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シオラン

青春のさなかに自殺する勇気がなかった者は、生涯そのことで自分を責めるだろう。
カイエ

タイトルに惹かれて買った作品が、シオランを紹介している本だった。
タイトルは「生まれてきたことが苦しいあなたに」
2年ほど前に買って、まだ読んでいなかった本だった。

この本を読むまで、シオランという人物を知らなかったが、とても今興味が湧いている。


人世の中を悲観的に捉えた考えを持つ哲学者であり思想家である。また、反出生主義者だった。

これだけでもう、魅力が溢れている。
その中でも面白い考えあったので、紹介したいと思う。


社会は怠惰には厳しいらしい

「社会というものが出来て以来、そこから逃れようとする者は迫害され、嘲笑された。君がひとつの生業を、名前の下につける肩書を、君の虚無の上に捺す印章を持ちさえすれば、あとは何をしようと構わないのだ。《俺は何もやりたくない》などと叫ぶ大胆さは、誰一人持ち合わせていない。世間の人は、あらゆる行為から解放された精神に対してより、人殺しに対するほうが寛大である。」
大谷崇.『生まれてきたことが苦しいあなたに最強のペシミスト・シオランの思想』

怠惰には厳しく、人殺しに寛大だと。
妙に納得させられた。
ここの文は、忘れられないくらいに頭に残っている。
非常に面白い考えで妙になっとくできるのが、シオランの哲学なのだ。

怠惰は高貴なもの。これを心に刻もう

ペシミスト

何か重大な決意を迫られたとき、もっとも危険なのは、他人に相談することである。というのも、何人か頭のおかしい連中を別とすれば、この世に、私たちのために心からよかれと願う者など、ひとりもいはしないからである。
告白と呪詛

この文章に触れた時、疑う余地もなく本当に心からそうだなと納得できた。
頭のおかしな連中は、心から大切にしたい

まとめ



生まれないことはすごく幸せなことだろう。
生まれた瞬間に、生まれないという一つの選択肢を失う。
人は生まれた瞬間から、何かを失いながら生きていくこれが人間なのである。

生まれてから死まで遥かに手に入れるものより失うものが多い。
生まれた瞬間に死に歩き、今日も何かを失いながら人生という暇つぶしを謳歌しながら死を待ちたいと思う。

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