まちの小さな菜園がどんな効果を生むか
1年前に、運営しているシェアスペースBLENDS(ブレンズ)の隣に併設する形で、小さな菜園をつくりました。
この菜園を作ったことの恩恵はとても大きく、
①身近に触れられる自然と循環がある
②食育のイベントやワークショップができる
③世代を超えた話題性がある
こんなことにつながっています。(詳細は以下に続きます)
この菜園をつくっている場所は、元々は雑草が生い茂っていた空き地で、日当たりも悪かったので、どう有効に活用するかというアイディアが浮かびませんでした。まずは砂利を敷き、駐車場として使おうかという話に。
そんな時に私が知ったのは、アメリカカリフォルニアのバークレーで実践されている「エディブルガーデンスクールヤード」というプロジェクト。
シェパニースという地産地消で料理するレストランのオーナーであり料理人である、アリスウォーターズさんが母校の荒廃した中学校を立て直すために始めた、農業と教育を組み合わせた食育のプログラムです。
アリスウォータースさんのことは以前から知っていましたが、この学校でのプログラムを知らず、上記に貼った動画リンクを見たときにとても感銘を受け、まちの中で誰でも入ってこられる場所でやりたいと強く思いました。
しかし、野菜をちゃんと育てたこともなく、むしろ自宅の観葉植物さえも枯らしてしまうような私・・・
更に日当たりの悪さはやはり菜園にはネックでもあり、1年経った今も満足のいく風景にはたどり着いてはいませんが、それでも色々な良いことがありました。
①身近に触れられる自然と循環がある
住んでいらっしゃる場所にもよると思いますが、大阪市内の住宅地となると、緑が少ないのが子育てをしている上で悩ましい点でもあります。公園や学校、幼稚園といった場所でしか土や虫、植物に触れられる機会がありません。
余談ですが、子どもが産まれるまでは私はあえて緑や自然に触れたいと思うことは無かった気がします。確かに旅行などで自然の豊かな場所に行くと気持ちはいいですが、そこまで求めていませんでした。
それが、子どもが産まれると、どうしてか自然のものがあることが落ち着くのです。そうでない人もいるかもしれませんが、これは母性の一種かなと思うことがあります。笑
子どもや人間にとって必要なものを直感的に察知しているのかな、と。
話がそれましたが、こんなに小さな菜園でもミミズやなめくじがいたり、ダンゴムシ、バッタ、蝶々もやってきます。蜂なんかも。不思議ですよね。そして、虫たちが集まってくるのを見ると、とても嬉しい気持ちとありがたい気持ちになるのです。
また、菜園だけでなく、同時に作ったがコンポストです。
コンポスト、ご存知でない方もいるかもしれませんが、野菜くずや食べ残しなどを堆肥(栄養のある土)に変える仕組みです。
コンポストを作ることで、捨てるはずだった食べ物をもう一度土にして、菜園の土作りに活かしていくということをやっています。
②食育のイベントやワークショップができる
この菜園とコンポストを活用することで、様々なワークショップやイベントを行っています。
春と秋には、菜園に苗付けを行います。有機の農家さんに、有機農業のお話を聞いた後、子どもたちも一緒に苗付けを行い、収穫も一緒にします。
コンポストは、日本のごみ処理事情などのレクチャーをしたあとに、コンポストをつくるDIYのワークショップをしたり、コンポストでつくった堆肥を使って持ち帰れる苗をつくったりしました。
こういうワークショップで学べることは、都会に住む親子にとっては貴重だなと我ながら思っています。
食べ物がどこからやってくるのか、残したり捨てた食べ物がどこへ消えていくのか、そのためにどれだけのエネルギーが使われているのか?
そんなことを知って日常の生活に活かせるいい機会になるのです。
③世代を超えた話題性がある
そして菜園をしていてもう1ついい点は、子どもからお年寄りまで、共通の話題として扱ってもらえること。また、それぞれが学ぶことがあるとも感じます。
また、こうやって野菜を作ったりコンポストで堆肥をつくっていると、見た目としても緑や花があったり、活動自体にも好感をもってもらえることが多くなりました。
わたしとしては、この道端の空き地だった場所が、地域の中でオアシスのような憩いの場として根付いていくようにしたいと思っています。
そのためには、まだまだ頑張らないといけないですが!
みなさんの住んでいるまちには、そんな自然や生き物とのふれあいを感じられる憩いの場はありますか?
自宅の庭やバルコニーだけでなく、こうやって誰でも入って触れられる小さな自然があるのは、まちので暮らしにとってとても素敵なことだと実感しています。