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オリンピックと地元愛



フランスとの時差は日本人にとっては辛い。日本の夕方がフランスの朝で、日本の深夜〜明け方がフランスのゴールデンタイム。しかも日本人選手の活躍のおかげで、つい最後まで見たくなってしまう。例えば何かの競技の決勝戦は日本の明け方。時差7時間は頑張ってギリギリ見れる時差。この2週間、毎日寝不足のブサイクな顔で仕事に行っておりました、はい。

元々スポーツ観戦が好き。私くらいの年代の女性には「野球はルールが分からない」という人も少なくない。でも、私は分かる。サッカーもバレーボールも、何ならラグビーだって観戦するに困らない程度には分かる。どれもテレビ観戦のおかげ。ワールドカップなどの代表戦を日本のテレビが放送してくれるおかげ。

オリンピックはその最たるもの。普段馴染みの薄いスポーツでも日本人が活躍するとなればテレビで放送されるし、メダルを獲った日には録画が繰り返し流れて詳しく説明までしてくれるからルールどころか技の名前まで覚えちゃう。
あー、でもスケボーの技は横文字だしどれが何なのか見ただけじゃ難しい。それでもパークとストリートがあって、ランを何回やって、合計点で競うのか最高点で競うのかはわかるよ。技の名前がわかんなくたって、見てたらすごいかどうか、素人目にも分かる。高さが高いとか、体が回転してるとか、空中でボードを回してるとか。そういう基本的なことが、より高くより多く含まれている技=難しいってことくらいは分かるもん。


体操も技が多くて、技の名前にその技をあみだした人の名前とか付いてるから余計難しい。ロペス、コバチ、カッシーナ、ヒーリー、ヤマワキ、リ・ジョンソン‥技と難度までは覚えられないけど、難しそうかどうかはなんとなくわかる。難しい技をやるのか、美しさにこだわるのか。その両方をやってたのが内村航平さん。その内村さんが団体金メダルの皆さんへのインタビューのあと、去り際に不意に出た「最高だよ、おまえら」が最高すぎてニヤけてしまいました。それにしても岡慎之助選手はすごかった。こっち(岡山)に帰って来てパレードとかするのかなぁ?地元に新たなスターが生まれて誇らしい。


馴染みのないスポーツの中で唯一分かりやすいのはボルダー。高く登ったほうが勝ち。早く登ったほうが勝ち。シンプルで良い。うちのちゃまが「大勢観に行っとるな」というくらい、6000人収容の会場だったみたいだけど毎日満席だった。リードでは、小さな体でほぼテッペンまで登った森秋彩選手にはビックリ。複合じゃなくリードだけなら金メダルだったね。安楽宙斗選手もすごかった。ボルダー用語に“一撃”があるって初めて知りました。


『オリンピックの借りはオリンピックでしか返せない』ってよく聞くけど、考えてみたら出場した選手のほとんどはオリンピックに借りを作ってることになるよね。ファイナリストやメダリストの経歴を聞いてたら「前回は17位で決勝進出は出来なかった」とか、「決勝の常連だけどメダルはまだない」とか、借りっぱなしの人ばかり。借りを返せるのはごく僅か。ついメダリストにばかり目がいきがちだけど、あそこに出てる人で努力をしなかった人は一人もいない。どれだけ苦しい練習を積み重ねてきたのかは知る由もないけれど、阿部詩選手のあの大号泣を見たら、負けてあれだけ泣いてしまうだけの積み重ねがあったってこと。金メダルを獲る一心で4年間やってきたことが一瞬で崩されてしまったのだ。

私にはあそこまで泣けるくらいに何かを一生懸命やった経験がない。負けて泣ける人を羨ましいと思った。

スケボーの四十住さくら選手が、決勝に残れるかどうかが他の選手の結果待ちって時に、決勝にはいきたいけど「人の失敗を祈りたくない」と言ったのが印象的で。スケボーを見ていたらそれがよく分かる。誰かがすごい技を成功させたら国に関係なく他の選手が祝福にかけよって来てハグしてる。お互いをリスペクトし合っているところが気持ち良い。
競技によってはスケボーみたいにお互いをたたえあう場合と、カタチだけの挨拶をして去っていく場合とがある。人によるのかも知れないけれど、負けた人が悔しがる姿より勝った人をたたえる姿のほうが気持ち良い。


最初日本の金メダルの目標は20個と聞いてそんなにいけるのかって思ってしまった。多分想定したいた内訳とは違ったとは思うけど終わってみればちゃんと目標を達成出来てたのがすごい。私たちの地元『ニッポン』は、メダルランキング(金メダル獲得数順)で世界の3位になりました。


ハラハラ、ドキドキ、ヒリヒリをありがとう!
ニッポン、チャチャチャ!!


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