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スクランブルエッグ

スクランブルエッグをつくるよ
君と二人の朝食
たまごを三個つかうのだ


ボウルに割りいれたら
マヨネーズを適当にしぼり
ミルクを大さじニ杯いれようか

塩コショウをぱっぱっと振りかけて
とろけるチーズを好みでね


あとは卵白を切るように菜箸で


機械は使わず
ぐるぐるぐるぐる。。
手作り
菜箸で混ぜていく


うま味に悲しみを閉じ込めたら


気をつけてぐるぐるぐるぐる


時間を置き忘れるほどに思いをはせながら


ぐるぐるぐるぐる


僕の記憶の1月17日に混ぜこんで


ぐるぐるぐるぐる


おいしいスクランブルエッグになるといいな

フライパンを熱してバターをとかすと
一度濡れ布巾にジュワリ冷そう


フライパンがはりきる声をきくんだ


僕は涙をいれずに卵液を流し込む
そっとやさしくはげましてくれた
いつかのお友達の声を
ことばを思い出す


そのうち
ほら、フライパンの周囲から
卵液はかたまり
美味しいにおいでキッチンは満たされるんだな

まだまだ


そう。。

そこで菜箸をいれようか
情熱の火は止めちゃっていい
むりしない熱さで
カタカタとゆすりながら


むりはしないで。。
涙出てきたら


空気のお布団を掛けるつもりで
手早く
おだやかに
柔らかふわふわっと
混ぜてみよう

できあがりは美味しいスクランブルエッグ


君が待っていたスクランブルエッグ
さあ、約束どおりのスクランブルエッグ


悲しみさえもいつか閉じ込めて
混ぜあわせて
もう一度きっと
いつかの美味しい食卓になりますように祈るだけ


それが今
僕のせいいっぱいだ。。


だから柔らかくやさしく


そっと焼きあげて
盛りつけて。。


ただただ
無事を祈りながら








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べじさん
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