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【感想】ライドカメンズ The STAGE【観劇】
はじめに
『ライドカメンズ THE STAGE』を観た。
むっちゃよかった……!
よかったのでつらつら感想を綴ろうと思う。
後半はネタバレ全開、というか配信観ながらがっつり書くしゲームもネタバレしていくのでネタバレ厳禁の人は途中で回れ右をしてくださいませ。
それではAre You Ready?
ネタバレなし感想
まず前提より。
私は今回の舞台の原作であるゲームをだいぶ長くやっている。
そう、それはサービス開始日である2024年5月30日から。
というのは、——これは別途深々語りたいが――ゲームのスタッフ陣がとても面白そうだったから。
特に世界観をあの高橋悠也さんが携わっているというのであれば、これは一度やってみるしかないとそう思い、飽きることもなく今日に至っている。(高橋さんについては別途語っているのでそちらをご参照あれ!)
ではでは本題だ。
ストーリーや世界観、キャラクターを知っていたし、ゲームをやり始めた当初より「舞台化しないかな?」と期待していた。
なぜなら舞台脚本も演出も手掛けたことのある高橋さんが描く世界なのだ、期待せざるを得ない。
ユーザーアンケートにも書いた気がする。「高橋さんの演出・脚本の舞台が観たいです」と。
もちろん舞台化しないかもしれないし、舞台化できたとしても高橋さんではないかもしれない。それでも、私は待っていたのだ。
しかし、しかしだ。こんなに早く舞台化するものだろうか?
ゲームは疎いのでサービス開始から一年足らずに舞台化することがあるのは分からないが、舞台化発表に狂喜乱舞した。しかも脚本は高橋さんだ!
楽しみでしかない。
早速、ライドカメンズをしていない友だちを誘ってチケットを取った。
加えて、やはり複数観ても後悔しないと思い、観る前にリピートを決めて別日のチケットを取った。
つまり、2回分のチケットを抑えて当日まで待っていた。
とはいえ、その前にキャスト発表だ。
正直、この段階ではなにも思わないようにしている。
動いてこその舞台化、舞台だからより魅力的に感じるキャラクターもいると思うからだ。
だからこの時点では、こんな感じだった。
・田淵さんだ! 文ステで我が推し太宰さんを演じてらしたけど、どんな為士を演じるのかしら。それにしてもこのビジュは予想以上に良い……。
・木津さんは……風都探偵で我が推しフィリップを演じてらしてた方か!
・レオンの廣瀬さんは……ドンブラザーズのソノシを演じてらした方? ソノシ……?
・伊万里さんは……2.5次元俳優のどこかで名前を聞いたことがあるようなないような……。
といった具合だった。
ちなみにゲームでこのメンバー内の推しとしては、陽真、阿形の兄貴、雨竜くんである。
そしてそれがこうなった。
・才悟、ゲームよりも感情豊かで真っすぐで良き良きだった。
・陽真、笑顔が素敵で全く明るい人だ。ところで山野さん、あなた梅棒の「花婿は迷探偵」に出演されていたのね? その時はゴツめな女装されていた印象だったたが、あなたこんなにほそっこいのね……わからなかった。パンフレット見てびっくりした。
・紫苑、ものすごくふわふわした話し方と膝を揃えた座り方で柔和な雰囲気を醸しているのに、ライブの時はキレッキレに踊っていてそのギャップにやられてしまった。
・慈玄、ゲーム初期の初期の頑固親父っぷりと、そこから多少柔らかくなった二面を同時に観れて嬉しかった。
・狂介、狂介が狂介してて見てて気持ちがよかった。為士への突っかかりも度々あって楽しかった。
・為士、やはり美しい……予想以上の美しさと、動いても踊っていても美しさが損なわれずそれがとても良かった。指先まで美しく、倒れても美しく、かつゾンビのような狂気があって美しかった。狂介を払う仕草もよかった。
・阿形の兄貴、より狂気があってなんかよかった。かつ度々お茶目でアドリブあって狂介と為士を弄んでいるのがマッドガイのリーダーぶりが見えてよかった。
・雨竜くん、変身しなくて残念ではあるけれど、変身しないなりに戦っていてよかった。立ち姿もよく、レオンとの絡みもよかった。
・レオン、ずっと我々エージェントをライドカメンズの世界に引き込んでくれてありがとう。ずっと楽しかった。
ライブパートも、最初は踊る必要ある? と思ってしまったが、やはり生でのパフォーマンスはとてもよかった。
特にマッドガイの各々己を誇示する魅せ方が好き。
といった具合で、ライドカメンズTheSTAGEにドはまりした。
ライブ曲も繰り返し聞いており、超英雄祭でもまた見れるのがとても楽しみだ。
さて、ここからもう少し踏み込んで感想を書きたい。
ネタバレあり感想
2回観に行って、飽き足らず配信も観ている
もちろん円盤も買った。B2ポスターも飾るつもりだ。
さて、舞台化が発表され、キャスト発表されたとき、思ったこと。
久遠瞬人とはだれか?
まず思ったことはエージェントを具現化したのか? と。
しかしそうではなかった。
今は亡き、彼ら5期生の同期であった。
ゲームには存在しない、しかし彼は確かに存在した。そう思った時、ゲームストーリーもより深みを感じた。
ひとまずストーリーに沿おう。
第一部
まずレオン、君だ!
我々がエージェントとして自覚できる最初はレオンに委ねられている。
舞台は枠があり客席と舞台上は断絶した世界であることも多々ある。
しかし、レオンのお陰で、彼が我々を「ご主人様」、つまり「エージェント」として終始接し語りかけてくれるお陰で我々は「エージェント」として物語に参加できた。
と思ったのも束の間、どうやら池袋サンシャイン劇場を模した座席を持つ車に乗っている、という説明で爆笑。
それを真顔でいうものだからもうもう面白くって仕方がない。
世界観の説明と共に可愛らしいレオンが見れて眼福である。
悲鳴からの怪人登場。そして仮面ライダーの登場!
なんとわくわくすることか!
Gロッソに度々通う私にはとても馴染みのある流れではあるが、やはり何度みてもわくわくが勝る。
そして、変身シーン。これをゲーム映像ではなく役者さんの新録で観れるとは思わなかった。かっこいい!
そこから始まるオープニング。
ジャスティスライドはみな変身しており、かっこいいアクションをみせてくれる。いや、マッドガイも変身せずとも力強いアクションで魅せてくれる。久遠、雨竜くん、レオンの立ち姿も美しい。
レオンの紹介でポーズを決める才悟、これこそが舞台ならではの動きである。
テンションがあがる。
マッドガイの犬猿の仲、仲裁をする阿形氏この会話がテンポよくて舞台ならでは。
阿形氏がよりお茶目でアドリブが多くて面白い。
紹介後の狂介の「ジャキーン」がノリがよくて好き。
雨竜君の真面目さが愛おしい。
2部につなげる流れが1部中、ストーリー中にあるのがすごく良い。
拍手からのパン、パパパンがやっていてすごく楽しかった。
無茶ぶりを楽しむレオンと、無茶ぶりを返されて狼狽えるレオン、遊ばれたレオンと百面相なレオンがとてもとても愛おしい。
さすがスーパー執事。
陽真が才悟をにこってやるのが陽真と才悟の関係性がみえて微笑ましい。
ジャスティスライドはずっと平和でいてほしいなあ。
カオスワールドに入った後、狂介の「えい、えい」の掛け声がとてもシュールでくすくす笑ってしまった。
掛け声どころかなにを鍛えているのかわからないことも相まって面白い。
反復横跳びをしている回もあったが、変な鍛え方をしている回もまた狂介の肉トレの面白さがあっていい。
ピアスが真面目に話している最中だからこそ、なんだかいつも通りというかアカデミーの制服を着ていても知っている彼らがいて嬉しい。
狂介と為士の中央争奪戦と、それを見守る阿形氏がとても微笑ましい。
為士が自画像を客席に見せるのが好き。
AクラスBクラスの交流が、こんなアカデミー生活だったんだなと思ってなんだか切なくなった。今は亡きクラスメイトたちも相まって。
トレーニングの様子が三者三葉でやはり個性的で面白いマッドガイ。
狂介はずっと掛け声があって熱い。
為士は所作が美しい。「眼差し」で見下してくるの最高。
阿形氏はずっと自分の世界を作っていて、それに巻き込まれる狂介と為士が可愛い。兄貴で常識人の被った最もイかれ狂った様がゲームよりもありありと表現されていて舞台化の醍醐味である、役者が表現するからこそ見えるキャラクター像があって良かった。
慈玄と紫苑の練習も今とは考えられないほど息の合わなささが見えて、ゲームの初期の初期を思い出した。
殺陣をしながら会話し、最後に繋がる久遠の癖を見せてる流れが好き。
久遠も才悟に一目置きながら、才悟は久遠に強くなるにはと問い、久遠は才悟に強さへのヒントを与える。
久遠の強さの元が、才悟の強さの元になり、そうやって紡がれた強さで才悟は人を助けていくのだろう。
レオンに再会した才悟がとる距離感が他人行儀すぎてよい……。
そして才悟がエージェントをみつけた表情がよい。
カオストーン、つまり自動制御のペンラよかった。ライブ以外でも使われるのであれば最初に買っておいて正解だった。
レオンの説明(早送りバージョン)、本当に好き。思ったよりも長尺でしかもしっかり早送りに見えてよかった。照明も虹色で早送りだった。
結局伝わっていないのも含めて、才悟のテンション感相まって面白かった。
記憶を取り戻した才悟と、取り戻していない陽真、紫苑、慈玄のやりとりがとても悲しい。陽真の「おはよう」の声の明るさがより際立たせる。
信じてもらえない才悟と信じたいけど信じられない陽真。
陽真の明るさに救われたいなあ。
レオンと久遠のやり取りが、本当にレオンを初対面にした人の反応で面白かったし、レオンに翻弄される久遠が貴重すぎて。
この後の展開を考えると、久遠も一緒にそのまま笑っていてほしかった。
ジャスティスライドとマッドガイ、アカデミー時代から反目していたのがクラスによりさらに思想の違いがでて切ない。でもそれがいい。
陽真と狂介を為士が治めるのがいい。そしてそれをまとめるのが阿形氏なのがリーダーとしての器だなと思った。
慈玄がなにも言わないのは比較的マッドガイの思想も理解できるからだろうか……。
久遠とマッドガイの戦い、マッドガイいつもぼろぼろで、でも立ち向かう姿がかっこいい。
マッドガイが変身できない理由があって納得できるストーリーになっているのがよい。
狂ったように笑う三人の狂気が愛おしい。
少ない時間だったけど、マッドガイの変身後の姿が好き。口元を隠し、口ではなく力で強さを示す姿が。
ゲームのビジュ発表時からマッドガイの姿が好きではあったが、舞台上でも拝めるとは……。眼福。
カオスライダーの後ろに透けてみえる変身前の久遠がいる演出が好き。
カオスライダーとして仮面で素顔を隠していても、才悟と戦う中で自分を取り戻していく表現が好き。
アカデミーではあんなに明るく笑っていても、カオスライダーとなってしまった今、久遠は本当の顔を見せず、本当に笑えずに戦い続けている。
哀しい。切ない。
才悟が感情的に語る姿は舞台ならでは。これほど感情のある才悟はゲームではみたことがなく驚いた。でも、ぼろぼろになって久遠と向き合おうとする姿はぐっときた。
カオスライダーと久遠本人が背中合わせで立っているのが悲しい。久遠は手を伸ばしていないのに、カオスライダー側が手を伸ばしているの、やっと才悟への助けを求められているようでよかった。
ライダーキックがちゃんとカオスライダーの胸にあたっているのが覚悟が決まっていて良い。
久遠に止めを刺したのがピアスで、それだけが救い。
久遠が最後にエージェントを守ることで仮面ライダーになれて、それは久遠にとっても才悟にとっても救いのある結末ではなかそうか。
最後墓参りまで描かれているのが丁寧で好き。
為士がいうと、為士の喪服姿も拝みたかった気がする。そんな気がする。
狂介の芯の通った思想、嫌いになれないな。
やはり陽真がいると一気に場が明るくなっていい。
才悟が久遠の癖——足を二回踏み鳴らす——を真似て、みんなのもとに駆け寄るのが、亡き友も仲間として入れているようでとてもよかった。
第二部
ライブパート。
圧巻だった。
語彙力は迷子になったので本当にすごかった。
入れ替わり立ち代わり、すごかった。
すごかった。
かっこよかった。
1回目の時はメインテーマである「GET BACK!!」以外は知らない状態で聞いたが、どれもかれもかっこよかった。
2回目は存分に聞いてからいったのでより一層楽しかった。
そんな思いをつらつらと。
「GET BACK!!」
大人数でのパフォーマンスはやはり勢いがあってかっこいい!!
くるくる入れ替わり立ち替わり、一人一人見せ場があったりシンクロしていたりととても見ていて面白かった。
目が一対しかないことをとても残念に思う……。
一人一人追いかけて見たかった。
衣装もキラキラしつつもそれぞれの良さがあってよかった。
キックの多い振りでキックされる度にドキドキした。かっこよい~~~!
超英雄祭でも見れるとのことで、すごく楽しみだ。
「Ride or Die!」
ジャスティスライドの曲。優しくて強い曲だった。
曲中のセリフがストーリーとリンクしてて、ジャスティスライドの芯を感じられた。
才悟の薄い感情の中の強い想い、陽真の笑顔の中の切ない優しい表情、紫苑の優しさ中の強さのある歌い方、慈玄の不器用で直情な性格が印象的で良かった。
振りがまとまっていてジャスティスライドの目標への一途さを感じた。
「MADGUY PRIDE」
マッドガイの曲。
いやはやかっこいいね!? 今回の中で一番ハマった曲。
阿形さんはいつもよりずっと荒々しく、狂介はいつも通り力強く、為士は美の化身だった。
みんなが一番と前に前に出ていて、それでいて魅せ付けてきて惚れ惚れした。
「かかってこい隙はないぜ」「くらえ必殺一撃」の振りが好き。
「両の手 両の足 全て懸けて」で互いに見合い、「勝ちたくて 描きたくて 叶えたい」で顔を背けるところ、犬猿の仲であっても度々少しは認め合っている関係性が見えて好き。シルエットで影が伸びているのもカッコいい~~。
背中で終わるのもかっっっこいいよなあ。
曲の後の幕間で、為士がサスを浴びていたり配信用のカメラにアピールしていたのが印象的。さすが為士、さすなる。
「君がいるから」
1回目は「特訓の鬼」(雨竜くんと狂介)、2回目は「阿形と美形(とガタガタ)」(阿形さんと為士)、配信で「キッチンボーイズ」(陽真と紫苑)を観た。
どのペアもそのペアだからこそのパフォーマンスですごく良かった。
仲良しこよしでない関係性だからこそ見える一面もあり、それがライドカメンズの魅力でもあると思う。
「なし」(為士と狂介)も気になるので円盤で観れるのが楽しみだ。
「Perfect Assistant」
レオーン!
初見であっても声だし練習があって、一緒に楽しめた。
さすがスーパー執事である。
動きも優美で為士とは違った美しさを感じた。
膝スライディングがかっこよかった。レオンはおちゃめな執事と思っていたけれど、こんな一面があるとは。
これからもスーパー執事でいてください!
「With My Reason」
曲前の挨拶で、感謝の気持ちがそろわないところがとても個性的で嬉しい。
慈玄の面と向かって言えない気持ちもわかる。そしてその慈玄に触れる紫苑がいつもそうやってフォローしているだなあとその関係性も見えて嬉しい。
曲が始まれば、エンディングって雰囲気でこれで終わってしまうんだなあと寂しくなってしまった。
曲中の感謝の言葉をいう人が日替わりなのを知らず、1回目が誰だったかわからない……。2回目は慈玄、配信は為士だった。慈玄は言ってくれてありがとう、為士は投げキッスもありがとうの気持ちになった。
また、阿形さんがひたすら指ハートをジャケットから出してくるのがお茶目でますます好きになった。
カーテンコールまで楽しかった。
やはり役とご本人は違うんだなあと同じ服装でも立ち姿が違ってよかった。これが舞台の醍醐味である。
特に狂介役の川上さん、狂介の時は姿勢が低く大振りで荒々しかったけれども、すっと立つと姿勢がとても綺麗だった。為士と並び立っても遜色ないほど。
阿形さん、もとい伊万里さんのSSの押し売りはとても笑ってしまった。
SSが暖かいのは分かるけれども!
おわりに
舞台っていいですね。楽しい。
観てよかった。
為士のマインドを見習って生きていきたいと思った。
これからもライドカメンズの世界を楽しみたい。
そして、舞台化第二弾も楽しみに、他のクラスの登場も心待ちにしている。