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僕の好きなアジア映画44: プアン/友だちと呼ばせて

『プアン/友だちと呼ばせて』
2021年/タイ/原題:One for the Road วันสุดท้าย..ก่อนบายเธอ/129分
監督:バズ・プーンピリヤ(ナタウット・プーンピリヤ)
エグゼクティブプロデューサー:ウォン・カーウァイ
出演:タナポップ・リーラットタカチョーン(トー・タナポップ)、アイス・ナッタラット、プローイ・ホーワン、ヌン・シラパン、ヴィオーレット・ウォーティア、チュティモン・ジョンジャルーンスックジン(オークベープ・チュティモン)

なんと言っても本作はウォン・カーウァイが自ら望んでエグゼクティブプロデューサーを勤めている、ということが大きな話題になっている。監督は大ヒットしたタイ映画『バッド・ジーニアス』のバズ・プーンピリヤ。

バズ・プーンピリヤとウォン・カーウァイ

自分が余命僅かと知った時に、果たして残された時間で何をするべきか。白血病に罹患し、余命僅かな友人からの電話で、旅への同行を乞われた主人公はニュー・ヨークからタイに帰る。彼が叶えたのは、友人が元恋人たちを訪ねる旅の運転手だった。


それはもちろん決して甘い訪問ばかりではなく、ほとんどがほろ苦い記憶を呼び起こすものだった。そして旅の最後に友人が主人公を呼び戻した本当の目的が明らかになる。プーンピリア監督の描くロード・ムービーは、辛く切ない。死を迎える前に、彼が最も後悔している問題を解決し、友達であり続けることが、彼の最後の願いだったのだ。

『バッド・ジーニアス』のチュティモン・ジョンジャルーンスックジンも元カノの一人の女優役で登場

本作はプーンピリア監督の半自伝的な物語なのだそうで、若くして他界した親友に捧げている作品とのことだ。また美しい色彩感、洗練を極めた映像美、音楽、カセットテープ、カクテルなど、ディテイルへのこだわりは、ウォン・カーウァイのそれを強く思わせるものだ。脚本には1年にわたりウォン・カーウァイのダメ出しを受け続けたそうだ。しかし物語としてはウォン・カーウァイ作品の持つ抽象的な抒情性よりも、ストレートに感情に訴えかけてくる。

しかしナ・ホンジンといい、アジアの巨匠達は映画のパートナーとして、タイの映画人とタッグをくむ。Netflixなどでも韓国の次によく観られているアジアのコンテンツはタイで制作された作品だという。この映画の洗練、優れたセンスをみれば、それも当然かなと思うのです。

サンダンス映画祭ワールドシネマドラマティック部門審査員特別賞


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