“共感力”で自分を甘やかす
最近流行ってる韓国のエッセイ、『死にたいけどトッポッキは食べたい』のイラストを手がけたイラストレーターさんが自ら書いた初エッセイ。
職場の若い女性が、最近読んで面白かったと言って貸してくれた。イラストレーターさんだけあって、とにかくイラストが可愛い。若い人向けの本だろうと思い、イラストのページだけを読み進めていたが、いつのまにか夢中になって読んでいた。
あるある。
分かる。
私は自分のことを、ネガティブな性格だとは思っていない。大体において「ま、いっか」な人なのだ。諦めが良いというのか。ただそれは、自己完結できる場合、ここに他者が絡むとモヤモヤがなかなか消えないことがある。例えば、朝から忙しく立ちっぱなしで働いた日、やっとひと段落してお茶でも飲もうと席に座る。そこへやってきた人の一言、
良いなあ、ひまそうで。
言うか、それを?思っても言わないだろう、普通。その人はとにかく“愚痴多き女”、自分以外は全員敵とでも言わんばかりだ。結構ミスも多いのにそれは棚に上げて、人のミスはとことん責める。頼み事も多い。人には平気で頼み事をするのに、こちらがちょっと頼み事をすると、
それ誰か別の人に頼めない?
いや、あなたにお願いするのが一番自然なことだからお願いしてるんですよ。他の人にお願いするようなことじゃないんです。しかもいたって簡単なことですよね?と言いたくなる。
断れない性格ならば、この2つは絶対に覚えておくこと!
気が進まないことに過度な好意で応えないこと。
相手にも過度な好意を期待しないこと。
これだけでも関係の問題の8割は解決します。
こういうHowTo本が実は苦手で、この通りにやろうとしたところで状況は人それぞれ、やってみたところでそれでうまくいくとは限らない。だけどこの本は意外にもスッと心に入ってきた。可愛いイラストのおかげか。はたまた、“私だけじゃなかった”という共感からか。
共感力
今売れている韓国エッセイに共通のワードらしい。確かに共感しまくりだった。年齢も立場も仕事も違うけど、日々の憂鬱の原因はほぼ人間関係に起因している。相手が家族であれ友人であれ職場の人であれ、同じだ。
そしてもう一つの共感は、とにかくゴロゴロしてるイラストが多いとこ。
何もしたくない、何もやる気にならない、「どうして私はこうなんだろう」と思っても体が動かない日。自己嫌悪。でも、このイラストを見てたら「そういうこともあるよね、うんわかるよ」と言ってもらえてる気がして、それだけで心が軽くなる。ゴロゴロしているのは“充電中”と思って、そっとしておいてほしい。
そして何より、本書の中で一番共感したのがこの一文。
年を取るのと太るのって、なんでこんなに簡単なんだろう
そういえば、ヨシタケシンスケさんの絵本にもこんなのあったな。
『ふとっちゃったら なかまをみつければいい』
自然の摂理に逆らうことこそ、ストレスなのかもね。ま、いっか。