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編集前の言葉を知ること
こんにちは。
フリーアナウンサー・キャリアコンサルタントの三島澄恵です。
先日、日本記者クラブ主催の自民党総裁選の候補者討論を生放送で見ることができました。色々と思うことはあったのですが、やはりこうやって、候補者の方の言葉を通して聞くというのは、とても重要なことだと思いました。
マスコミが出す情報というのは、限られた時間、文章量の中で伝えられるので、情報が切り取られています。その情報を私たちは見聞きし、それで判断している面が多いことを、討論を聞きながら私自身、反省しました。
今回の討論会の後半は、記者の方からの質問に候補者の方が答える時間でしたが、その時に、このようなことがありました。
記者の方
「皇位継承・女系天皇については、河野さん以外ははっきりしているんですよね。
野田さんは、これを認めると。高市さんは・・・」
野田さん
「え?何を認めると?」
記者の方
「女系天皇」
野田さん
「いやいや、そういうことは申し上げていません。
これは、国民が決めることで、私たちは・・・」
記者の方
「選択肢として認めるということですか。」(野田さんの言葉に被せて)
野田さん
「そうです。議論を閉ざさないという意味です。」
記者の方
「そういうことですか。」
野田さん
「つまり男系男子というやり方、そして女性天皇、そしてその次という、そういう意味でのお答えです。」
記者の方
「はい。」
「わかりました。」(野田さんの言葉に被せながら)
野田さん
「それは非常にデリケートなので気をつけてください。」
記者の方
野田さんの「気をつけてください」に被せて
「そうですか。河野さんだけは・・・」と続く。
と、こんなやりとりでした。
記者の方が理解していた野田さんの皇位継承・女系天皇への考え方。ここで違いがわかったので良かったですが、記者の方が記事を書く際に、もし野田さんの考えと違う理解で記事にしていたら、私たちはそれを読むことになります。そして、多くの場合、その記事を事実として受け止めると思うのです。さらには、その訂正をご本人がされたとしても、受け取る側の私たちがその情報を見なければ、野田さんの考えを誤解したままとなると思います。これは何も、今回のような討論会などに限ったことではなく、私たちの日常の全てのことに通じていると思うのです。
しかも、ベテランの記者の方でさえ、このような理解の相違があるわけですから、人の考えを言葉にするときは、さらに注意深く相手への理解を深める必要があることも、改めて強く考えさせられました。
これからAIがニュース記事を書くことも出てくるかもしれませんが、それでさえ、情報を入れ、どの情報を優先するかは人間がプログラムをしています。AIだから公正であるように思えますが、実は、人間の思考や感情の偏りが入らざるを得ないと考えています。
新聞にしても、テレビにしても、ネット上での情報にしても、その情報が真実であるかを見極めるには、できるだけ、編集されていない情報を自ら進んで見聞きすることが大切だということ。そして、様々な人の意見を聞きながら、私自身は、どう考えるかを見つめて行きたいと思います。
おまけの話
今回の日本記者クラブ主催の討論会では、最後に、記者の方が候補者の方々に説教をされていて(私はそう感じました)、私は「討論会の場なのに・・・」となんだか、腑に落ちない感覚になりました。もし、国会へのあり方の戒めを伝えるのであれば、もう少し違った問いかけがあったのではと思ったのです。
とはいえ、私は、記者の方と政治家の方々との関係性がどのようなものかがわからないので、そう捉えたのだと思いますが、記者の方からすると国を想う優しさと厳しさでもあったのだと思っています。