TOP Bakery No.9 ~退職~

ガーナのパン屋の石本です。
前回は人材の採用について書かせて頂きました。
なるべく時系列に沿って書いて行きたいと思っていましたが、先日思う所があり、今回はその事について書かせて頂く事にしました。


突然の退職


2年半一緒に頑張って来てくれたスタッフの1人が急遽やめる事になり、昨日突然工場を出て行きました。
勿論、他のスタッフもびっくり。ずっと一緒に生活し、仕事をし、笑い合い、喧嘩しあい頑張って来た兄弟の様な中核スタッフが突然辞めるといい、首都アクラに行ってしまったのです。

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*ものすごいスピードで成形していくスタッフ達。かなり熟練してきました。

色々な事が起こる毎日なので、私個人的には、「あ〜、そうなのかぁ、残念だなぁ。せめて最後にちゃんと挨拶して別れたかったなぁ」位に考えていたのですが、残されたスタッフ達が怒る怒る。


-ずっと一緒にやって来たのに急に説明もなく辞めるなんてひどい!
-仕事のローテーションどうするんだ!早く言ってくれてたら別のスタッフを雇う準備が出来たのに!
-世話になったんだからこんな辞め方はない!


よくよく聞くと、そのスタッフが首都アクラにあるパン屋に、TOP Bakeryよりも良い給料で引き抜かれたという事だった様です。


TOP Bakeryでは3年間で述べ30人以上のスタッフを雇用して来ましたが、離職率についてはかなり低い方だと思います。(妊娠や進学を除くと、辞職して行ったのは3〜4人かと)
スタッフ達には常々「他社から欲しがられる様な人材になって欲しい」と思っていたので、そのスタッフはある意味で私達が望む様な結果を出してくれたのだと思い、こちらも応援するつもりで送り出す事にしました。


そして、残されたスタッフ達に


「最後に挨拶くらい来て欲しかったけど、彼が新しい仕事で成功する事を応援しよう。TOP Bakeryが良い給料を出せなかったのが問題だったんだから、これは会社側の責任だ。今年はしっかりと利益を出してみんなの給料も増やせる様に頑張るから協力してやっていこう。」


と伝えると、スタッフ達も同意してくれ、落ち着きを取り戻してくれました。
そして、生産リーダーが神妙な面持ちで、


「彼がいなくなった事は生産チームにとっては大きな穴で、一人当たり業務量が増える。新しいスタッフは探すが、見つかるまでの間は今の人数で回さないといけない…なので、今月は彼のもらうはずだった給料を残った生産スタッフに分けて欲しい。フェアだろ?」


なるほど、全てはここ落とし込む為の前座だったという訳か…と思いつつ、実際彼らもタフな状況にある事は変わりないので承諾しました。さっきまでの神妙な面持ちから一転、みんな笑顔になり、「さ〜、仕事仕事」と足早に散って行く様を見ると、うちのスタッフ達も逞しくなったなぁと感慨深くなります。

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*ベイカーの仕事は長時間暑いオーブンの前で、パンを焦がさない様に気が抜けない仕事です。

誰かが離れて行くことは少し寂しく感じるけど、きっとそれぞれが次の場所で活躍してくれてると信じて、古巣のTOP Bakeryも彼らに、良い会社だったなぁ、と思ってもらえる様に頑張りたいと思います。これからも優良な人材が沢山輩出ができる様な会社になれたら最高だな〜と思います。

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