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オーガニックでナチュラルでスピリチュアルな暮らし。大好きな街、Nelson
私たち夫婦がワーキングホリデー中に暮らしていたNelson(ネルソン)は、バンクーバーから車で10時間強、アメリカとの国境に程近いカナダBC州の内陸部に位置する人口1万人強ほどの小さな街です。
実はこの街のことは某有名ガイドブックにも載っておらず、行く前に唯一情報を得られたのは、インターネットと某サブカルチャーマガジンの特集、日本の友人からのオススメの口コミのみでした。
“ヒッピータウン”として知る人ぞ知られるこのNelsonに、私たち夫婦はワーホリ期間(+観光ビザでの滞在)の1年8ヶ月を過ごしました。
そして、完全に恋に落ちたのです。
在住している日本の方々も他の街に比べるとまだまだ少ない地域なので、人に教えたいけど、教えたくないような(行きつけの隠れ家バーのような。観光地化してほしくないのです!!)、非常に複雑な氣持ちです。
けれど… 私たちはこのNelsonで、本当に素晴らしい経験をしました。
Nelsonではごく普通で、日本では普通ではないこと、たくさんありました。
そして、Nelsonで過ごした日々での数々の発見のなかには、これからの日本や世界の新しい時代を創っていく生き方のヒントがたくさんあることを感じたのです。
なので、出し惜しみせずにシェアしていきます!
現代の日本で生きづらさを感じているあなたは、もうとりあえず一度、中長期で海外に出てみてください。別にNelsonでなくてもいいのです。海外の視点から、日本という国を改めて眺めてみることが大切です。必ずあなたの人生にとって必要な人に出会い、必要な経験ができる土地に導かれますから。
前置きが長くなりました。
これから私たち夫婦のストーリーが展開していく舞台であるNelsonというのはいったいどういう街なのか?をイメージしやすいように、まずは私からみたNelsonの特徴を順に紹介していきますね!
オーガニックフード天国
まずはみんな大好き、食べものの話から。
食や健康への意識の高い人々が多く暮らしているNelsonでは、オーガニックフードや自然食品が広く流通しています。
街にある老舗スーパー「Kootenay Co-op」はまさにオーガニックフード天国!
2017年には店舗拡大移転リニューアルオープンし、カフェや量り売りお惣菜コーナーも併設されて、私の人生史上最愛のスーパーです。
オーガニックフードは高いイメージがありますが、50ドルを支払ってCo-op会員になると「Member's special」価格で商品が買える会員限定の特売サービスも受けられ、いつもここで買いものをするわ、という方には非常にお得です。
量り売りコーナーもこれでもか!というくらい充実しており、オリーブオイルや胡麻油、醤油(Tamari)、玄米、白米、小麦粉、塩、砂糖、ハチミツ、メープルシロップ、コーヒー豆、ドライフルーツ、ドライハーブ、スパイス類、ナッツ、チョコレート、などなど、毎回何を買おうかウキウキの天国でしかありません。
◇大充実の量り売りコーナー。番号を書いて、乾物は小分けのプラスチック袋、液体はリユースの専用プラスチックボトルまたは瓶に買いたい分量を入れそのままレジへ。容器持ち込みの場合は、事前に容器の重さを測ってもらいます。◇
店内には野菜や食品だけでなく、歯磨き粉やハンドメイド石鹸、スキンクリームなどのナチュラルな化粧品類、自然療法のフラワーレメディー、ホメオパシーグッズなども販売されており、量り売りはシャンプーやリンスなどもあります。
ちなみに量り売りシステムはカナダのスーパーではごく当たり前で、たいていどこでも見かけることができます。少量から試してみたいとき、一人暮らしの方などにもとても便利なので、日本の一般スーパーにもぜひ取り入れて欲しいシステムです!
カフェにいるだけでしあわせ
食べものつながりで、お次はカフェの話。
Nelsonにはたくさんの飲食店があり、お氣に入りの雰囲氣のよいカフェでゆっくりするのもまたひとつの過ごし方。
なかでも街の中心部にある「Oso Negro Coffee」は、価格帯もお手頃で自家焙煎コーヒーもおいしく、晴れた日にはテラスのベンチでぼーっとできちゃう、私たち夫婦の定番スポットでした。
良質なオーガニックコーヒーが2ドルくらい(200円弱くらい)で楽しめちゃうものだから、コーヒー好きには天国ですよね。
パニーニ(7ドルくらい)やスープセット(6ドルくらい)などの軽食もオーガニックで、お値段以上のクオリティーの高さ。(頻繁に食べていたのに、毎回食べることに夢中だったのか、1枚も写真を撮ってませんでした…。)
個人的には、Nelsonのうつくしい景色を眺めながら散歩して、カフェで休憩するひとときがあれば、それだけで毎日十分に満ち足りてしあわせを感じられました。
なんと平和なのでしょう…。
◇スイーツも全部おいしかったですが、これまた写真は撮っていない「デーツスクエア」と「ブリスボール」がお氣に入りでした!◇
スイーツや飲みものはテイクアウト(カナダでは“to go”と言います)もできるのですが、素敵だなぁと思ったのは、多くのNelson peopleがMyマグを持参してドリンクを入れてもらっていること。
環境意識の高さからなのか、ハイキングに便利だからなのか、人それぞれに理由はあると思いますが、結果的にゴミは少なくなりますよね。
そんなNelsonでも、街には普通にゴミがたくさん落ちているところが、無邪氣で素朴で奔放なカナディアンの可愛いところなんですけどね笑。
みんな自然が大好き
Nelsonは人口1万人の小さな街ながら、街には多数のアウトドアショップがあります。有名ブランド「Patagonia」のアウトレットショップがあるのは、カナダではNelsonだけなんだとか。
これだけたくさんのアウトドアショップがあるということは、みんな自然のなかで遊ぶのが大好きだということ。
現に、森に囲まれたNelsonでは、街中から近い場所にもたくさんの整備されたハイキング用のトレイルがあり、多くの人々が日々歩いたり、走ったりしています。
◇街の近くのトレイルマップの看板。“Shasta” “Smiling Buddha” など、トレイルコースがNelsonらしく粋なネーミングセンスです◇
◇“Hippy Killer” コースは上級者向けなのでしょう◇
◇“Frog Jam”コースは道中に沼っぽい箇所が。これだけ遊び心満載に道が整備されていると、歩くのもワクワクしますね!◇
日の長い夏には、湖沿いの砂浜は老若男女たくさんの人々でにぎわいます。湖上にはサップボードやボートを楽しむ人々も。
自然が大好き、けれど二人そろって泳げない私たち夫婦は水遊びはあまりせず、よくトレイルを散歩していました。
木々に囲まれた静かな道を歩いてると、たまに「ザザザ!」と音がして、え⁉︎そこから⁉︎っていう石だらけの急斜面からマウンテンバイクが走り降りてくるんですよね。しかも、お父さんと一緒に、小学校低学年くらいの女の子が。
そのあたりに、カナディアンの真髄を感じました。
「今そこに熊がいたから氣をつけてね!」と、前から歩いてきたおばちゃんに軽ーく言われたり。
雨だとか、夕方だとか、まったく関係なしにNelson peopleは森に入ります。
むしろNelsonで傘をさしている人を見たことがないです(みんなフードを被るくらい)。一度、折りたたみ傘をさしていたら「何それ?可愛いわね!」って言われました。
小さな頃から大自然と共に育っているものだから、みんなナチュラルにたくましいのです。
いかにもアウトドアっていう格好をしなくても、散歩の延長線上で氣軽に入れる自然豊かなトレイルや遊歩道が街から近い場所にたくさんあるのは、とっても素敵な暮らしですね!
クリエイティブな人がいっぱい
Nelsonにはたくさんのアーティストが暮らしています。
街中には、とにかく壁面アートがたくさん!
街を歩けばたくさんのストリートミュージシャンにも出会います。ちなみに夫はそんなストリートミュージシャンたちに混じり、ある日、般若心経を唱え始めました。
◇ポリスも公認の壁面アート◇
私たちは人ごみが苦手なので行きませんでしたが、夏には「Shambhala Music Festival(シャンバラミュージックフェスティバル)」という大きな音楽フェスがNelsonの近くのSalmoという街で開催され、毎年2万人ほどの音楽好きが世界中から集まります。そして倒れるそうです。(ヒッチハイクで乗せてくれた救急チームのおばちゃん談)
◇この写真は、Nelson郊外で開催された別の小さなミュージックフェスのもの◇
カフェや街の至るところにある掲示板には、常にたくさんの告知ポスターが無造作に貼られていて、音楽、アート、クラフト、農、カルチャー etc、 とても活発に情報交換がおこなわれています。
◇街の掲示板はとても活発!写真にあるのは、余ったタネや自家採種のタネを交換し合うという“Seedy Saturday”というイベント。素晴らしい取り組みです◇
クリエイティブで自分らしく自分発信をしている人がたくさんいるので、自然と私自身もクリエイティブになってきて、あれもしてみたい!これもしてみたい!というのがたくさん浮かんできます。
日本ではなかなか挑戦できないことも海外ではできそうだ、というのは、こういったクリエイティブで自由な空氣感にあるのでしょうね!
スピリチュアルな人がいっぱい
こういうふうに書くと少し語弊があるかもしれませんが、Nelsonにはたくさんのスピリチュアル=精神世界の探究者が暮らしています。
「スピリチュアル」という言葉は、現代の日本ではオカルトとか宗教とか、腫れモノみたいに扱われがちですが、もともとの「spiritual」の語源はラテン語で「共に呼吸する」という意味があり、要は私たち人間みな全てスピリチュアルな存在であるわけです。
Nelsonでは、人間としてのスピリチュアルな側面を探究していくことはごく自然なこと。
街には瞑想センター、ヒーリングストーンショップ、ヨガ教室や太極拳のクラス、レイキヒーリングのワークショップやサロン、郊外にはヨガのアシュラム…。
湖畔では、上半身裸の男性が大地に胡座をかいて、一人手を合わせて瞑想している姿なんかもよく見かけました。
「日本の“禅”に興味があるんだ!」と、急に若者に話しかけられたこともあります。
歩いていたら、急に石をもらったり、日本の神社のお守りを渡されたこともあります。
東洋文化への憧れの氣持ちがあるのか、庭にブッダ像を置いていたり、チベット仏教の教えのカラフルな旗?を家に飾っている人も多かったり、本屋さんには曼荼羅の塗り絵や精神世界の書籍が充実していたり。
Nelsonに住んでいると、心や意識や魂の世界を探究すること、自らの体験や発見を他人と話して共有し合うことって、こんなにも普通で自然でよかったんだ!って思えてきます。
今日何食べたの?とか、最近体鍛えてる?とかと同じくらいのノリで、心や精神世界の話ができる人たちがたくさん暮らしているのです。とても刺激になるし、楽しいです。
私も人間の内なる世界、意識の世界、古代の文化や地球や宇宙の神秘を探究していくことが大好きですが、日本ではこういった話をすると「スピ系」と妙なレッテルを貼られる風潮があったりするので、あまり誰にでも話せるわけではなかったり…。
今、これを読んでいるあなたも、心を持っている時点で、ひとりひとりみな素晴らしい精神世界の持ち主なのですよ。
人間としてこの地球でより楽しく生きていくために、「肉体」と同じくらいに大切な「意識」の世界の探究。
Nelsonは、そんなスピリチュアルジャーニーの中間地点にもぴったりの場所です。
自由な生き方をしているユニークな人がいっぱい
Nelsonには、たくさんの個性的でユニークな人々が不思議と集まっています。
まるで某海賊系少年マンガに登場しそうな風貌のサングラスに髭もじゃで筋肉隆々で上半身裸のおじさんや、長いドレッドヘアーの若者、魔女みたいなおばさま、18年間自転車に住んでいるおじさん、氷点下の真冬でもいつも半パンのおじさん、街のベンチでいつも自伝を執筆しているファンキーなおじさん、山にテントを張って住んでいて山に帰っていくお兄さん、などなど、見た目だけでなく、生き方そのものが個性的な人が本当にたくさんいるのです。
だから、だれも見た目で人をジャッジしませんし、飲食店でも髪の色が緑色だろうが、タトゥーがいっぱいだろうが(ファッションでタトゥーを入れている人はたくさんいます)、関係なくみな楽しそうに働いています。
人の生き方って、ひとつの正解なんかなくて本当はオールOKで無限大なんだよ、そんなことを背中で無言で語ってくれている人たちがたくさんいるのです。
実際Nelsonではどんな夢を語ったところで、「そんなの無理だよ」なんてだれにも言われたことがなく、「Nice!」とか「Good!」とかポジティブな返事しか返ってきたことがありません。
みんなそれぞれに、自分の人生を楽しみ、人生に対して創造的に生きている。
Nelsonの街全体を包んでいる自由で穏やかで調和的な空氣感は、そんなひとりひとりの在り方から生まれているのかもしれませんね。
目が合ったらニッコリしてくれる
あなたは街を歩いているとき、通りすがりの人にニッコリと笑いかけたことはありますか?
Nelsonでは、街を歩けば、みんな友だち?と錯覚してしまうくらい、通りすがりの人々は目が合うとニッコリと笑顔を向けてくれます。
もちろん全員が全員ではないですが、笑顔は世界共通。
通りすがりにニッコリと「Hi!」と笑いかけてもらえたら、こちらも自然と「Hi!」と笑顔を返すという、それだけでとても平和な世界が日々広がっているのです。
時にはそこから会話も始まります。
「あなたの着てる服、とっても素敵ね!」
「ありがとう!」
Nelson peopleは、とっても褒め上手。
よくパートナーを探してる日本の人なんかは「全然出会いがない」なんて言いますけれど、本当は外に出れば、スーパーの店員さんでも、道行く人でも、必ず毎日だれかには出会ってるはずなんですよね。
日本では、歩きながら見てるのはスマホの画面だったり、むしろ目を合わせたくなくて視線を下にしてうつむき加減に足早に歩いている人が多かったり…。
ニッコリ笑顔で挨拶が日常にあるだけで、今日、通りすがりに出会っただれかが友だちにもなりうるわけで、同じ世界とは思えなくなるくらいに、ただ歩いているだけでも毎日が楽しくなります。
恥ずかしがり屋で奥ゆかしいのが日本の国民性なのかもしれませんし、今の日本で急に笑顔で知らない人にニッコリし出したらただの氣持ち悪い奴にもなりかねないかもしれませんが… こんな日常が当たり前のように広がっているNelsonはなんて素晴らしいのだろう!といつも思っていたのでした。
大好きな街、Nelson
Nelsonがどんなに素敵な街か、少しは伝わったでしょうか?
書き始めたら好きが溢れて止まらなくなってしまいまして(笑)、長くなってしまいましたが、まだまだ書ききれないほどの魅力にあふれているんです。
次回からは、この Nelsonの街とその周辺を舞台に、滞在中の1年8ヶ月のあいだに私たち夫婦が出会ったユニークな人々やリアルな体験について綴っていきたいと思います。
読んでいただきありがとうこざいました!(^^)
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