【定量分析実践講座―ケースで学ぶ意思決定の手法】 -ほぼ1,000字感想文
○タイトル:定量分析実践講座―ケースで学ぶ意思決定の手法
○著者 :福澤 英弘
○発行 :ファーストプレス (2007/6/1)
■ざっくり概要
定量分析に基づいた意思決定を学ぶべく、ケース考察と解説がセットとなっている本著。コンビニエンスストアの経営者として、様々なビジネス課題に向き合う。
著者によると、問題解決は「意思決定」と「実行」「評価」に分かれるとのこと。本来であれば、意思決定と実行が合わさり、初めて成果に繋がる。 しかし、実行の方が目につきやすく、意思決定に問題があったとしても、これを適切に評価することは難しい。
著書では、"クールヘッド"で問題に立ち向かうスキルの習得を目指す。
■学びポイント
○戦略的意思決定とオペレーショナルな意思決定
著者によると、意思決定は大きく2つに大別される。戦略的意思決定とは先を見越した長期志向のモノ。全体観を持ち未来の不確実性に向き合う必要がある。
一方でオペレーショナルな意思決定とは、不確実性の少ない状況で資源を最大限有効に活用し短期的な結果を求められるモノ。常に定量的な分析に基づき、実行・評価・改善が求められる。
いま自身が向き合っている問題がどちらであるか、しっかりと見定める必要がある。
○意思決定の3つの評価軸
意思決定は「合理性」「価値観」「感情」によって構成されている。普遍的な「正しい意思決定」というものは存在せず、自分にとって「正しい」が存在するだけである。
特に経済や経営の分野においては損得が数字で評価ができる「合理性」が重要視されるのが当然。しかし、それだけではないことを認識しておくべき。
人間の合理性は限定的なものであり、感情や性向に歪められやすい。このようなバイアスがあるということを知っておくことが大切である。
□意思決定の構成要素と特徴
・合理性:普遍的で他者と共通認識をとりやすい。定量化が可能で、それにより納得性を高められる。
・価値観:自身が絶対に譲れない原理原則。他者と共有できるかどうかは状況による。
・感情:人である以上、かならずつきまとうことを意識すること。他者からみた納得性は低い。
○不確実性とリスク
意思決定の性質で分解をすると「確実性の意思決定問題」「リスクの意思決定問題」「不確実性の意思決定問題」の3つに大別できる。
確実性のもとでは、「Aを選択するとaが起きる」という単純な導きが可能。一方、リスクとは「Bを選択するとb1が起きる確率がx%,b2の確率がy%・・・」のように、選択をするとその後の結果が起こる確率が、明確になるような問題を指している。
最後の不確実性とは、将来起こりうる結果のレパートリーは想定されるが、それぞれが起こる確率を想定できない問題である。また、確率を用いることが意味をなさない場合も不確実性と言える。
不確実性がある場合は、想定可能な範囲で仮定を置き、それを分析の上では正しいものとして扱う。よって曖昧さをどのように包括するかの正解がなく、難易度が高い。
出典元↓
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