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灼熱の「推し旅」2024 #2 石山寺(大津市)・車折神社(京都市) - 華のおんなソロ旅

 雅な平安朝を訪ねて、この夏に行った「推し旅」の2日目です。

 京都市内の宿を出て、京都駅経由で大津市のJR石山駅で下車、京阪バスに乗り換えて石山寺山門前駅で降りるという経路で、もっとも歩かなくて済んだ。これは宿で朝観てきた旅行系ユーチューバーさんの動画のおかげで、方向音痴の私も迷わなくて感謝。旅行系動画には、山ほどある観光地自体の画ではなく、ぜひ、要領のよいアクセスや周辺地の情報がわかるものをお願いしたいです。

石山駅の前のバス停から

 石山寺に到着したのは朝9時という早さ。朝の早起きが苦にならなくなったことには年を取るメリットもあるのだと(笑)。東大門を入って、お土産屋さんを先にザっと眺めたあと、入山料の支払いがあり、せっかくだから大河ドラマ館、関連の展示館のすべてに入場できる「スーパーセット券」を求めた。

入口で
美しい牛車
参道までを歩く 人気がなく快適な朝だが、帰りには人であふれ返っていた
入口での解説

 石山寺は、文字通り「石の山の寺」。「硅灰石(けいかいせき)」を背景にして臨む多宝塔は大変美しい。神社仏閣にあまり関心のない私だが(みんな、同じに見える・笑)、このスケールの大きいお寺はたいそう気に入った。それで暑い中、境内を丁寧に見ていくことにした。

くぐるとご利益があるという、狭い洞穴があるのだが今日は禁止だった
参道入口
結構キツイ階段
毘沙門堂


美しい景観
天然記念物に


本堂入口  中は撮影禁止 中では内陣もお参りできる 平安朝でおこもりをしていたのはここか
本堂への上がり石段 暑い日にはこれも結構こたえる
美しい多宝塔


この石に座ると安産になるそうだ


左は紫式部供養塔  右は松尾芭蕉の句碑


めかくし岩
右は源頼朝供養塔
心ないいたずら書きが なんてことを


月見亭
月見亭付近から


展示館


光堂 美しい造り
この石段は降りていけるのだが 暑くてパス


八大龍王社


尻掛石

 今年の大河ドラマ「光る君へ」でも何度となく登場する、文学の寺でもある石山寺。本堂の一角には源氏の間がある。前に観た動画では、月を眺めて執筆する紫式部の人形が修理で不在だったのだが、今回は美しい紫の十二単で復帰している。面白いのは顔も変わったところで、いかにも平安朝というような以前の下膨れの顔から現代風にシュッとしたようである。背後にいる童女は、娘の賢子とも言われているが、これもお色直ししている。
 この藤原賢子と言えば、大河の直近回では、なんとこの石山寺で藤原道長と契ったまひろが産んだ不義の子になってしまった。この大河を面白く観ているが、この設定はいかがかと思う。もともと、二人が再会するたびのラブシーン連発には少々ヘキエキしていたところ。越前に行って新しい自分の道を見つけると言っていたのはどうしたのか。今になってダラダラと関係を持つのなら、夫が引き留めようと振り切ってこれからでも道長の妾(しょう)にでもなれば、と思ってしまう。源氏物語は、現実には要領よく立ちふるまえなかった紫式部の内面のふつふつとした想いが昇華したものではなかったのか、だから傑作になったのではないかと、なぎこさん(清少納言のことは私はこう呼ぶ)の悪口を言ったところは好きではないがその点には敬意を表していたのだが、なんだかこの設定で、式部に傷がついたように感じるのは考え過ぎだろうか。


まあ「お直し」されたのね
「私に背後から近寄るのは誰 ?」
「なあんだ、みざくらか。」 「そうよ、私よ。来てあげたわよ」(笑)

 
 併設されている大河ドラマ館は、「五節の舞」で吉高由里子が着た衣装の展示、キャストのパネル、ドラマのメイキング映像などがあった。久しぶりのドラマ館だが、こんなにシンプルだったっけ。多くの人が入れ代わり立ち代わり入場していた。その近くで開催されていた「源氏物語 恋するもののあはれ」展は、イラストに関心がない者にはあまり見どころはなかった。

ききょうとまひろのツーショット
もちろんポスターも
まひろが着た衣装 ここは撮影可


展示のイラストはこんな感じ

 門の外に出て、ユーチューバーさんの動画でねらいをつけていた、石山寺名物の石餅をいただく。最初は暑さのためかき氷だったのだが、お腹がすいて追加注文。そう言えば、今朝はほとんどものを食べていなかった。石餅はごろっと食べ応えがあって、これもすっかり気に入った。外に出て、見渡すと瀬田川・琵琶湖リバークルーズの乗船案内が。期間限定、日が限られているのだが、本日は運航日とのこと。水が大好きな私としてはぜひ乗りたいところだが、次の乗船時間には1時間半もある。午後の予定もあるし、今日は早めに宿に戻らなければならない。残念だがまたの機会に。今度は琵琶湖疎水の舟に乗り、三井寺とセットにして訪れることにしよう。

店の入口で
最初に食べたかき氷にも石餅が 美味
紫式部が使用した硯が再現、展示されたことを記念したお菓子


記念にお土産

 この付近の情報不足がちなのは、京都のガイド本には滋賀県大津のことがあまり載っていないために、こちらの方面に来て観光しようとしてもスルーしてしまっていたためだと思う。大河のおかげで盛況になればいいですね。

 さて、京都に戻ってきて、次に向かったのは車折(くるまざき)神社である。ここにたどり着くまでにまたまた苦労したが、ウンザリなので書かない。ただ、車折神社に行きたい人は、嵐電に乗り、「車折神社」駅で降りるのがもっとも近いと思う。目の前である。

神社入口
嵐電 きれいな紫色
車折神社駅 ホームから見える神社入口

 ここには、なぎこさんを祀った「清少納言社」があるのである。車折神社は平安時代の儒学者、清原頼業(きよはらのよりなり)を祀ったころだが、なぎこさんはその縁者だからだそうだ。

これが清少納言社
説明の掲示

 その清少納言社の向かいにあるのが、芸能神社である。芸能関係の方が来て、赤い板(1枚2万円)を奉納している。結構有名な芸能人の名も。若い女の子たちが好きな芸能人の名を見つけて、キャーキャーと騒いでいた。お守りの販売所ではたくさんのお守りがあったが、9色もある「推し活お守り」には思わず笑ってしまった。まあ、私も記念に清少納言社の「才色兼備お守り」を買ったから、似たようなものだが(笑)。

車折神社の中にある芸能神社
ジェラール・ドパルデューがまたなぜ
見たことのある方々
こんな方々も
宮尾さんは破格の金額
眞島さんも来てたのね
ファーストサマーウイカの板は、清少納言社の見えるところだった
駅とは逆方向の入口

 さて、今日は宿に早く戻らなければならない。ホテルの宿泊者向けイベントの「利き酒体験」を申し込んでいたためである。月4回の開催のうち、2回は佐々木酒造の方が来てくれるとのこと、ちょうどその日にあたっていたので迷わず申し込む。シャワーを浴びてすっきりして、準備万端。いや、蔵之介さんが来るわけではないんだけどね(笑)。

ラウンジでの教室の様子
ブルー吟醸
利き酒の一覧
香りが素晴らしかった
利き酒体験
オーソドックスな聚楽第

 春に京都に来た時に飲んだこの酒造の聚楽第がすっかり気に入ったが、レクチャーのおかげでまた少し詳しくなれた。今度は酒造にもおじゃましてみよう。なお、佐々木蔵之介はそろそろ役柄上病没予定で大河退場が近づいているが、このまひろの夫、藤原宣孝役の演技は大変よかった。人柄の幅を感じさせる一方で、美しく成長したまひろをなめるように見る好色そうな表情といい、円熟の極み。最初はまひろの父の藤原為時役の岸谷五朗と逆の方がよいのではないかと思ったが、為時は為時で好演だし、今のところ配役に優れた大河だと思う。

 明日は、観光バスで貴船に行きます。