七転八倒の苦しみ〜私の激痛奮闘記〜
noteの投稿が大分開いてしまったが、
その間私はある苦しみに悶えていた。
"それ"について私もネットでたくさん調べはしたものの、
この苦しみがいつまで続き、
どう対処したら少しは和らぐ事ができ、
"それ"とあとどのくらい戦わなければいけないのか、
その時の私には不十分な情報量だった為、
これから苦しむかもしれない人へ、また
もう絶対にこの苦しみを二度と繰り返さないよう自分への戒めの意味を込めてnoteに残したいと思う。
その苦しみ、それは
『外耳炎』(がいじえん)。
大人もなるんだ、というのが初めの感想。
そしてもうひとつ、これはどんな理由があれ
自分のせいで発症するものということ。
これを知っていれば今後この危険から逃げ切れる人が多かれ少なかれいるはずと思い伝えておく。
あとここから先、外耳炎の概要や私の奮闘記を交えて話が進むので少々グロテスク?な表現をしている部分もある。
痛いのが苦手な方はこの先はお控え頂ければと思う。
また、今外耳炎で苦しんでこの記事に行きついた方はこの先たらたらと読んでいるそんな余裕はないと思われる為、最後のまとめだけ読んで頂ければ大体の内容は網羅できるようにしておく。
1.外耳(道)炎とは
念の為、知らない人の為に記しておく。
以下はネット上、ドクターズ・ファイルから抜粋した。
耳は周りの音を集める役割を持つ耳介から外耳道を通って、鼓膜にたどり着き、薄い3層の膜でできている鼓膜から中耳へと進む。中耳の中にある音を増幅する役割をもつ3つの小さな骨を経て、さらに奥にある内耳に位置する蝸牛にて音の強弱や高さ・低さを分析・認識し、前庭・三半規管によって平衡感覚が保たれている。外耳道炎は耳介から鼓膜までの通り道である外耳道の皮膚に起こる感染症のこと。主な症状として痛みとかゆみが挙げられる。外耳炎は水泳などで泳いだあとによく発症することからスイマーズイヤーと呼ばれることもある。綿棒などを使用した耳かきによって外耳道を傷つけてしまうことが原因となることが多い。
重要なのは、最後の1文。
『綿棒などを使用した耳かきによって外耳道を傷つけてしまうことが原因となることが多い。』ということ。
自分のせいでなる、と先に述べたのはこういう経緯があってだ。
私もまさにこれだった。
水泳やプールによく入る人は前文にも注意して頂きたいが、
どうだろう。
この最後の1文にドキッとした方はいないだろうか。
どうやら外耳道の奥には、迷走神経という体がリラックスする神経が走っているようで。
それは耳かきをして少し気持ちよくなる場所とのこと。
その部位を刺激すると体がリラックスし気持ちが落ち着くので日常的に触ってしまうことがある、
なんて記事もネットで目にした。
大人の方でも外耳炎になってしまうのはこれが原因だろう。
でも1つだけ言い訳をさせてほしい。
今回私がこの外耳道を刺激してしまったのには理由がある。
私は長年アレルギー性鼻炎を患っておりちょうどその時はそれが酷く、鼻詰まりと鼻のかみすぎで耳が聞こえづらくなってしまった。
困ったものだと思いどうにかしようと思い立ったのが、
『耳掃除』だった。
何か詰まってる、そんな感覚だった為少し引っかきもすれば良くなるだろうと思った矢先、
"あ、ちょっと引っ掻きすぎたかもしれない"
そんな風に思った記憶がある。
どうやらこのアレルギー性鼻炎、耳も痒くなることもあるようで…そうなったら早めにアレルギーの薬をもらって綿棒なんかで耳をいじくるのだけは今すぐやめよう。
2. 外耳炎発症0日目
そんな傷付けてしまったかもしれないと思った次の日から少しだけ痛みを感じ始めた。
しかしその日は病院に行く程でも、仕事を休む程でもなかったのでそのまま放置していた。
やってきたのはその翌日。
朝起きてから『これはまずい』そう感じた。
痛みは昨日よりも増しズキズキ痛み始め、音も聞こえづらい。
前日から耳には触れない方が良いなと感じていた為、
耳掃除はもちろん、手で耳を触れることやイヤホンをつけることも避けていた。
が、そんな行動も虚しく、悪化していった。
しかもこの日はどうしても外せない予定が正午から夜にかけてあると来た。
その予定までは安静に過ごし、あとはアドレナリンでどうにか乗り越えられるだろう、そう軽く思っていた。
その心構えだけは良と出て予定はなんなく終えることが出来た。
しかしそれが終わった瞬間、私の緊張感がぷつんと音を立てて切れたのかどんどん悪くなる。
やっとの思いで家に帰ってからが地獄の始まりだった。
こんなご時世だからシャワーだけでも入りたいと思い、
意識が朦朧とする中で手洗いうがいシャワーの3点セットを済ませ(水が耳に入るのは危険なので綿球のようなものを耳の入り口付近に入れることをお勧めする)、
パジャマに着替えベッドに入る頃にはなんと39度近い熱まで出ていた。
耳の周りも赤く腫れ熱を持っている。
重ねて耳からは少し黄色い液体のようなものも滲み始めた。
そしてやってくる、七転八倒の苦しみ。
痛いなんてもんじゃない。
痛みで寝ることすら出来ないのだ。
夜中22時頃から寝床についたがおそらく寝れたのは1時間も満たないだろう。
それも寝たというよりは疲れ果てて意識を失った、と表現した方が良いような気がする。
どんな痛みか。
強いていうなら
少し太めの針で鼓膜をぶすぶす刺されているような感覚。
あるいは
その針で障子に穴を開けそのまま下につーっと裂かれるような感覚。
そんなところだろうか。
とりあえずその激痛がずっと続くわけで寝れるわけがない。
大の大人でもこれは悶絶もので痛すぎて泣き崩れた。
(泣くとさらに鼻が詰まり耳を圧迫するし泣いても何も良くはならないのでやめた方が良い)
冷やすと良くなる、という記事も読んだのでそうしてみるが、ここまで痛いと何をやってもダメだ。
とりあえずこの苦しみから抜け出したくて、
いっそのこと失神して気を失いたいとすら思った。
隣の夫が心配し救急搬送ということも考えたが、
症状を伝え救急車要請が必要か否か相談するも、
特別な治療ができる環境ではない為朝になって耳鼻科に行く方が最良だと言われる。
それもそうだ。
この状況下でもっと優先するべき人は沢山いるだろうし、痛みくらい我慢して翌日専門の病院に行ってきちんと治療する方が良い、そうだろう。
だが、そんなこと分かっていても痛いものは痛いのだ。
これが外耳炎発症と診断される前夜の全貌である。
3. 外耳炎発症1日目
ようやく朝になり近所の耳鼻咽喉科が開く時間になった。
長かった、こんなに長く感じた夜は初めてだった。
しかしながら、発熱していても診察してもらえるものだろうか…そんな不安がよぎる。
でもこんなに我慢して診察してもらえなかったら…いやいや考えないようにしよう、そんな朝を迎えていた。
ちなみに朝になっても痛みは全く引かず。
これでも市販の鎮痛剤は飲める限りの数を飲んではいるもののそれすら全く効かない状況。
疲労困憊であった。
夜通し看病してくれた夫がこの状況を見兼ねて仕事を休み私の代わりに耳鼻科にまずは相談しに行ってくれた。
予約無しでしかも発熱あり、それでも
耳の激痛と耳垂れが出ていることを伝えるとすぐに診察してくれるとのこと。
幸いにも徒歩3分で着くところに耳鼻科はあった為、
すっぴんメガネ眉なしのどブスで来院。
このご時世で熱がある私を診察してくれた病院に感謝しつつも、その気持ちを大いに伝える気力もなく、とりあえず診察台に座りされるがままの時間を過ごす。
(発熱ありの為もちろん一緒にいてくれた夫と共に隔離部屋で待機だった)
そして言われる。
『どうしてこんなになるまで放置してたの?』
そこで上記の言い訳を述べる。恥ずかしかった。
大人になってまで"耳を引っ掻きすぎました"、なんて。
診察結果は『外耳炎』しかも重度と来た。
通常抗生剤と点耳薬を服用すれば治り耳も聴こえるようになるが、
耳の周辺の皮膚が赤黒くなってきたら皮膚科へ、
治っても耳が聞こえづらいままであれば再来院するよう、
半ば怒られるように指導された。とほほ。
鎮痛剤と抗生剤、点耳薬、ついでにアレルギー性鼻炎の薬もしっかり処方してもらい帰路に立つが、
その道中でも悶絶しながらなんとか歩いて帰る。
とにかくあの激痛が続いているからどうしようもない。
その夜ようやく寝れるのだろうと少し安堵したのも束の間、
結論、寝れないのだ。
昼間はもらった薬を服用し鎮痛剤も効いてきたのと前夜の疲れで少しは寝る事ができたが、
夜になると一変、前夜と同じ苦しみが再びやってきた。
もらった鎮痛剤は6時間以上間隔を空けなければ服用できない。
その6時間がちょうど切れる、そのタイミングで激痛が走る。
そして服用しても1時間くらいは薬が効くまで悶える。
そんな時間を複数回繰り返し朝を迎えるのだった。
4. 外耳炎発症2日目
昨日寝る事ができたのは12時を回ってから、
寝たと言っても耳に違和感はありただその痛みを取り除いただけのような感覚なわけであまりぐっすりは寝られなかった。
何か食べなければと思い食べようとするのだが、
耳の痛みからそれは顎にまでおよび口があまり開かない。
そう、咀嚼がうまくできないのだ。
そうなるとあまり食欲も湧かない。
栄養を取らないと治るものも治らないと思い、
お粥、ヨーグルト、バナナ…等々柔らかいものでとりあえず栄養補給。
そして昨夜もそれほど熟睡はできなかった為昼間に睡眠を取ろうと試みる。
が、寝れても1,2時間てとこだろうか。
鎮痛剤を飲んでいるからずっと痛いということは避けられていたが、
時折やってくる
針で鼓膜をチクチク刺すような痛みや
その針をいきなり鼓膜に突き刺されるようなズキーンとして痛みが波を打つようにやってくる。
耳の周りも併せて痛むので寝返りを打つたびに耳が枕やら布団やら自分の手やらに触れるとそれだけで激痛。
そんなことをしていると昼であろうと夜であろうと寝れないのは同じであった。
それでもここまで外耳炎と共に過ごしてきたのだ。
少しはマシになる方法を見出せてきた。
先にも記述した通り耳の周りを保冷剤で冷やすと共に
キンキンに冷えた水を飲むのもその場限りだが喉をつたって、冷えが耳にも届くような気がして気持ちが良い。
加えて、寝る姿勢よりも座る姿勢の方がまだ楽であることに気付く。
そうこうして外耳炎発症2日目の夜は、ようやく寝れたのが深夜1時を過ぎてからで、座って眠りについたのであった。
5. 外耳炎発症3日目
元々右耳に比べたら軽症であった左耳の痛みが緩和されてきた。
時々やってくるチクチクする痛みとズキーンとやってくる痛みも頻度はかなり少なくなり、耳垂れも右に比べたら明らかに減った。
おそらく現時点で音を拾えているのは左耳が優勢だろう。
昨夜も深夜1時になるまでは激痛と戦う時間が多かった為、疲れは全く取り切れておらず疲労困憊の状態。
外耳炎発症3日目になって気付いたが、
どうやら外耳炎は夜の方が痛みが増すようだ。
そうと来たら日中にいかに睡眠時間を取れるかが勝負だと思い、朝起きて薬を服用したらまずは寝ることにした。
あの七転八倒の苦しみを味わった外耳炎発症0日目に比べたら大分痛みはマシになり、
今では日中に2時間はまとめて寝られるようになってきた。
2時間寝て目が覚めて、少し経ってまた2時間ほど寝る。
そんな日中を過ごし、恐れている夜がやって来る。
さすがに痛みがくるたびに鎮痛剤を飲むのも、その飲む行為自体に慣れてきているような感じがして少し控えてみようかと思う。
が、切れると痛みはやはり確実にやってくる。
でも、今日ばかりは夜に寝たい。
どうやら人間ちゃんと夜の時間帯に寝ないと疲れは取り切れないようにできていて、
夜中しっかり睡眠を取れていない日々を4日も過ごすともう疲労困憊なんてもんじゃない。
今日はさすがに寝たい。
激痛が襲ってはきているもののこれはまだ我慢できる、と意を決し、鎮痛剤が切れる6時間と夜中の睡眠6時間を上手く計算して服用することにした。
痛みが前に比べたら少しは弱まってきている、というのが勝因だと思うがこの作戦は吉と出た。
その夜、4日ぶりにようやく眠りに着く事ができた。
6. 外耳炎発症4日目
私に日常が戻りつつあった。
鎮痛剤を飲まなくても過ごせる程、耳の痛みはほぼなくなってきたのだ。
時折、
細めの針で鼓膜をツンっと突かれるような痛みが走ることがあるものの、
そんなのここまで来れば序の口だ。
耳の聞こえはというと、耳垂れが膿のように溜まってしまい聞こえの度合いは変わらず…
先生の言いつけを守り明日病院に行くことにした。
(というのも今日は木曜日。大半の耳鼻科は定休日だ…)
どうにもこうにも、ここまで七転八倒の苦しみで何もしないことが一番楽だった為、元気になりつつあるとは言えど結構起きている事それ自体が辛い。
特に眠くないと思っても横になるとすぐに眠りについてしまう。
そして、
そろそろ痛みを忘れてきた頃だろうと言わんばかりに時々やってくるチクっとする痛みと隣り合わせの時間を過ごし、4日目はいつもより静かに終了した。
(そんなチクッとじゃもう痛くも痒くもないぜ)
7. 外耳炎発症5日目
耳が痛くなくなった。
が、その代わりその痛みや重みが耳の後ろから首に繋がる筋へと降りそこが痛み出し、頭痛へと移行してきた。
耳の聞こえも安定に聞き取りづらい。
はあ、いつになったら通常モードに戻るんだろうか。
過去の自分に怒鳴りつけてやりたい。
『今すぐその手に持っている綿棒を元ある場所に戻せ。』
『その快楽、いっときのものだけだぞ。』
朝一で耳鼻科に診察しに行った。
来た時が相当酷かったからこれでも随分良くなった、とのこと。
耳垂れの原因は膿が溜まって固まっている為。
洗浄をしてもらうことになった。
ぽわーっとした感じは残るが触れられても痛くなくなった事は飛躍的な成長だ。
先生曰く、重度であったからまだ完治するには時間がかかるとのこと。
夜眠ることもできなかった痛みは1時間おきになり、2時間おき、6時間おき、1日おき…とだんだんその感覚が縮まりいずれ消えていく、あともう少しの辛抱とエールを送られた。
時々ズキーンとくる痛みの為に鎮痛剤をプラスで処方してもらい帰路に着く。
先生からは痛みが消えれば自然と耳も聴こえるようになると再度言われたが、この調子だとまだもう少し時間がかかりそうと。
また、痛みが消えてくると次にやって来るのは痒みだという。
痒いからといって耳を容易にいじくるのだけはなんとしてでも避けなければならない。
完治、とまでは行かないがここまでが私の激痛奮闘記の締めくくりといって良いだろう。
8. まとめ
外耳炎はとにかく痛い。
大の大人でもそれはもう悶絶もの。
夜寝れるなんて思っちゃいけない。
その痛みを敢えて表現するとすれば、
少し太めの針で鼓膜をぶすぶす刺されているような、
あるいは
その針で障子に穴を開けそのまま下につーっと裂かれるような
そんな感覚。
ネットでは2〜3日すれば症状は治るとあるが、
重度な外耳炎になればそんなんでは済まない。
もちろん薬を処方してもらえばその効果で痛みは少し和らぐだろう。
しかし、その激痛は2〜3日続き4〜5日目で耐えられるくらいの痛みまでには落ち着く、そう思っておいた方が身のためだ。
少しでもその症状を抑えたいと思うのなら、
耳の周りを保冷剤で冷やすのもひとつの手だ。
しかし激痛が走っている時はそれ程役には立たない。
それと、寝るよりかは座っている方が気持ち楽なので、
横になって寝るのは早々に諦め座って寝る努力をした方が良いかもしれない。
キンキンに冷えた水を飲むのも気を紛らわすのには手っ取り早い。一瞬だけ気持ちを和らげることができる。
とにもかくにも、耳掃除はほどほどに。
少しでも耳に痛みを感じたら多分それは外耳炎。
早めに耳鼻科を受診しに行こう。
最後に、この記事が次の誰かの奮闘記に役立ちますように想いを込めます。
かなりの長文お読みいただきありがとうございました。
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