
凍える心、それでも君に会いたい
先週の今日。。。娘の様子をみに、夫のアパートへ行った
行こうと思ったのでは無くて・・・
仕事の帰り道に「ここを曲がったら、玄武さんのアパートの方角かな~」と頭をよぎった
自転車を止めて、スマホで検索をすると。。。何となく、左にまっすぐ行けば良い感じ
好奇心も有って、曲がってみた
・・・でもな~。行って何をするの?・・・
止まって、、、引き返した
・・・だけどさ~。このまま、答えを出さずに暮らせるの?・・・
再び、引き返した
まるで、止まれなくなった小動物だ

不思議なもので、単調な運動をしていると頭が活性化してくる
問わず語りに、これまでの娘との生活を思い出していた
些細なことに「ふっふ~~ん」と得意げに笑う娘
「お母ぁさん」「お母さん」と、うっとおしいほどにわたしを求める娘
弟よりも、自分の方が愛されている自信があって・・・
でも、愛情のお試し行動もしてきて。。。
年齢よりも幼くて、手がかかるかわいい娘
「お母さんは、どっちがいい?」
「お母さんがいないと、決められない」
と言われれば、嬉しい反面。。。窮屈にも感じた育児時間
いつから、変わったのだろう?
わたしが、悪かったんだよね~
だけど、何を、どうすれば良かったんだろう?
これからは、何を、どうすればいいのだろう?
わからない。。。
分らないのに、会ってどうするのだろう?
そもそも、会ってくれるのか?
会いたい・・・
顔が見たい・・・・
でも、会って何を言うの?
謝るの?
帰るように説得するの?
脅かすの?
ちがう。。。
どれも、違う・・・・
会えば、4か月前の日常に戻れるんじゃないか?
あんなに、わたしを慕ってくれた娘だもの
きっと、元に戻れる
だけど、わたしは。。。。。
この4カ月を、無かったことに出来るのかな?
この日は、珍しく大寒波の日で
まだ昼の2時だというのに、額に当たる寒風で頭痛が始まった
鼻水も止まらない
手袋で拭ってもぬぐっても止まらない
鼻水で濡れた親指の付け根も、凍りそうに痛くなってきた
わたし。。。何やってんだろう?
ふと気づくと、見覚えのある道だった
玄武さんの精神病院へ通った道だった
・・・酷暑の道のりで、溶けそうだった
それでも、玄武さんを楽にしてあげたくて
毎週二人で通った。。。
家族だと思っていたのは、わたしだけ だったんだよね~
そっか。。。
この失恋のような痛みって、玄武さんが失踪したと分かった時にも味わってたんだ
だけど、認めたくなかった
うつが治れば、再び家族4人で暮らせる
今も、いつかは過去になって
夫婦で乗り越えた絆になって
・・・だって、わたしは
あんなにも献身的に闘病を支えたんだもの
家族のありがたさを、一番感じているのは玄武さんだよね。。。。
娘は、中学校へ行ってアパートはもぬけの殻かもしれない
だから、アパートの扉の前まで行ってみよう~
そう思うと、すこしワクワクしてきた
子どもの頃の、誰にも内緒で少しだけ遠出して
知らない街を開拓している時みたいな気持ち
そうして、アパートに着いた
こころは、バラバラだった
自分が、何を考えているのかわからない
だけど、今更ひけない!!
「よし!!」と声をだし、チャリのスタンドをかけた
薄汚れた、苔の生えたコンクルートの階段を見上げる
いざ!出陣じゃ