Chapters書店 ものづくり物語 -#2 シルバーアクセサリー-
指輪から始まった、グッズストア構想
読書が好きな人が一番よく見る体のパーツって、手だと思うんです。
無意識に目に入り、なんとなく気になる手。
自分の手を見てみても、指輪が5つ、ブレスレットが2つ。
もう長いものは6年くらい愛用していて、読書との因果関係は定かではありませんが、なるほど、確かに自分の指は割と気になるパーツだなと。
今回のChapters Goods Storeは、読書好きのためのユニセックスな指輪づくりのアイディアと共にプロジェクトが動き出しました。
自分のために買いたい、自分用のリングがいい
指輪って、とてもパーソナルなもの。
もらったりあげたり、ギフトとして持つ意味合いも大いにあるからこそ、今回チャプターズが作る指輪は、本好きが自分のために買いたくなる指輪にしたいと強く感じていました。
加えて、チャプターズ自体も人との出会いをご提供する書店。
これは、しっかりコンセプトからぶれずに作らないと本意ではない方向の「ロマンチック」に進んでしまう予感も少しだけありました。
自分だけの秘め事のように、付けていると読書愛が高まる感覚がほしい。
けれども、まずもって日々のファッションとして成立するシンプルなデザインがいい。
きっと、私のこんなわがままを感覚的に受け止めてプロダクトに落とし込める人は世界中に一人しかいないだろうなと、企画書に愛をしたたためて送った相手がいます。
それが、今回コラボレーションした韓国のシルバーアクセサリーブランド・HUSUTADのデザイナー 、Minsun Kim氏です。
私が心からオシャレだと思うアーティストであり、デザイナー。
20歳で留学したロンドン大学で出会った、最初のルームメイトです。
制作過程はコロナ禍の自分自身のセラピーにも
以前は年に一度、互いの国を行き来して会えていたものが、コロナ禍で世界が一変。会えない日々が続いていましたが、今回のコラボレーションをきっかけに連絡が増え、海外の尊敬すべき友人と距離が再び縮まったことをとても嬉しく感じています。
仕事ではありながら、一人きりの外出自粛期間、彼女との電話やメッセージのやりとりが私にとってセラピーでもあり、時間をかけて丁寧にやりとりしたプロセスも含め、これはいいものができるぞ〜と確信しながら進められました。
最初に送った企画書に「for book lovers」と綴った通り、読書愛を感じられるデザインを互いにスケッチに起こして送り合う中で、たどり着いた一つのアイディア。
日本語の「読書」が韓国語では「독서(Dogseo) 」と発音し、とても似ていることがわかりました。
読書?독서?トクソ!
違う言語を話す2人の間に見つけた共通点。コンセプトど真ん中で音も可愛いかったので、Dogseo(トクソ)をデザインに昇華させていこうと出来上がったのが、今回のWhat’s your hobby?リングです。
一見すると読めない英語で、韓国人でもよくよく見ないとわからないレタリング。
当初イメージしていた自分だけの秘め事感、読書家が自分のためにつけるリングというコンセプトにばっちりでした。
What's your hobby?リングと名付けたのは、日々の会話で何気なくやり取りされる「趣味は?」や「いま何してるの?」の回答に、遊び心と一緒に答えられるコミュニケーションツールにもなればという願いを込めて。
撮影はオール韓国クルーで
What’s your hobby?リングが完成し、そのほかのデザインも固まった2022年春の終わり。
ちょうどその頃、韓国観光再開のニュースが大きな話題となりました。
朝から韓国大使館に並ぶ、観光ビザを求める人々。
テレビで連日報道が続きましたが、あの中に人知れず私もおりました。
クリエーティブ撮影のディレクションを遠隔で伝えるのは難しいと判断し、夏休みも兼ねて、グッズの撮影は韓国で挑戦してみようとトートバッグも持ち込んで韓国・ソウル入り。
滞在期間は7日。出発前後のPCR検査やアプリのダウンロード・申請など慣れない手続きが多く戸惑いながら、現地入りしてから撮影準備もワタワタと急ピッチで進み、確認漏れがないか常に神経を使っていました。
夏休み半分の気持ちで乗り込んだのが、見事にお仕事旅。
ただ、とにかく韓国のご飯が美味しくて!
働く、食べる、働く、というスケジュールでした。
肝心の撮影は、ひたすらにMinsunの素晴らしい人脈に支えられました。
ヘアメイクさんも。
スタイリストさんも。
フォトグラファーも。
モデルさんも。
第一線で活躍するプロフェッショナルたちが集結し進む撮影の中、大まかなディレクションはMinsunに英語で耳打ちしながらも、私はもう休憩時間にアイスコーヒー買ってきて配るくらいしかできませんでした笑
出来上がったウェブサイトに漂う、異国情緒というか、ここどこ?なファンタジー感が気に入っています。
オールハンドメイドが愛着に
ここからはプロダクトについて。
今回Minsunのお仕事現場に同行し指輪の製作過程も見せてもらったのですが、老舗の工場さんとの信頼関係、そして一つ一つ丁寧に磨いて仕上げるオールハンドメイドな製作過程に、ぐっと愛着も高まりました。
通常の指輪がどのように製作されているか、私の勉強不足でうまく伝えられないのですが、Chapters Goods Storeで販売する指輪は全て完全受注のハンドメイドです。
一つずつ作るので大量生産には向かず、完全受注で今回販売します。
お届けまでにはお時間も頂きますが、こうした背景ですので、どうか気長にお待ちください。
またチャプターズのお客様に20代が多いことも鑑みて、金額帯も協議の上かなり抑えました。シルバーアクセサリーとしてはコストパフォーマンスもいいと思うので、一人でも多くの本好きさんに届けば幸いです。
愛用品って、製作過程や背景を知るとより愛着が高まると思います。
今回、撮影はもとよりそう行った意味でも、韓国に行けてお伝えできることが増えて本当に良かったです。
一推しは、リングを親指に
今回リングが3つ・キーチェーンが1つの展開で、リングはサイズもオーダーできるので思いのままですが、読書好きにぜひおすすめしたいのが親指リングです。
本のページを抑える親指の手に指輪が光るととてもお洒落で、なんだか自立した大人な印象を与えてくれる感じがあります。
男性の親指リング、かっこいなと常々思っていたのですが、女性も然り。
私は今回What’s your hobby?リングのコンボを親指で注文しました。
お客様と同じタイミングで届くので楽しみです!
また、本との出会い・人との出会いをお届けするチャプターズのサービス特性に沿ってこんな話も出てきました。
「指輪を、チャプターズでこれから出会うかもしれない新しい友人や恋人とシェアできるのもいいね」
ということで。What's your hobby?リングはセパレートバージョンもあります。
自分の中指と薬指につけるのもいいですし、ピンキーに二連付も可愛いですし、何より読書の喜びを分かち合える人に出会えた時、片方を誰かにプレゼントするんだという予測不能な未来の予感そのものが、日々身に着けるアクセサリーとして楽しいなと思います。
キーチェーンは、ネックレスが一番用途として使えそうですが、トートバッグとの相性を考えて作ったので合わせてご利用頂けたら本望です。栞としてご利用の際はバッグの中で絡まらないよう少しだけご注意ください。
ちなみにブレスレットにもできますがチャームが大きいので、特別な日限定かなと。
理想を求める、地味で真面目な会社でありたい
足掛け1年のプロジェクト、Chapters Goods Storeやっとお披露目です。
最近自分自身が買い物をする時は、嫌でも「このものづくりの奥に誰か無理を強いられている人はいないか」と考えてしまうことが増えて。
安いものが嬉しいけれど、安すぎるとその気持ちが強まって怖くなるし、かといってブランドのロゴが目当てでもない。
そんな気持ちの揺らぎの中で完成した今回のChapters Goods Store。
今回自分でものづくりをしてみると、やっぱり全てに口を挟まずにはいられませんでした。まさにDirect to Consumer、D2Cでした。
ビジネス用語としてD2Cというワードをよく聞くようになって久しいですが、この思想、実はトレンドでもなんでもなくて、この時代に真面目にものづくりに向き合うと必然的にそうなる到達点なのだと今回感じます。
自身の会社としては、言葉の消耗が早いこの時代に、言葉遊びに翻弄されずいい意味で地味な会社であり経営方針でいきたいと改めて感じたいい機会でした。
そして、こんなペースだとChapters Goods Storeの第二弾はずっとずっと先になると思うので、まずは渾身の第一弾「読書愛を持ち運ぶ」トートバッグとシルバーアクセサリー、楽しんでもらえたら嬉しいです。
Chapters bookstoreのお届けする、Chapters Goods Store。
ブックストアのグッズストアです。
ご来店お待ちしています。
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