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すた丼に学ぶ、愛される組織
こんにちは、「笑顔工学」の専門家、木村光範です。
笑顔工学って何??という方は、ぜひ自己紹介をご覧ください!
さて、先日、2年以上ぶりに「伝説のすた丼屋」に行きました。
西日暮里店がすぐ近くなので、そちらに。
昨年から、脂っこい食事を控えめにしていたこともあり、しばらくご無沙汰だったんですが、久々に食べたくなってしまいました。
ニンニクの香りと豚肉の旨味が口いっぱいに広がり、懐かしさと美味しさで思わず笑みがこぼれました。そしてふと気づいたのです。「これだ!愛され続ける組織の秘訣は、このすた丼の中にある!」
今回は、この体験をもとに、長く愛される組織やブランドの秘訣を探ります。さらに、すた丼屋が近年取り入れたセルフオペレーションやモバイルオーダーなど、イノベーションへの取り組みにも触れていきます。
千年企業の条件がいろいろ詰まった「伝説のすた丼屋」が、千年続くことを願って記事を書いていきますね。
創業者の理念がすべての起点
すた丼の歴史は、1971年、東京都国立市で誕生した一軒のラーメン店に始まります。創業者である橋本省三氏は、元ボクサーという異色の経歴を持つ人物です。ボクサー時代に培った「根性」と「努力」の精神が、「腹を空かせた若者たちに、安くて美味しいものをお腹いっぱい食べさせたい」というシンプルな理念の中に込められていました。
橋本氏は、日々のレシピ改良を重ね、豚肉をニンニクダレで味付けした「すた丼」を開発しました。たっぷりの白米に濃い味付けのおかずが乗ったこのメニューは、「元気になれる食事」として瞬く間に若者たちの支持を集めました。
この「食を通じて人を元気にする」という創業理念は、すた丼のすべての原点であり、その後の進化や挑戦にも一貫して影響を与えています。
変わらない安心感と新しい挑戦
今回は久々の訪問でしたので、スタンダードなすた丼と唐揚げ合い盛りを選択。変わらない味をお腹いっぱい楽しみました。
安心する〜。
ちなみに、メニューには季節限定や新しいサイドメニューも並んでいました。今、期間限定の「大阪ホルモン牛カルビ焼肉丼」も気になりましたが、やはりこのような選択肢があることが、長年愛される秘訣のひとつなのかもしれません。
すた丼が全国展開し、多くの店舗を持つ現在でも、「濃い味付け」「ボリュームたっぷり」「リーズナブルな価格」という基本コンセプトは変わっていません。このように、核心となる部分を守りつつも、新たなニーズに応じた商品展開を行うことで、幅広い層から支持されています。
たとえば、モバイルオーダーの導入や無人オペレーションの店舗運営は、現代の消費者ニーズに応える挑戦の一環です。効率性を高めつつも、「満足感」を損なわない工夫が、消費者にとって魅力的な体験を提供しています。
顧客を飽きさせない工夫
「伝説のすた丼屋」の成功の一因は、その顧客視点に立った飽きさせない仕組みにあります。メニューの中心には、創業以来変わらない定番の「すた丼」がありますが、それだけではありません。すた丼屋は、期間限定メニューや新しいトッピング、セットメニューを絶えず開発し、顧客に新たな選択肢を提供しています。
たとえば、先ほども触れた、「大阪ホルモン牛カルビ焼肉丼」のような期間限定メニューは、すた丼ファンにとっても新しい味覚体験となり、リピーターが「次は何を食べようか」と考える楽しみを提供しています。
これは、単なる一過性のマーケティング戦略ではなく、顧客の期待感を常に超えることで、ブランドとの長期的な関係を築く仕組みではないでしょうか。
さらに、これらの新メニューは、定番メニューと競合するのではなく、補完関係にあります。例えば、定番のすた丼を軸に、唐揚げとの合い盛りセットや、小鉢をつけたヘルシー志向のメニューなど、さまざまなカスタマイズが可能です。このようなバリエーションがあることで、「今日はがっつり行こう」「今日は軽めにしよう」といったその日の気分や状況に応じた選択が可能になり、飽きることなく通い続けられるのでしょう。
顧客視点で飽きさせない仕組みの背景
すた丼屋のメニュー開発は、おそらく、顧客アンケートや販売データの分析をもとに、次に求められる味やボリューム感を正確にキャッチし、それをメニューに取り入れているのだと推測できます。SNSでのフィードバックや流行トレンドも取り入れ、新商品として形にしているのでしょう。
たとえば、近年の健康志向の高まりに応じて、野菜を多めにしたメニューや、糖質オフメニューが登場するなど、時代に合わせた柔軟な対応が見られます。これにより、従来のすた丼ファンだけでなく、新しい層の顧客を取り込むことにも成功しています。そして、大食いニーズがあることにも対応して超鬼盛りもグランドメニューに取り入れられています。
このような顧客視点に基づいた戦略は、リピーターの維持に大きく寄与しています。期間限定メニューを試すために来店した顧客が、定番メニューの魅力を再発見する流れも生まれています。さらに、SNSを通じた口コミや写真投稿によって、新たな顧客層へのアプローチにも成功しています。
「変わらない安心感」と「ちょっとした驚き」をバランスよく提供することで、すた丼屋は顧客との関係を深化させています。この戦略は、顧客視点を第一に考える企業が持続的な成長を遂げるための重要な教訓と言えるでしょう。これこそが、千年続く企業に共通する「顧客視点」の実践です。
フロアは無人でした
今回訪れた店舗では、注文は、店頭の券売機、もしくはモバイルオーダーで行い、受け取り口で料理を受け取る、無人オペレーション形式でした。少ない従業員数で、効率的なオペレーションと短い待ち時間を実現しています。
この取り組みは、働き手不足やコスト削減という現代の課題に対応しながら、顧客の利便性を向上させる一石二鳥のイノベーションです。フロア店員の元気な挨拶、という特徴を出すことはできませんが、テクノロジーを活用しながら、創業者の「元気を届ける」という理念を別の形で体現しています。
すた丼屋の原点にある「若者を元気に」という理念は、商品や接客スタイルだけでなく、店舗運営や組織文化にも深く根付いています。特に、従業員が一丸となって顧客満足を追求する姿勢は、どの店舗でも一貫しています。
たとえフロアが無人オペレーションになったとしても、食事提供のスピードや品質に対する徹底的なこだわりは、顧客に対する真摯な姿勢を示しています。これは、創業者が大切にした「根性」と「努力」の精神が、現代の経営にも受け継がれている証拠です。
結び:すた丼から学ぶ、続く組織の秘訣
「伝説のすた丼屋」は、創業者のシンプルな理念を守りながら、時代の変化に柔軟に対応してきました。その成功の秘訣は、「変わらない安心感」と「新しい驚き」を両立させる仕組みにあります。
長く愛される組織やブランドを作るためには、「理念」「柔軟性」「顧客視点」「イノベーション」という4つの柱が不可欠です。すた丼の事例は、これらの要素をどのように実践し続けるかを教えてくれる好例です。
皆さんの日常生活でも、小さな出来事や何気ない食事からビジネスや人生へのヒントが得られることがあります。それには常日頃からアンテナを張っておくことが大切です。「何気ない食事にもビジネスチャンスあり!」そんな視点で日々過ごしてみませんか?
ここまで読んでいただきありがとうございます。この内容が少しでも役に立てば幸いです!
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