①同人誌作成、なにから始めたらいいの?
ある日、私は気がついた。何年も短歌を作っているのに、自分の短歌をちゃんとまとめていない、と。
これが私の短歌です、と人に差し出せるような、そういう本を作りたい。
そういう思いはずっと前からあった。
今までは、「歌集を出したいけど個人で出版できるようなお金もないし、短歌の賞を取ればどっかから出版させてもらえるかな?」と思っていた。
けれど、そんなふうに待っているだけではもう我慢できない。
他人任せではだめだ。自分から動かないと。
本が欲しいなら、作ればいいのだ。
それが商業出版でなくてもいいじゃないか、私がほしいのは自分の作品集なのだから。
そういう経緯で、私は自分の作品集を同人誌として作成することにした。
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この記事では、「短歌の同人誌を個人で作成し、文学フリマで販売する」ことを目的に試行錯誤するようすを書いていきます。
短歌の同人誌を作りたいと考えている人の参考になればうれしいです。
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まず、自己紹介します
そもそも、私は何者なのか?
ここから説明したいと思います。
私は斎藤見咲子という名前です。
歌人集団「かばん」という団体に所属しています。(※2024年4月にかばんを退会しました)
「かばん」は短歌を詠む人たちの集団で、私はここに約8年ほど所属し、短歌を作り続けています。(一時期、まったく短歌を作れない時期もありましたが)
毎月発行される歌誌「かばん」に短歌が載っています。(投稿をさぼっていて載っていないこともあります)
「かばん」もどうぞよろしく。購読会員だと会費も(わりと)安いよ!
何から始めたらいいかすらわからない
まず、同人誌ってどうやって作るの?
なにが必要?
どうやって本にする?
いくらくらいかかる?
なにもわかりません。
そこからつまづいてしまった私は、短歌の友人たちに相談することにしました。
製本所を探す
すると、まずは製本所を決めないとね、という話になりました。
原稿を印刷し、本にしてくれるところです。
そして、「ここは安く作成できるよ」という製本所を教えてもらえました。それが「ちょ古っ都製本工房」さんです。
じゃあとりあえずそこでやってみよう、というわけで、特にほかの製本所は調べずに「ちょ古っ都製本工房」さんに製本をお願いすることにしました。
ほんとはほかの製本所と比較したりしたほうがいいと思うけど、
なんか、その、めんどくさかったので……。
立ちはだかる、紙というもの
製本を製本所にお願いするにあたって、いろいろと決めるべきことがあります。
表紙の紙。本文の紙質。冊子の大きさ。などなど。
まずここから難しい。
表紙の紙、「コート紙」って何?「マットコート」?
え、本文の紙のところに「上質紙70K」とか書いてある。何?
くるみ製本?くるみ?え?
と、まず見積画面の時点でパニック状態です。
「ちょ古っ都製本工房」さんのホームページにはちゃんと説明が書いてあるのですが、それでもパニックです。
だって聞いたことない名称ばかりなんだもん。
実際に目の前に紙があれば少しはわかりそうなのに……。
想像するしかありません。
ちなみに、
「コート紙」→光沢のある処理をされた紙
「マットコート紙」→光沢はなく、マットだけどコーティングはされている紙
「くるみ製本」→原稿の背の部分にのりをつけて表紙でくるむかたちの製本方法。別の方法で「中とじ製本」もある。
という感じです。
「上質紙70K」に関してはまだよくわからない。なんか上質なんだと思う。
とりあえず見積もりを出さねば。という感じで、よくわからないながらもいろいろ選んで見積もりを出しました。
製本にいくらかかるのか
見積もりを出した結果、18000円くらいでした。
(10営業日で作成、80冊での計算です。使う紙等によっても変わります)
え、安いな。いいのか。こんなに安くできるものなの?
だって、個人で自費出版で歌集作成したらウン百万かかるらしいぞ。
そうか、そうなのか。よし、これならお金出せるぞ!
無職だけど。(2023年4月現在)
貯金くずして…………うん、なんとかなるだろう。たぶん。
原稿作成。それは、砂金探し
さて、では中身の原稿の作成にとりかかろう。
過去に作った短歌のデータはちゃんと残してあるし、クラウドにも保存してある。この中から、同人誌に載せたい短歌を探せばいいのだ。
この中、から……。
2015年のデータ、めちゃくちゃなんだけど。
これ何に投稿したやつ?
一番初めに作った連作のデータがないんだけど?!あれを載せたいのに!
これなんのデータ?なんで雑誌を直撮りした画像データが混じってるの?
「たんか5」ってタイトルのWordあるけど「たんか4」はないんだけど。
「第n回笹井賞neo」って何?!
というわけで、ハチャメチャでした。
過去のデータをちゃんと保管していなかった私が悪いのです。
ひとつひとつのデータを開き、なんだこれと悲鳴をあげながら短歌を探すはめになりました。
教訓。
作った短歌はしっかり、「何年何月何日に作成し、どこそこに投稿したものである」ということがわかるようにしておくこと。
間違っても、「たんたんか」とかいう意味不明なタイトルで保存しないこと。
膨大なデータの中から、まるで砂金を探すように、短歌を探しました。
大変だった。
と、いうわけで今回はここまで。次回に続く!
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ここから先はちょっとした感想や、同人誌には収録しなかった短歌を載せておきます。
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