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甘野書店

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noteの本屋さんです! 小説、詩、絵、音楽、動画を販売してます! あなたは本を買いますか?  あなたは本を売りますか? ルールは以下です。 ・自作の小説・詩・絵・音楽・動画の…
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#猫好きさんと繋がりたい

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 こんにちは、甘野充です。  noteで小説を書いてる人はたくさんいると思います。  noteで小説を販売していますか?  売れていますか?  noteで小説を売るのはなかなかに難しいのではないかと思います。  小説を売るには、KindleでKindle本を作って売る、本を作って文学フリマで売る、ボックスで貸し出しているシェア型書店で販売する、などが現実的ですよね。  Kindleは電子書籍であれば気軽に読まれるし、文学フリマはネットで知り合った人などと交流して買ってもら

(掌編小説)占いは猫の目のように

朝のテレビの占いがどうしても気になる小学校5年生のあつやくん。今朝の占いはどうかな? 「ごめんなさい!今日のアンラッキー星座はいて座のあなた。めんどうな頼まれごとに右往左往しちゃうかも。でも大丈夫!犬を連れた人が助けてくれますよ。今日も楽しい一日を!」  朝のテレビのお姉さんが明るく今日の占いを教えてくれた。でもあつやくんは暗い顔。そう、今日のアンラッキー星座のいて座なんですよね。 「あつや。そんな顔してると不幸が寄って来るぞ」 「そうよ。占いなんていちいち気にしてちゃダメ

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(掌編小説)宝くじで当たった猫

8月1日  大学時代のへそくりがそろそろ無くなりそう。親の仕送りが懐かしい。コンビニのバイト増やそうかな。会社辞めたの失敗?でも無理だったから。会社辞めたら少し太った。JK時代の頃のようにほっぺが丸い。 8月3日  ロト外れた。スマホを放り投げそうになった。働きたくないな。大当たりするのをいつも夢見てる。 8月4日  今日はバイトが入ってない日だった。一日中アパートの中で無駄にエアコンつけて、ゴロゴロして無駄にご飯食べて。最近食べてばかりいる。 8月5日  今朝は起きられなか

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(掌編小説)猫が好きだから、とっても好きだから…

猫が大好きな鈴木家は、亮介(33歳)、妻(30歳)と娘(5歳)と猫ちゃんの3人と1匹で、なかよく暮らしていた…はずだったのに…  郊外の閑静な住宅地の一角で、かわいくニャーンと鳴く黒猫ちゃん。娘のまどかちゃんが生まれる少し前に、鈴木家にもらわれてきた女の子だ。名前はタマちゃん。まどかちゃんと一緒に育ってきた大事な家族。だけどまどかちゃんは最近外で遊ぶのが大好きで、今日も近所のお友達の家に行ったきり。奥さんの華さんの膝に座っていたタマちゃんは、気持ち良さそうに眠り始めた。 「

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(掌編小説)ごめんね、みいちゃん

心中相手を募って出会った2人。女は部屋に残した猫を気にかけて…  とにかく誰も知らない遠い所へ。かもめさんが運転する車は、私を乗せて北へ北へ走っていた。  心を削るだけだった会社は少し前に辞めた。薬は増えていく一方で、どんよりとした暗い闇は重くまとわりついたまま。  秋とはいえこの辺りはもう寒く、空はやたらと青かったけれど、車の中は色が消えたような会話が交わされるだけだった。  ネットの世界で仲の良い2人も、実際に会うのは初めて。会ってみたらかもめさんは案外普通のおじさん

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(掌編小説)続・すみっこ白猫と小学四年生~君の中の、りなちゃん~

「りなちゃん!学校来れるようになって良かったね!」 アヒル小屋の中で、ほうきを持ちながらあいちゃんは言った。 りなはちりとりに押し込まれる野菜くずを見ながら「うん」と言った。 「田中先生はまだ来れないけどね」 ひまりちゃんはそうつぶやくとため息をついてみせた。りなは何か言われるのかと身構えたけれど、二人はまた違う話題で盛り上がっていた。先生が休むなんて。先生も休むなんて。 放課後。帰り道。りなはひとり。給食を食べたから、夕ご飯無くてもなんとかなるかな。まだお母さんは帰ってこ

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(掌編小説)続・バイクに乗って猫を拾った

バイクで転んで猫に助けられて入院中。現状を説明すれば、なんとも冴えない。でも、もう松葉杖で歩けるようになったから退院が近いようだ。 4人部屋は僕ひとりだけ。白い部屋の窓の外からこぼれる午後の日差しは、僕には眩しすぎる。昨日両親が田舎から見舞いに来てくれて、初めて親のありがたみが分かった。恥ずかしいけれど、32年間生きてきて初めてのことだった。 明るい日差しが陰って夕暮れに包まれる。僕はカーテンを開け放ち、暮れゆく街並みを見下ろしていた。ふと思い立ちベッドに戻りスマホを見る。そ

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(掌編小説)バイクに乗って猫を拾った

その日は天気だけが良くて、僕はイライラしたままバイクに跨ると、街を離れてとにかく山へ向かった。小さな排気量のオフロードバイクは、重い気分の僕を人里離れた林道に運んでくれた。僕は30歳を過ぎてフリーのwebデザイナーをしているが、最近は仕事が減り、とにかく滅入っていた。 狭い林道を抜けたところに小さな公園のようなものがあり、僕はそこにバイクを停めてベンチに腰掛けた。人気のない山の上で緑の木々を楽しむでもなく、ぼんやりとスマホをいじっていると、後ろの茂みでか細い鳴き声が。 「猫だ

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