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ポエム帳

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酔っぱらったときに書きます。
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2014年7月の記事一覧

ラスト・ワルツ

部屋が暗い。何も電燈をつけていないせいじゃない。

裸電球まぶしくても、その光、差し込む瞳の奥が暗いのだ。

懊悩でもなければ絶望でもない。もちろん恋の類いでもない。意味深に森田童子を聴いて、その意味ふかく考えるあまりに、すべての答えはからっぽの中にただよっている二酸化炭素なのだと知る。

ねえあなた、おどりましょうよ。

椅子に深く腰掛けて或る夏の日を思う。それはとてもありふれた一日だった。つま

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金魚もようのマッチ箱

こんなに淋しい夜は、ひとりでお酒を飲むのです。

それは、きっと正解ではありません。だけど、他に答えが見つからないのです。

「明日が来る」。こんなに前向きな言葉の連なりが、どうしてか私を怯えさせます。

焼酎、一杯。西の星。それから、ウイスキー。白州。酔えません。酔えません。淋しい夜に限って、酔えません。

連休は温泉に出かけました。町でいちばん高いところにある旅館なので、温泉に浸かっているあい

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ソーダ水

どこかで道を踏み外したわけじゃない。

どちらかが背を向けたわけでもない。

ぼくたちはいつだってまっすぐに進んでいるだけなんだ。

その途中でたまたま道が交差して、はじめまして、それだけのことなんだ。

あの古い写真館のあたりまでは、道がつながっているみたいだから、そこまで一緒に歩きましょう。

歩いてるとなんだか楽しいね。ひとりで歩くのとまたちがう。見える景色も、聞える音も、感じる指先の温度さ

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モッキンバード

お気に入りのバーができた。

といってもまだ一度しか行ったことはないんだけれど。

先週の金曜日のことでした。

ぼくは友達とひさびさに町へ出てお酒を飲んだ。

いつも居酒屋ばかり行ってるんだけど、その日はちょっと勇気を出してみようってことで、帰り際、三軒目、小さなビルの二階にあるバーに入ってみた。

そこは狭くて席も少なくてお洒落な感じのまさにバー!って感じだった。だから少し恐縮した。

テーブ

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夢見ることだけ許してよ

いつからか朝が、夜を待つだけの時間になってしまった。

目覚めたらすぐにもう、過ぎることを望まれる朝というやつは、かつては希望の象徴ではなかったか。あたらしい朝がきた、なんてラジオ体操の歌詞にあるけれど、朝のまぶしさに心洗われたことなど、もう長いことありはしない。それで洗いきれないほど、ぼくが汚れてしまっただけなのかもしれないけれど。

十年、というと、まだ学校に通っていて、少年だった。たとえば夏

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流されてたどりついた

ノートってなんだろう。こういうことには疎いからわからない。わかりません。

今はハイボールを飲んでいます。

たまにはお酒を控えなきゃと思いつつも、ついつい飲んでしまいます。

だけど明日は月曜日なんですから、飲まないなんてこと、とても、出来そうにありません。

絶望はくるくる回ります。

くるくるくるくる回って、

洗濯機のように、

いろんなもの、洗い流してくれたら

いいのに。