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読書感想1【プロダクトマネジメント】
はじめに
こんにちは。ヨシミツダです。今回読書感想文として紹介するのは「プロダクトマネジメント ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける Melissa Perri著 吉羽龍太郎訳」です。
私がこの本を読むにあたってのモチベーションですが、以下の2点になります。今いる会社にもプロダクトマネージャ(以下 PM)という職種の人たちはいますが、改めてその役割を知りたいということと、自分自身もプロダクトマネジメントに深く関わっていきたいところがあるので理解を深めたいということで本を手にしました。ちなみに訳者である吉羽龍太郎さんをTwitterでフォローしていたのが本を知ったきっかけです。
(TLに流れていました。)
改めて本に記載している内容で説明すると
1.セールス主導でもなくテクノロジー主導でもなくプロダクト主導でモノを作るとはどんなことなのかを理解すること。
2.プロダクト主導でモノづくりを行う場合のプロダクトマネジメントとはどのように実行するのかを理解すること。
プロダクト主導の開発を行うための組織とは
プロダクト主導の開発を行う組織は以下の4つの観点で構成されます。
本書では、基本的にこの観点に基づくプロダクトマネジメントの説明が行われています。これらの観点はより上位の概念により内包される関係にあります。
・適切な責任と構造を持つプロダクトマネージャーの役割を作る
・優れた意思決定を促進するような戦略のもとで、プロダクトマネー
ジャーがうまく機能するようにする
・実験と最適化によって作るべきプロダクトを決めるというプロセスを
理解する
・適切な組織の方針、文化、報酬によってみんなをサポートし、プロダクト
マネジメントを成功させる
プロダクトマネージャーの役割
プロダクトマネージャーの役割がプロジェクトマネージャーとの対比で記載されている部分がわかりやすいです。
プロジェクトマネージャー
「いつ」に責任を持つ。
・いつプロジェクトが終わるのか?
・すべてが予定通りか?
・締め切りに間に合うのか?
というようなことが関心事となる。
プロダクトマネージャー
「なぜ」に責任を持つ。
・なぜこれを作るのか?
・どうやって顧客に価値を届けるのか?
・ビジネス目標を達成する上でどう役に立つのか?
ということが関心事となる。
「なぜ」に答えるためには、顧客やビジネス、マーケットや組織といったことを理解した戦略的なマインドセットが必要です。これは優れたプロダクトマネージャーであるための極めて重要なスキルなのです。
プロダクトマネージャーのキャリアパス
プロダクトマネージャーの役割に関して、キャリアパスについての説明があります。
その前にプロダクトマネージャの仕事内容について説明します。
・戦術的な仕事
機能を作って世に出すという短期的な行動に焦点を当てます。次にすべきことを決めるのに使うデータを処理したり、日々開発者やデザイナーと一緒に作業を分解してスコープを決めたりすることも含まれる。
・戦略的な仕事
マーケットで勝利して目標を達成するためにプロダクトや会社のポジショニングを考えます。プロダクトや会社の将来像や、そこに至るために必要なことに着目します。
・運営の仕事
戦略を戦術的な仕事に結び付けます。プロダクトマネージャーは、プロダクトの現状と将来像をつなぐロードマップを作り、チームはそれに沿うように仕事を進める。
本書では、一般的なプロダクトマネジメントのキャリアパスについて説明しています。
・アソシエイトプロダクトマネージャー
・プロダクトマネージャー
・シニアプロダクトマネージャー
・プロダクト担当ディレクター
・プロダクト担当VP
・最高プロダクト責任者(CPO)
今の会社にもプロダクトマネージャーという職種はありますが、ここまで細かい区分の職種はないです。このキャリアパスの詳細は本の内容を参考にしていただきたいのですが、もしプロダクトマネージャを目指す方がいらっしゃれば、キャリアラダーを設計する場合のスキルとして参考になると思います。
プロダクトマネジメントを機能させるための戦略
戦略の章では、「戦略とは組織全体で語られるストーリーを相互に結び付け、特定の時間枠における目的とアウトカムを説明する。」という内容の記載があります。「特定の時間枠における目的とアウトカムを説明する。」という表現がちょっと不慣れでわかりにくかったのですが、おそらく時間枠がなければ、アウトカムを限定できないので、「特定の時間枠における」という表現が使われていると理解しています。プロダクトマネージャーは、戦略の文脈の中でストーリーを伝えて足並みをそろえる戦略展開を実施する必要があります。
戦略展開には4つのレベルがあり、
・ビジョン
・戦略的意図
・プロダクトイニシアチブ
・オプション
というレイヤーで実行します。
プロダクトマネジメントを機能させるための戦略を考える場合、戦略を計画として考えてしまうことによりビルドトラップにはまる危険性があります。戦略とは意思決定のフレームワークであり、戦略を毎月、毎年変更している場合、戦略を計画として扱っている可能性があります。
プロダクトマネジメントを実行するプロセス
プロダクトマネジメント実行するプロセスとして、実際のフレームワークやプロダクトマネジメントのカタについての効果を説明しています。
メリッサ・ペリによるプロダクトのカタは
1.方向性理解する
2.現状を分析する
3.次の目標を設定する
4.プロダクトプロセスのステップを選択する
という流れで実行します。
このステップでは、実験と最適化という試行錯誤を繰り返します。
プロダクトマネジメント実行プロセスとして評価するための具体的な指標や具体的なプラクティスがたくさん説明されています。はじめて聞くような指標もあり、勉強になりました。
プロダクトマネジメントを実行する組織
プロダクトマネジメントを実行する組織は、アウトプットではなくアウトカムを中心にものごとを理解します。プロダクトチームが顧客の近くにいることを奨励し、プロダクトマネジメントを推進する重要な機能とみなします。
実際にアウトカムを評価するためには、リリース後にどうやって計測するのかという課題がありますが、プロセスを説明する章に具体的な内容があったので、一度実際にデータを収集してもいいのかなと思いました。
製品開発時に品質が重要という話がよくでますが、もちろん品質は重要なのですが品質だけ重視してもビルドトラップが発生する可能性があることを本書を読んでいると感じます。
学びを生かすために
So what do you do? のところですが、プロダクトマネージャでなくともプロダクトに対する「なぜ?」を起点に行動プロセスを見直してみようと思います。私の立場は開発を遂行することですが、プロダクトマネージャーとしての観点は必要だと思いますし、将来的なキャリアパスとしても魅力を感じます。皆様の参考になれば幸いです。