お金はどこからやってくる
最近考えること。
お金のこと。
お金ってどこからやってくるのか、ってこと。
小さいながらも自分たちで事業をはじめようとしていて、
私自身も言葉を書く、ということでお金をいただく機会が増えて、
ふと、「お金って一体どこからやってくるの?」という疑問が湧いてきました。
例えばどこかに所属して雇われながらお給料をもらう場合、そのお金の出どころは組織の予算からとなるでしょう。
じゃあ、フリーランスや起業する場合にはどうか。
所属先はないので、自分でその "財源" を確保する必要があります。
じゃあその財源って、どこにあるのか。
それはおそらくケース・バイ・ケースで、企業の場合もあれば行政だったり個人だったりするのだと思います。
でもここでちょっと思うのです。
お金って、結局「どこからかもらうもの」なんじゃんって。
何を当たり前のことを、と思う方もいるかもしれません。
ですが起業やフリーで働くということは「自分でお金を生み出すこと」というイメージを持っていた私にとって、「どこかからもらうもの」という感覚が、どうも受け入れられなかったのです。
だってね、もしお金がどこまで行っても「誰かからもらうもの」なんだとしたら、一企業に就職して、毎月約束されたお給料をもらう方が、絶対に合理的だと思いませんか?予算をとってくる工数が減るんだから。
しかも起業にしたってフリーランスだって、予算を自分で立てられる自由度はあるかもしれないけど、その結果、懐に入ってくるお金がサラリーマンのお給料より高い保証なんて、どこにもないんです。むしろ労力はかかったのに実入りは少ないなんてもことも、容易に起こり得る。
じゃあ起業家やフリーランサーになるメリットって何なのか、と思いますよね。そこが問題なんです(笑)
これは私の勝手予想ですが、起業やフリーランスを選ぶ人たちの多くは「自分でやりたいことがある」そしてそれが「企業に所属してではやりにくい」という理由から、その道を選択していることが多いように思います。
自分のやりたいことをやっているのだから、多少のリスク(お給料が確約されていない)を背負っても、そこはプラスマイナス ゼロだろうというのが、一般的なロジックかもしれません。
でもここで "財源" のことを考えると、ちょっと分からなくなってくる。
例えば、自分がメディア運営でご飯を食べていきたいとなったとき、分かりやすい財源のひとつに「広告費」が挙げられるかと思います。メディアに「広告」を出して宣伝するからお金ちょうだい、の仕組みですね。
しかし広告収入で陥るジレンマに「スポンサーの意向」があるのもよく聞く話。本当は伝えたいことがあるのに、それをダイレクトに伝えられなくなる可能性があるなら、それって自分たちのやりたいことが出来てないことになるんじゃないか…でも先立つもの(収入)がなければやりたいこともできない…さてどうするか…。
これが「お金をもらってくる」という構造の難しいところなのかな、と思ってしまうのです。
お金をもらう代わりに自分たちのポリシーに沿わない仕事をするのなら、正直サラリーマンで働くほうがずっと賢く思えます。起業家やフリーランサーの唯一の、そして欠くことのできないアイデンティティ「自由度」が奪われてしまっているのですから。
となると、自分で事業をするなんてホント馬鹿げてる。苦労は100倍、利益は半分、なんじゃそりゃ。
しかーーーし、
ここまで書いてみて、結局自分にとって大事なのは、お金を「どうもらうか」の方なんじゃなかろうか、と思い始めています。
ゲストハウスにお客様がいらっしゃる。思い思いの時間を気の向くままに過ごしてもらう。美味しいごはんやあったかい布団、四季折々の岩瀬の風景に触れてもらう…。私たち夫婦が提供する "滞在まるごと" に対して、気持ちよくお支払いしてもらえるお金が、自分にとって本当に価値ある “お金の出どころ”かもしれない。
間に立つ誰かの顔色をうかがいながらもらうお金ではなく、ダイレクトに「ありがとう」と交換しうるお金のやり取りは、私にとってなんだか一番しっくりきます。
なーんてことを思ったところで、今回は、おわり。
まだまだ道半ばです。
guesthouse オーナー
*美郷*