試論:余白、中間領域としての「世」
第1回の人文サロンβを終えた。参考図書は中井久夫の「世に棲む患者」「精神科医がものを書くとき」、木村敏「あいだと生命」。今回は中井久夫を中心に話すことができた。非常に示唆に富む内容で、知的刺激に溢れた時間となった。冒頭、まず「世に棲む」ということは一体どういうことなのだろう?という点に話しが及んだ。
よくよく考えるとこれは奇妙な言葉であり、「棲む」というものも、なぜ「住む」ではないのか?だがなんといっても奇妙なのは、「世」という言葉である。なぜ、地域でもなく社会でもなく、「世