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日本一の男の中の男 景気が良い!

先日、とても暑い昼下がりに、今年初のかき氷を食べた。洋梨味と葡萄味の果肉入りの大きなかき氷を2皿。3人で取り分けて食べて丁度いい感じ。

メニューには他にもカラフルなかき氷が並ぶ。

話のネタは過去に食べたかき氷の話。台湾のバケツに入ったマンゴー果肉たっぷりのかき氷。私が思い浮かべたのは韓国で食べた、メロン丸ごと乗せたかき氷。九州で食べた白熊アイスなど。冷たいかき氷を食べながら、色とりどりの美味しいかき氷を思い浮かべワクワクしていた。

色とりどりでワクワク感のある映画で思い付くのが、植木等さん主演の日本一シリーズの『男の中の男』1967年公開日本映画。古澤憲吾監督。笠原良三脚本。シリーズ第5作目。ちなみにこのシリーズ全部で30作あるそうだ。

植木等さんが、歌い、踊り、大笑いし、平社員からどんどん出世していくのが、心地いい。高度経済成長期の右肩上がりの景気の良い日本の姿がそこにある。

中でも『男の中の男』を選んだのは、配属された会社がストッキング会社で、カラフルでオシャレな服装の女性社員が特に沢山出て来て、この時代のファッションが楽しめるから。また、ミュージカル仕立てで女性たちが華やかだから。

他の作品も、世間を茶にするが如く、機知と才気を持って猪突猛進、有言実行でバリバリご機嫌に大笑顔で出世していくのが軽快で面白い❣️

『ニッポン無責任時代』『ニッポン無責任野郎』1962年公開2作は田波靖男脚本。『日本一の色男』1963年公開。『日本一のホラ吹き男』1964年公開。『日本一のゴマスリ男』1965年公開。『日本一のゴリガン男』1966年公開。そして『日本一男の中の男』😝1967年公開。

まだ、7本しかみていないが…また、機会があれば他の作品も見てみたいと思う。

同じ笠原良三脚本の森繁久弥さんの『社長シリーズ』や加山雄三さんの『若大将シリーズ』もあるが、私はやっぱり植木等さんに無限大票を入れたい。

言い方を悪くすれば、シリーズの主人公は抜け目なくズルイし狡猾だし、策略家でいい加減、口八丁だし、レッドカードスレスレなことをする破天荒な人物。それをスマートで応援したくなる主人公に変換出来たのは植木等さんの人柄と品の良さと嫌味のない笑顔の賜物だと思う。

植木等さん。実家がお寺で戦時中は自身もお寺で修行しながら、夜間学校に通っておられたのだとか。昭和20年の終戦時は進駐軍がもたらしたジャズが大流行り、植木等さんもバンドマンとして活躍し、コミックバンド”クレイジーキャッツ”の面々と出会い、『スーダラ節』のヒットにより、映画主演が決まったとのこと。

笑顔と底に流れる仏教的倫理感の裏打ちによる、無責任な役どころ。挿入歌を作詞した、青島幸男さんの鋭い社会風刺の歌詞。ジャズで磨いたリズム感で歌い上げる歌唱力。ヒットする映画の絡みあった成功要因を見ているようだ。


今の時代からすれば時代錯誤の男尊女卑の映画との批評もあるが、私は時代を切り抜いた映画だと思う。今の倫理からすれば信じられないことも、その時のありふれた社会風景だと思えば、勉強になる。

現実社会の中でも、この時代をくぐり抜け、未だにこの時代に留まった思考をする方々を目にする。その時に、その方の過ごしてきた社会背景を想像するのだ。

今の当たり前の価値観は、時代と共に変化していく。未来から見てみれば、今の当たり前の価値観なんて、時代錯誤そのものに変化してしまう可能性があるもの。


毎日暑い日が続いくと、かき氷が食べたくなる。これからがシーズン。ワクワクするかき氷に出会いたい。もちろんワクワクする映画にも。






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みと吉 禮子 (みとよし れいこ) 絵本作家
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