面白い本・好きな本|アジアの辺境 未知を楽しむ読書旅[イラク水滸伝+アジア発酵紀行]
人生最期に食べたいものは?
お寿司、焼肉、ステーキ、ラーメン。よく見かける質問で、ランキング上位は人気の料理が占めている。あとは、炊きたての白いご飯とか、お味噌汁とか、家族の手料理とか、長く慣れ親しんだ味がランクイン。
じゃぁ自分はどうなんだ、と問われると
答えがない__
ないことはないんだけど、しっくりこない。ランキングの顔ぶれをみても、なにか違う気がする。長い間、ずっと模索中。そんな折、noteを徘徊していて不意に答えに出会ってしまう。
死ぬ最期まで、未知を楽しむ
そんな人生悪くない
無知を受け入れ,未知を楽しむ
世の中知らないことだらけ。「あぁ、それ知っている」とつい言いたくなってしまうようなことでも、本当に知っているか?と疑ってみる。無知を受け入れる。
無知を受け入れれば、なんでも聞ける。知っていると思っても聞いてみる。謙虚に素直に。年を重ねていればなおのこと、たくさん聞く。
無知を受け入れ、未知を楽しむ
ということで、未踏のアジアの辺境へ。
世界は知らないことだらけ。この目で見てみたいという好奇心から生まれた紀行文。古代シュメールに思いを馳せる湿地の旅と,古代の糀文化を求めた発酵紀行。未知を楽しむ読書旅でもどうでしょう、という話。
本を読んで旅気分
イラク水滸伝|高野秀行
古代シュメールさながらに暮らす水の民
イラクは外務省のHPでも退避勧告が出されるほど危険なところ。観光で行く人はめったにいない。そんなことも相まって日本に入ってくるイラクの情報は、嫌なニュースばかり。そこに住む市井の人々がどんな暮らしをしているか、全然わからない。
砂漠広がるイラクにとっても謎の巨大湿地帯
ティグリス川とユーフラテス川の合流点が舞台となる。メソポタミア文明発祥の地であり、旧約聖書に出てくる「エデンの園」とも言われている。かつては四国を上回るほどの面積があり、8mにも及ぶ葦が生い茂り、迷路のように入り組んだ水路によって時の権力者も手を出せない謎の湿地帯。
この地の実態を知る書籍は,本書が世界初
謎の秘教マンダ教を信奉する水の民「マアダン」は、葦の浮島で暮らし、水牛を飼い、船で移動する。義理人情と心意気でしか動かず、客人をご馳走でおもてなし、おおらかで自由。アジアの辺境で文化の違いを見つめる。
教科書は安全/危険の二者択一で色分けするけど
そんな単純なものじゃない
最高の未知の旅
アジア発酵紀行|小倉ヒラク
中国雲南省からヒマラヤ、インドの東の最果てへ
中国では麹をつくるのに「麦」を用いていた。“麦”偏に米(粒)を勹(包む)と書いて「麹」。一方、日本では糀をつくるのに「米」を用いていた。蒸した米にふわふわの菌糸が生えている様子が、米に花が咲いているように見え、「糀」と表す。
「麹」は中国伝来の漢字で、「糀」は日本の国字
日本の食文化の独自性は「米の発酵」であるとされている。しかし本当にそうなのか? 日本は大陸から切り離された孤児なのではなく、海の向こうにも「糀」文化があるのではないか?そんな疑問から旅が始まる。
信仰も民族も入り交じる、アジア発酵街道へ
原始仏教、イスラム教、ヒンズー教、そして謎のローカル信仰サナマヒ教。リス族、ハニ族、ナシ族、リンブ―族、メイテイ族…ヒマラヤの麓に、様々な少数民族の織りなすアナーキー発酵文化が集積する。
標高0メートルの熱帯から5000m超の高地へ
日本で失われた古代の麹文化を求めた未知の旅
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