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『散るぞ悲しき』を読んで~僕は日本について何も知らなすぎる【#わたしの本棚】
3月17日の『NHK短歌』を拝見し、ゲストとして出演されていた梯久美子さんの著書『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』を購入しました。
番組内では栗林中将が訣別電報で詠んだ歌が紹介され、その歌の背景を聞くうちに「これは読まなければ」と思い、その日に書店で見つけて購入。
先日、読了しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1711756300942-NnqcOySCfr.jpg?width=1200)
栗原中将については、(この本が原作かは知りませんが)クリント・イーストウッド監督によって『硫黄島からの手紙』というタイトルで映画になっていましたね。
僕はあまり戦争に関する映画は見ないので、同作についても見ていませんでした。
ですので、栗原中将については恥ずかしながらほとんど存じ上げておりませんでした。
それ以前に、本書を読むまでは、硫黄島で厳しい戦いがあったとは知っていたものの、ここまで過酷を極めた戦いだったとは思ってもいませんでした。
ただ本土上陸を遅らせるためだけという過酷な使命のもと戦地に赴いた兵士のやり切れない思い。
武器・弾丸から水、食糧などの補給が絶たれた絶望的な状況でも、自決は許されず最後まで戦い抜く(1日でも占領を遅らせる)決意に至った悲痛な思い。
その生の最後に、散っていった2万を超える兵士の想いを乗せて詠んだ栗林中将の訣別の歌。
陳腐な表現にはなりますが、読んでいて本当にやりきれない思いでした。
硫黄島に残された兵士達の心境しかり、栗林中将訣別の歌を不合理にも改ざんした大本営の実情しかり・・・
しかし、本書のエピローグで紹介されていた今の上皇陛下が硫黄島で詠まれた歌のエピソードを読んで、思わず涙が出来ました。
やりきれない思いも、僅かですが救われた気もしました。
本書を読んで、僕は日本についてまだ何も知らないなと痛感しました。
この記事に記したことが本書のすべての感想ではなく、むしろ書き切れないくらいです。
(というか、一記事にまとめられるほどの知識も文才も持ち合わせておりませんが)
ただ、この本に出会えたこと、そして読んでいる時間と得られた知識は、自分にとって大きな糧となったことは確かです。
読書を通じた体験の偉大さを痛感した一冊となりました。