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ギブというのは、自分がいま出せる精一杯をやる、ということ|8月の話

小田原にある『Tipy records inn』というゲストハウスで働いています。これはいちスタッフが日々を書き綴っている日記のようなものです。

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8月1日(木)

帰りにオカミとオーナーとまほちゃんと晩ごはんを食べに行った。金目鯛の鍋が、ほんとうに美味しかった。

夏に冷房の効いた部屋で鍋を囲うというのはとても幸せだなと思う。そして日本酒をちびちびやりながらけらけら笑う時間は、ただごはんを食べる以上の、幸せな満腹感のようなものがある、そんなことを感じた帰り道。ご馳走様でした。

8月3日(土)

クラフトビールを飲んで、花火を見るというたのしい予定に出かける。小田原駅を降りてお城方面へ。こっちは観光客が多くて賑わっている。ふだん反対側だからいつもと違う小田原が見えてたのしい。

三の丸の広場でクラフトビールを飲み、ビール片手にだらだらと歩きながら酒匂川方面へ。喋りながら歩いていたから体感そんなに長くは感じなかったけれど、たぶん40分くらい歩いた。

小田原大橋の入口の交差点から歩行者天国。橋が傾斜しそうなところがいい感じのポジション。道路の真ん中に座って、ときどき寝っ転がって。天に届きそうなくらい。空から降ってきそうなくらい。

日常の中にある花火大会、という感じがして、とても心地よかった。細かい連射とかキラキラ系とかは映える感じがするけれど、一発、大きくドーンと上がる真ん丸の花火が、やっぱり王道という感じがして、貫禄のある感じがして、いいなと思った。また来年も見られたらいい。

8月4日(日)

日曜日だからフルチェックアウト。フルお掃除。額から汗が流れてくる。爽快感はあるけれど。

お昼は本格中華で青椒肉絲丼。ピーマン。

(氷華餃子・青椒肉絲丼)

午後はもうすぐオープンできそうなカフェで、コーヒーの練習をしたり、コワークしたり。居心地のいい空間になりそうでたのしみ。

8月7日(水)

今日はがっつり掃除したぁという感じ。新しい部屋のベッドが来て、一気に部屋になった感じ。形になってきた感じ。1日はあっという間だ。疲労感。

8月8日(木)

お掃除、人数少なかったけれどいいチームワークというかベテラン勢のおかげであっという間に終わった。

お昼はピザを囲う。私はごはん派で、ドリアみたいなのがあってそれを頼んで食べたけれど、ピザの醍醐味はパンであること以上に、わいわいこのピザ美味しいねぇ〜みたいな時間なんだなと思った。それだけで元気が出る感じ。

もちろんドリア的なやつは美味しかったから、元気は出た。

昨日はまじで1日が秒に感じたけれど、今日はやることをがんがん進められた感じ。集中していたのか、昨日のうちに優先順位を決めていたおかげか。どっちにしても良かった。

8月11日(日)

掃除をして、新しく出来た宿の、カフェの方のオープン日。オープンしたぁ!新たな歴史のはじまり。

(青みかんサワー)
(まかないのカレー。パクチー好き)

8月14日(水)

掃除して、中華丼を食べて、午後はミーティングほか。

(氷華餃子、中華丼)

そして夜は、オープンの打ち上げ。宿の設計者、現場の大工さんたちとたのしく飲む会。シャンパンとか、お祝いのどぶろくとか飲んだ。たのしかった。帰りながら振り返っていて、もっと制作秘話とか聞けばよかったなぁ、と思ったからまた今度聞いてみよう。

8月15日(木)

お盆。掃除部屋たくさん。人は少なくて大変な日。でも午前中に終わった。みんなでがんばった。ヘロヘロ。プチご褒美にマンゴーラッシー。(日替わりにセットで付いてくるのです)

(サクティ、日替わりカレーたしかシーフード)

8月18日(日)

昼飲みサンデー。おかみ特製タコス。辛さがうまい。

まほちゃんからハイチューもらった。ウルトラ大吉。うれしい。思えばこのハイチューが視点を変えることを教えてくれたような気がする。まほちゃんありがとう。

8月21日(水)

話すって大事。やってみるって大事。コミュニケーションを大事にしていこう。元気を出したいときはだいたいレバニラ。

(いつもお世話になっております)

8月22日(木)

お掃除ふたりで。おつかれさまでした~。カフェ準備しつつ。お昼は榛チャレンジ、成功。日替わり。染み渡るハシバミ。

(榛、日替わり)

掃除からのカフェ営業で正直ヘロヘロ~、でも今日進めなくちゃいけないことも多々あって、とにかくひとつひとつタスクをこなすことに全集中。意外とやれた。疲労感はあるけど、充足感もある。たぶん、やりたくないことはやってないから。負の感情がないから。いい雰囲気だから。

8月24日(土)

掃除はスタッフ少なかったけれど部屋数も少なくて良かった。お昼は昇玉、豚肉と木耳の卵とじ。と餃子3つ。うまいぃぃぃぃ。

(いつもお世話になっております)

戻ってカフェのオープン準備。接客をして、チェックインの準備、チェックイン対応をして、夜の仕込みも手伝ったらあっという間。

8月27日(火)

雨。出勤はふたり。お昼は栄華軒、半チャンギョーザ。

(栄華軒、半チャンギョーザ)

雨の音を聞きながらカフェでお客さんが来るのを待ちつつ、できる仕事を進めつつ、ワックスかけたり、バルサン準備したり。

トタンがバリバリ。お疲れさまでした。

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8月をちょっと振り返る。個人的な話です。

8月は、新しいカフェ&ラウンジがなんとか無事にオープンして、宿のほうも少しずつオープンして、カフェで出すコーヒーの淹れ方とかを覚えたり、掃除をしてカフェのオープンも準備する午前中の動きに慣れるのに結構必死だったり、

相変わらずまだ暑いし、諸事情だったり体調不良だったりの猫の手も借りたい状態によって、今日は最低限のことしかできないねという日が多々あったり、そう、今の優先順位を、この時間この瞬間の優先順位を瞬時に選択して、それをやっていく、みたいな、結構緊張感のある日々だったような気がしている。

今こうして振り返ってみて思うのは、そうかオープンしてまだ1ヵ月経ってないのかということで、これは毎月思うのだけれど、濃い1ヵ月だったなぁということと、やっぱり結構大変だったなぁということ。

オープンしてから1週間くらいの間は、あまりいい状態ではなかったように思う。自分の心理状態というか、頭の中が。

頭でぐるぐる考えてしまったり、例えば、誰々がやってくれたらいいのに、とか、もっとちゃんと準備して共有してほしいよね、とか、そういう、なんというか、もっとこうするべきだよね、みたいな、つまりは正論なのかもしれないけれど、そういうことに捉われている時期だった。

ギブというのは、何かを与える、何かをしてあげる、ということではなくて、ただ目の前の状況に対して、自分がいま出せる精一杯をやる、ということ。

オカミのあさみさんが言っていた言葉。7月の終わり、雑談をしながらふと出てきた言葉だったけれど、わたしにとってはこの言葉の存在はかなり大きくて、Tipyで働く上での指針のようなものになっていて、今回は特にこの言葉のおかげで、何が大事かということを見誤らずに済んだ。

人のこととか気にする前に、自分はどうなの?やってる?行動してる?いま自分ができることをやって、やり切って、その上で、まだ言いたいことがあるなら言えばいい。でもまずは自分の話。

まずは自分が今できることをひとつひとつやっていこうという気持ちに切り替えてから、気づいたときには誰がどうとかもうどうでもよくなっていた。

少しずつ、カフェの真ん中に立つことにも慣れてきて、やっぱりゲストやお客さんと直接コミュニケーションが取れることってたのしいなぁ、と身体の中から生きる喜びのようなものが湧き上がってくる感覚を味わっている。

来月はもっとコミュニケーションをたのしんでいこう。もっとゲストと地元の人の交わりが生まれるような場所にしていこう。


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