつけた、究極の美を追求した建築。
時が立つにつれて劣化するのではなく、「経年美化」を目指した建築。
季節感のある生花、アロマの香り、店舗の雰囲気にあわせてつくられた音楽に、特注のユニフォーム。美の追求は建築本体だけでなく、五感で捉えられるすべてに及ぶ。
職人にはスーパースターになってもらいたい、という願いを込めて、靴はアディダスの「スーパースター」を採用しているという小技まで、細部にまで配慮された空間で寛ぐことができるカフェは絶対行く価値あり。
家と庭 [東京]
minä perhonenがやっているカフェ。
テキスタイルの端切れを買ってマスクをつくる(正確には妻につくってもらう)ほど好きなデザイナーなので、当然京都のSHOPもいいんだけど、やっぱり飲食できるほうが実際にテキスタイルを体感できるので。
場所も表参道なので、アクセスはよく、なにより建築家槇文彦の名作、スパイラルにあるのもいい。
京都の昭和初期に建てられた寿ビルディングの雰囲気も、スパイラルの雰囲気も、どちらもミナに合っており、お店の場所を選ぶセンスもいいなぁと。
COQ(こきゅう) [北海道]
北海道を拠点に活動を続けているデザイナーが開いた森の中の複合スペース、COQ(こきゅう)。
樹々の奥から聴こえる川のせせらぎ。清涼な空気。やさしい光。
都会の喧騒から離れ、緑の中でゆっくりと深呼吸する時間を過ごすことができる場所でありたい、という思いでできた場所。
札幌の中心から車で40分!
気軽に行ける場所ではない、、電車とバスを乗り継いで、ここだけを目的に札幌から往復したのを今でもしっかり覚えているほど、、
でも、ショップとダイニングとゲストハウスが併設される、白く明るい空間はとても魅力的で、建築とテキスタイルは切っても切れない関係であることに気付かされる美しい場所。