服を着てお湯につかる。※「上に天井がある。」の感想

「上に天井がある。」というゲームをやりました。

ゲームのストアページを見てください。
見てのとおり、女の子が服を着たままバスタブでお湯につかっていますよね。
それで、わたしは自分もやってみたいと思いました。

服を着てお湯につかってみようと思いました。

手順1 お湯をためる

うちはユニットバスです。
バスタブにお湯をはります。
ドバドバと蛇口から流れ出るお湯を見ていると、
これから自分のすることのおかしさにわくわくしてきました。

手順2 お湯につかる

パジャマのまま、バスタブに入ります。
右足のズボンのすそが濡れた時、「あっ!」と思いました。
ふつう、ズボンのすそが濡れたら困るからです。
でも今回は大丈夫なので、それを思い出して、両足をお湯に入れました。

蛇口からはまだお湯が出ています。
思い切ってしゃがむと、おしりが濡れる感覚がして、
おかしくなって笑ってしまいました。
しっかり横になると、お湯はズボンを完全に支配しました。
Tシャツへもどんどん染み込んできます。

手順3 自分と対話する


「なんか変な感じ。あったかい」

うん。

「服のにおいがしてきた。服っていうか、洗剤のにおい」

うん。

「夢のなかみたい。こんなことするわけないからかな」

そうだと思う。

「ふとんの中みたい。眠くなってきた」

このまま眠ったら、いい夢がみれそうだね。

「このまま眠ったら、死んでしまうかもしれないね」

お湯を止めなかったらね。

「思ったよりふつうだな。たいしたことなかった」

まあ、そうだろうね。

「全部そう。このクソッタレの人生を変えてくれるかもって期待して、全然期待外れなの。それで勝手に失望して、また同じところに戻ってくる」

どうしてだと思う?

「どうしてだと思う?」

どうしてだと思う?

「どうしてだと思う?」

手順4 服を脱いで通常の入浴をする

ひととおり楽しんだので、服を脱いでふつうに入浴をします。
立ち上がると服がものすごく重い。
ズボンもTシャツも信じられないくらい重く感じます。
それらを脱いで、水をしぼって、バスルームの床に投げておきます。
そして髪の毛や体を洗って、お湯を抜いて、そうやって、
いつものつまらないやつを手順通りにやります。

手順5 濡れた服を洗濯機に入れる

濡れた服はとても重いです。
もうわかりました。
水を含んだ服が重いのはもうわかりました、と言いたくなるくらい。

おわりに

では服を着たままお湯につかった感想です。

・最初は面白い
最初だけ面白いです。やっちゃいけないことをやっているように感じて、
子供のころにいたずらした時のような気分になります。
子供のころにいたずらした記憶なんかないけど。

・つかっている間はとくになにもない
お湯につかっているとそれにだんだん慣れてきて、
自分が服を着ていることに違和感を覚えなくなってきます。
お湯があったかいなあ、とか、そのくらいです。

・自分と対話ができる
服を着てお湯につかるという、意味わからないことをしているせいでしょうか。
なんでこんな意味不明なことをしているんだ、と思う自分と、
やってみたかったからいいじゃないか、思う自分とが分離して、
わたしはまるで二人いるかのように、
話ができました。

・濡れた服は重い
濡れた服は重いです。想像の倍は重い。

以上です。

あ、ゲームの感想を書いていないな。

「上に天井がある。」の感想

絵も雰囲気も良くて、わたしはすごく好きです。
怖くはないです。不思議な感じ。
人生ってそう簡単じゃないよね、ってことをていねいに描いてくれていて、
希望もあって、よかったです。

以上です。




「何も変わらないの?」

何も変わらないね。

「だって、こんなにいろんなことが起こっているのに」

それでも変わらないね。

「さみしいよ」

大丈夫だよ。

「一人じゃないから?」

一人じゃないから。

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