わたしたちは幸せになるために生きてんだから。
久しぶりにみんなが集まった。時間があの頃から止まってくれていればいいのに...と思うと同時に、逆らうことなく流れ続ける時間が嬉しかった。だって、こんなにも長い間変わらないってすごい。
「一生の友達」かどうかはわからないけど、少なくともわたしたちは、出会った頃から今日までの間、一生の友達でいたのだ。
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どことなくふわっと漂うやわらかい匂い。
高校生のときは毎日がこんなだったってことだよね、戻りたい〜と笑い疲れた親友が隣で嘆く。こんなってことは、今もできてるってことじゃんと、はっとさせられる大好きな声は向かいの席からから。
「なんとか生きてるね」「ほんとだね」を繰り返して、ただそれだけでご機嫌になっていく自分がわかる。よく笑う。安心する。本音がでる。少しの幼さは無意識で、器用な振る舞いはぎこちなくなるからやめた。
しあわせを説明してくださいと言われたら、同級生とのどかにランチをしてたくさん笑うことですと答えたいほど。
人生をただの思い出づくりとするならば、わたしはこの子たちとの時間を少しでも長く過ごしたい。こうやって自分にとっての"大切"に気づいて拾い集めていくのが生きるってことなら、この先も生きることが楽しみになる。
見てる場所も感じることもバラバラなわたしたちだから。比べるでもなく競うでもなく、ただあの頃から続く感覚をひとりひとりが持っていて、それを一緒に味わえるのが嬉しかった。
音楽に例えるなら、ハモってる。うん。わたしたちは自然と、ハモってる。
ずっとこの時間が続けばいいと思った。どうしても「おわり」が苦手な癖はもう一生治らないだろう。それともばいばいするのが寂しいのはわたしだけだろうか。陽だまりが残る駅。わたしは寄り道をしてひとり、散歩をすることにした。
知ってる駅の、知らない道。
知ってる人の、知らないところ。
恐らく、この世界のすべてを知ることはできないけれど。ひとつでも多く知りたいと、たくさんの道に迷うことはできる。
迷った先で見た景色は、誰にも奪われない自分だけのもので。なんでもない色が急に輝く。鮮やかになる。
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本屋さんを見つけた。
珈琲と紙と、物語の匂い。
最高だ。もう、最高だ。これ以上なにか必要だろうかと本気で思わせてくれるものがあること、それを自分で知っていること、手に取る選択をできること。しあわせに胸が詰まって息がくるしくなった。ときめきはいつだって胸を締めつける。
旅と、本と、友達と。安心できる恋があれば。
そのために今日も生きるよ。立派じゃなくていい。楽しくていいんだ。わくわくでいいんだ。わたしたちは幸せになるために、生きてんだから。
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