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にぎわう我が家③〜初めての介護保険


6月に脳梗塞で入院したちゃまが、9月に退院した。退院に際しての初めての体験が“介護保険”だ。毎月安くない保険料を払い続けてきたのが初めて役に立つというわけ。最初病院の担当者から「介護保険の認定が出るまでには時間がかかるので、早めに申請だけ出しておくといいですよ」と言われたのが7月の半ば、リハビリのために転院して間もなくのことだった。その頃はリハビリをすれば元通りとはいかないとしても、今よりもっと良くなると信じていたので、介護保険の申請を出す=将来的に介護保険のお世話になる、という図式がショックだった。なんとなく介護保険は家で面倒を見ることが難しいお年寄りのためのものというイメージがあったから、自分の旦那さんが介護保険のお世話になるなんて、予想外だった。


とは言え、分からない分野はプロの言う通りにしようと思っていたので、私はそれからすぐに役場に行って介護保険の申請を願い出た。7/21のことだ。


すると窓口の人が、本当に今申請して良いですか?的な質問をしてきた。その人いわく、確かに申請から認定まではひと月ほどかかるが、例えば今申請するのと、1か月後に申請するのとでは、当然1か月後のほうがリハビリも進んでいろいろなことがより出来るようになっているはず。介護保険の認定には5段階あって、障害が重ければ受けられるサービスの幅は拡がるが、施設や用具の利用料金は高くなる。それでも良いですか?という話だった。なるほど。考えてみたらそういうことか。何もわからない私も納得だ。一瞬どうしようかと迷ったが、ちゃまの場合は施設ではなく自宅に帰るのでそこはあまり考えなくても良いだろうという話になり、無事申請を終えた。


認定(要介護1)が出て、そのお知らせと介護保険証が我が家に届いたのが8/28。やはり1ヶ月以上かかった。
通常であれば、そこから退院に向けていろんな事が動き出すはずなのだが、ちゃまのストレスMAXによる予定より早めの退院という運びになったために、介護保険の認定を待っていたら退院準備が間に合わない。そこで、病院の担当者さんが“多分要介護認定がおりるであろう”見込みで、動き始めてくれていた。まずはケアマネージャーさんの選定。何のこだわりもコネも持っていなかったので、入院していた病院と同じ系列施設のケアマネさんにお願いすることにした。早速その人から連絡がきて、退院前に打ち合わせをすることになった。それに伴い、家の中で使う福祉用具の手配もしなければいけないということで、福祉用具屋さんも交えての会合となった。とりあえずケアマネさんの言われる通りに準備を進めていく。


そんな中リハビリの先生から、今の現状と退院してから気をつけて欲しいことをお伝えしたいと連絡がきた。その時ちゃまが歩いている動画を見せてもらった。本人は歩ける、歩けると言っていたが実際に歩いているところを見るのは入院してからは初めて。画面の中のちゃまは椅子からスッと立ち上がりカメラに向かって歩きUターンして椅子まで戻って座る。上出来だと思った。だけど先生いわく、これは撮影しているからいつもより気をつけて歩いているのであって、ちょっと気が緩むと動作が雑になったり大きくなったりするとのこと。また、病院内で出来ても、家の中や屋外を歩くのとはまた違うからバランスを崩してよろけたりどこかにぶつかったりする可能性はあるだろうと。そんなの、私だってよろけたりぶつけたりするけどーって思って、それくらいの注意事項なんだなって思ったらなんとなくホッとした。


ちゃまが帰ってくるより先に、家の中に手すりが設置された。ゆくゆくは工事をして取り付けることになるだろうが、とりあえず置き型の手すりを必要そうな箇所に置いてもらった。実際にちゃまが帰ってきて過ごす中で、必要か不必要かを決めれば良いらしい。介護認定がおりた65歳以下の人は、介護に関するものは全て1割負担。それで、手すりなど福祉用具のレンタル料は月に2000円程度だ。また手すりの工事をしたとしても20万円までなら補助が出る。例えば工事費が20万円かかったとしたら一旦全額を払うが後日9割は返ってくる。つまり、20万円の工事をしても、我が家の負担は実質2万円。


実際に日常生活でちゃまが自分一人で出来ないことはほとんどない。にも関わらず、こうして介護認定がおりると実にいろいろなサービスを受けることが出来る。
毎月安くない保険料を払い続けてきて良かったな、と思う。


つづく




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