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僕の好きなアジア映画19:すれ違いのダイアリーズ
『すれ違いのダイアリーズ』
2014年/タイ/原題:คิดถึงวิทยา
監督:ニティワット・タラトーン(นิธิวัฒน์ ธราธร)
出演:スクリット・ウィセートケーオ(สุกฤษฎิ์ วิเศษแก้ว)、チャーマーン・ブンヤサック(เฌอมาลย์ บุญยศักดิ์)
舞台はタイの田舎の水上(湖)にある小学校。
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ここに赴任してきた若く経験の少ない男性教師は失敗に失敗を重ね、不便な水上生活と、いかに子供たちを教えるかに行き詰まっていた時、偶然前任の女性教師が残した日記を発見する。
前任の彼女は腕に入れた小さな刺青を上司に咎められ、それを消すようにという理不尽な要求を拒否したためにこの水上の学校に左遷されたのだ。
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彼女がこの分校で体験した事件や、試行錯誤や葛藤がぎっしり書かれたその日記に書かれた内容は、若い男性教師にとって、大きな指針となり心の支えともなる。
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そして彼もまたその日記に自身の心境を書き連ねていき、いつのまにかそれは、会ったこともない彼女への淡い恋愛感情へと変わっていく。彼が赴任を終えたその後任に、都会での教育のあり方に疑問を持った彼女がすれ違いで再度水上学校に赴任。また結婚のため彼女が赴任を再び終えるその後釜として、彼がまたすれ違いで着任することになる。なかなか直接会うことができない二人だが…。
ざっとこんな物語。僕くらいの年寄になると、このまっすぐで暖かく純朴な恋愛ストーリーに目新しさは感じないし、恋の行先も想像がついてしまうのだが、それでもなおこの映画は魅力的だ。
で、なにがそんなに魅力的なのかと言うと、まずはロケーション。水上の校舎から見る湖の景観、夕日など映像が実に美しい。そしてそこに住まう人々の素朴な生活のつましさ。
教育に対する視点。水上学校で週末までの間、生徒たちと生活をともにする濃密なふれあい。勉学だけではない、生活の根本からの学習は、教育の原点ともいうべき形を思わせるし、必ずしも教師ばかりが教えるわけではないということ。双方向的であり、子供達から教わることもたくさんあるのだ。
そしてなんといっても美しい女優さんが大好きな僕としては、女性教師役のチャーマーン・ブンヤサックの存在を挙げたい。東南アジアの女性らしい、はっきりとした美しい顔立ちは、本作の意志の強い主人公のイメージにぴったり。強くて美しく、決断力のある女性像を爽やかに演じている。
この映画、実話から生まれた映画なのだそうです。
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