元カレが貯金返さず遁走し裁判をした愉快な話
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「元カレが貯金返さず遁走し裁判をした愉快な話」
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これは二十三歳の私が経験した実体験です。
私が当時付き合っていたはじめての彼氏と別れた所からはじまります。
彼氏とは出会って数年。付き合って三年数か月、双方家族公認で、何なら私は彼氏抜きで相手の家族と食事や観劇に出かける関係性ができていました。
とまあ、ぱっと見とても円満かつ順調なカップルでしたが、別れました。
色々詳細は省きますが、別れた原因は相手の浮気です。
夜中に彼氏の携帯に電話したら女が出て、「えーやだあ?」「何電話出てんだよ?誰から?」「やだあ?キャハハ」と言う感じのやり取りが聞こえた後に電話を切られました。
まあそれ以外にも三年付き合っている間に女性関係がダラシない感じなのは察していたので、この電話で黒だなと。
しかし推測はよくないと彼氏に翌日電話して確認しました。
「何でそういう風にバレるような浮気をするの?」と聞いたら、「女は芸の肥やしだし、それが嫌なら別れる?(笑)」と言われました。
悪びれもせず、申し開きもなく、浮気していてこの発言なので、私は考えました。
「どうしようかなあ」
そう「どうしようかなあ(相手の家族とも仲良いし、お互いにお互いの家に私物たくさんあるし、周囲にも何か結婚するって思われているし、別れるとなると)」と考えて、そこで気付きました。
私、浮気された事に呆れているが悲しんでいない。
別れると言われても、面倒だと思ってはいるが、別れたくないという感情がない。
「私もうこの人に愛想が尽きていて、義務感で付き合っていたんだわ」と悟りました。
この間数秒ほど、そうと決まれば「あ、なら別れるわ」となって即別れたって経緯です。
浮気をするような男、それを悪びれもしないような男とは即別れましょう。
遅きに失した感があるかも知れませんが、この場では即断即決しました。
ただ別れる前に考えていた通り、その後に面倒な問題が発生した訳です。
私と元カレ(元彼氏の意)の関係性を説明すると、私にとって元カレははじめての彼氏でした。
付き合いだした当時、まだ学生で世間知らずな私は「付き合ったら結婚するんだろうなあ」と付き合いながら脳内お花畑な考えをしており、前述の通り、相手の家族とも元カレ抜きで出かける程に懇意と言う事もあいまって、元カレと二人して将来の為にという名目で貯金していました。
そして元カレが私より年上で社会人というだけで、貯金していたお金は元カレ名義にして預けていました。
勘の良いみなさんならもうお気付きの事と思いますが、まだ説明は続きます。
その貯金がまあ、三十万円ほどでしょうか?
ぴったり二人で折半して貯めていたので、半額にして十五万円ほどです。
別れを切り出して別れた後に、あれこれどうするか何日かに分けて事務的な話をしていたのですが、事務的な事を済ませたい私と、私の話を聞き流して「それより今度会わない?」「お前の好きそうなイベントあるから一緒に行かない?」「母さん(元カレの母で私の事が大好き)もお前に会いたがってる」等と対面の誘いを延々とかけてくる元カレで、一向に話が進まない状態でした。
私としては別れた相手に会う気も会う必要性もないのですが、実はこの膠着状態が数か月続いたのです。
言外に復縁を迫られ、お互いに個人情報は知った仲な事もあり、身の危険も感じだした為、王手をかけました。
「二人で貯めていた貯金、私の分のお金返して?」
私から貯金の話した途端、その時の電話は切られ、別れたと言うのに頻繁にあった元カレからの電話やメールといった連絡がピタリと途絶えました。
いやあ、流石に脳内お花見だった私でも察せられるレベルです。
「ああ、こいつは金を返す気がないな。何なら貯金を持ち逃げする気だな」
そう状況判断しました。
二十三歳で十五万円て、それは大金です。
いや、今でも十分大金ですけど、個人的に泣き寝入りできる金額ではありません。
改めて元カレの状況を整理すると、元カレは自分が浮気して舐めプしていたらフラれ、更に別れたと言うのに、そんな事気にせず無遠慮に「会おうよ」と私に頻繁に連絡して、私に身の危険を感じさせていたが、「共同の貯金の返還」を求められると頻繁だった連絡を一切辞め、こちらからの電話、メール、親展で記録郵便送った催促の手紙など連絡を一切無視し、だんまりを決め込む有り様です。
一応信じて連絡を待っていましたが、気付けば別れてから半年以上経過していました。
どこをどう見ても持ち逃げを決め込むスタイル。
しかし私としては流石にここで元カレの家に行き直接対決するのは、身の危険を感じる事もあり、二の足を踏みました。
しかしならどうするか、次の一手を考えてはみたのですが、自分では良い案が浮かず困ってしまいました。
悩んだ末に、私は当時飲み屋で仲良かった知人(会社経営社長)に酒の肴ついでに相談する事にしました。
私「社長聞いて下さい。付き合っていた男が、別れた途端貯金持ち逃げしようとしてるんです」
知人社長「 (大爆笑)」
飲み屋で知人社長を見かけると、注文もそこそこに開口一番こう言ったら、それはもう知人社長のみならず、飲み屋の店主にカウンター周りにいた常連さん達にも散々爆笑されました。
私「まあ普通こんな話を聞いたらうけますよね?私もこんな話聞いたら爆笑しますわ。でもきいて下さいよ?」
こちらとしては藁にも縋る思いなので、酒の肴ついでに詳しく話しました。
知人社長「相手年上?そら悔しいし、舐めとんな。でも相手の家族とも仲良くて相手の身元も知れとんねやったら少額裁判起こしたったらどない?」
この知人社長の発言で、私の裁判話は始まりました。
私「少額裁判?何ですそれ?」
知人社長「六十万円以下の少ない金額でやり取りする裁判で、一日で終わるし、費用も安いし、年下の女やって舐め腐っとる男に一泡吹かせるにはええと思うで?」
なるほど、確かに浮気するわ、言い訳もせんわ、別れても平気で連絡してくるわ、返金と聞いた途端に連絡絶って持ち逃げする気満々だわ、そんな舐めた事し腐る男からしてみたら、まさか舐めている相手から反撃されるなんて夢にも思っておらず、それこそ油断しまくっている訳で、そこに裁判所からの通知がきたら目玉飛び出るってヤツですね?
想像しただけで面白そうだなと、不安は一転、わくわくしてきました。
と言うわけで、知人社長曰く、裁判に必要なのは「証拠品」と「相手の身元(名前と住所(居住地))」と「少額のお金(私の場合は収入印紙代二千円)」という事なので、今の私の状況であれば問題ありません。
知人社長から良い知恵を借りた脳内お花畑だった私は、脳内音楽に浪花節をかけつつ、早速裁判を起こすべく行動に移りました。
なお、あくまでもここの相談した知人社長は飲み屋で行き会ったら常連さんの一人として楽しく飲んで話す程度の連絡先も知らない関係なので、「知恵は貸せども手は出さず」な大阪人よろしく、ここで出番は終了です。
しかし今思えばよくこんな電話番号もメールアドレスも知らない相手に相談したものです。
若いって勢いですね。
そら縋られた藁(知人社長)も爆笑します。
知人社長が居なくても、二十三の女が一人で裁判できる所をとくとお見せ致しましょう。
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