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【シン・ニホン】 -ほぼ1,000字感想文

○タイトル:シン・ニホン
○著者  :安宅 和人
○発行  :NewsPicksパブリッシング (2020/2/20)


■ざっくり概要

「この国は、もう一度立ち上がれる。」

帯に記載の通り、これからの時代において、もう一度日本が繁栄するために何をすべきか?様々な切り口での提言をまとめた一冊である。

 著者の安宅和人氏はSFCで教鞭をとりつつヤフー株式会社ではCSO、その他多くの顔を持つ人物である。その多様なバッググラウンドがあるからこその横断的な提言が、とても面白い。

「15年間、日本は一人負けしてきた」など、衝撃的な事実に目を覆いたくなるが、それでも日本を元気にしたいと勇気と責任を感じることができた。


■学びポイント

○日本は15年間ずっと負け続けている

大きな理由は「オールドエコノミー偏重」と「低い生産性」にある。

世界の企業価値ランキングを見ると、もはや日本企業は存在しない。これは、既存の日本企業が衰退したわけではなく、経済の主戦場が変わったことが要因である。自動車産業など、かつての世界経済を牽引していたオールドエコノミー領域そのものがデータ×AI領域に負けている。

さらに、日本企業の生産性は世界水準に大して大きく遅れを取っている。ICT分野の遅れも1つの要因ではあるが、それ以外の根本的な改革も怠ってきていると言える。


○データ×AIの力を解き放つ3つのスキルセット

引用/P165
ビジネス力[BusinessProblemSolving]
→課題背景を理解した上で、ビジネス課題を整理し、解決する力
データエンジニアリング力[DataEngineering]
→データサイエンスを意味のある形に使えるようにし、実装、運用できるようにする力
データサイエンス力[DataScience]
→統計数理、分析的な素養の上、情報処理、人工知能などの情報科学系の知恵を理解し、使う力

日本では、初等教育でプログラミングを必須化するなど対策をとっているように見えるが、十分ではない。これは、あくまでエンジニアリング力の基礎の1つを補う程度。

解決すべき課題を定義し、適切なデータ活用の全体図を描き、それを実行するというプロセスを体系的に把握する人材を育成すべきである。

ただし、全てを個人が習得する必要はない。軸足をいずれかにおきながら他領域に知見がある人を束ねて強い組織を作っていくことが重要。


○リタイア層に手厚い国家予算配分

上記の日本一人負けの構図は、主に研究開発と教育への投資が遅れていることにあると、著者は指摘する。そして、これは日本の国家予算がないからではなく、その配分に問題があるとのこと。

特に大きく予算を取っている社会保障には年金と医療費が含まれ、当然ながら高齢者への手厚い待遇に繋がっている。少子高齢化社会であるにも関わらず。

このような偏重した国家予算を見直すことで、未来の国力を上げていくべきとのこと。


出典元↓

※関係者の皆様へ
感銘を受けた作品だからこそ、より多くの方に読んでもらいたくnoteを記載させて頂きました。作成画像など、内容に問題がある場合は即刻掲載停止しますので、ご一報頂けますと幸いです。

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