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アメリカのM&Aアドバイザーにインタビューしました|Voice from Local vol.01

こんにちは!M&Aアドバイザーのかきもとみさです。

早いモノで、2023年の12月中旬にアメリカテキサス州に引っ越してから早くも半年が経ちました。恐ろしく時が経つのは早いですね!

この半年で、現地のいろんなビジネスネットワーキングイベントに参加し、本当にたくさんの良いビジネスパーソンと出会うことができました。

テキサスのスモールM&A案件を日本人投資家に紹介する目的で立ち上げたWEBサイト「テキサスビジネスハンターズ」も、コンテンツも徐々に充実し始めています!

また、コツコツ配信しているYoutubeも「ビジネスのご縁つなぎ」というチャンネルでじわじわと登録者を増やしており、もうすぐ1000人です!

このnoteはサボり気味だったのですが、発信のツールとしてはとても良いので、時間ができればこうして更新をしようと思っています。

上記のテキサスビジネスハンターズでは、テキサス現地で出会ったビジネスパーソンにインタビューを実施し、日本語に記事を翻訳して掲載をしています。

このサイトはまだまだ認知度は低いため、せっかくの良い内容も全然たくさんの人にリーチされていないまま。なので、インタビュー内容や自分の見解やコメントを、こちらのnoteでも発信していこうと思い立ち、今回またnoteで筆を取り直すことにしました。

というわけで前置きが長くなりましたが、今回はテキサスでM&Aアドバイザーとして活躍するWasimというパキスタン人のインタビューについてご紹介したいと思います!


アメリカで「ビジネスブローカー」の存在は?

日本では「M&Aアドバイザー」という言葉の方が一般的だと思いますが、アメリカでは「ビジネスブローカー」の方がよくつかわれる呼称だと思います。

そして、アメリカ人にとってビジネスブローカーの存在は一般的なのかというと、Wasim曰く、「その存在すら知らない人は多い」とのこと。日本でもいまこそ会社の売却や買収の文化が浸透してきたものの、まだ「会社なんて売ったり買ったりできるの?」というレベルの人もまだまだ多い。これはアメリカでも一部当てはまるようです。

私の印象では、「リアルター(不動産ブローカー)」とビジネスブローカーを同じ職業だと勘違いしている人が多いような印象も受けます。リアルター本人も、「不動産を売れれば、ビジネスも売れるでしょ」と安易に思っている人も一定層いるような気さえします…。全然違うのに。

ビジネスブローカーの仕事の魅力は?

Wasimに、この仕事の魅力ややりがいを聞いてみたところ、こんな答えが返ってきました。

M&Aにおいては、どの案件も常に新しい事象が発生します。同じストーリーが繰り返されるということはありえません。ビジネスごとに背景や事情が違うし、関わる当事者によって要望も全然違います。
アドバイザーは、あらゆる課題に挑み、早急に解決する力が求められます。私は以前のキャリアのおかげで、どんな困難な課題に対しても早急に解決へ導くスキルが養われたと思っており、それがいまも自分の強みとなっていると思います。

うんうん。もうこれは全く同感!私もこの仕事を選んでいるのは、どの案件もエキサイティングで、課題も全然違って、緊張感があって面白いから。それを臨機応変にスピーディに解決していくことができて、無事に成約できたときの達成感が溜まらない。だからやめられないんです!(←)

全く違う国出身から移住してきて、たまたまテキサス州の北ダラスに移り住み、同じ仕事を通して出会ったWasimですが、同じ価値観を共有できることに感動さえ覚えてしまいました。世界は狭い!面白いですね。

ちなみにWasimはとっても礼儀正しく律儀な性格で、初めてオンラインミーティングした際、夜21:30開始だったので「さすがに昼間は忙しい方なんだなぁ」と思ったのですが、そのときは私が日本に住んでいるものだと勘違いしていたからでした。「あれ、日本にいると思って、良かれと思ってこの時間にしたのに…!」と。実は車で10分圏内のご近所さんだったことが発覚したため笑ってしまったと同時に、Wasimの優しさが伝わってきました。

北ダラス、20年間の大きな変化を間近で見てきたからこそ実感できるポテンシャル

さて、そんなWasimはこの北ダラスにもう20年住んでいます。当時からの変化をこのように語っていました。

当時は大きな高速道路(ハイウェイ75号線)以外は、本当に片側1車線しかないような道路しかなかったんですよ。トウモロコシ畑が広がっていて、ほとんど農地しかないような場所でした。
ここに住む人は、昔は自分の農地で馬や牛などの家畜を飼っている人が多かったですね。当時、私はそういう雰囲気が好きだったんです。当時の勤め先へは、ここから南に18マイルほど下ったダラスダウンタウンへ通い、仕事が終わればアレンの自宅へ帰ってくる。シティと田舎の景色の変化を楽しんでいました。

私も同じアレンという市に住んでいるのですが、トウモロコシ畑なんて見かけません(笑)話を聞いたときは驚きましたが、確かにここ最近急激に経済圏が発展してきているという話はよく聞きます。

なぜ北ダラスが盛り上がっているのか?

その要因についても、Wasimに考えを聞いてみました。

テキサスは州として最近とくに人気が高まっています。それは主に、この州が油の原産地であることに起因して、経済的豊かさにおいて圧倒的に強い州であるからです。
テキサス州の中でも、各エリアによって特色があります。例えばヒューストンは、油・ガスなど資源産業が盛んなエリアです。一方、ここダラスエリアは、たくさんの大企業の本社が存在する場所です。例えばアメリカンエアライン、サウスウェストエアライン、ペプシの本社があるし、トヨタは数年前にロサンゼルスから北米本社を移転してきました。他にもニーマンマーカス(百貨店大手)、ピザハットなど、たくさんの大企業の本拠地となっています。それらに伴って、他州からたくさんの人がこのエリアに移動してきています。
そしてダラスエリアは、生活コストがリーズナブルな点も人気の理由のひとつです。広大な土地があるし、生活コストは西海岸・東海岸と比較すると圧倒的に低い。地理的にも、アメリカの中心に位置するこの場所というのは、他州へ飛行機で移動するのにも非常に便利です。アメリカンエアラインの本社がここにあることも、空路移動の利便性を高めている要因になっていると思います。

たしかに、そんなに多くの名の知れた巨大企業がダラスに本社を構えているとは!そりゃ人も流入するし、経済も向上するはずですね。

クロスボーダーM&Aを検討する際の注意事項は?

そして、スモールビジネスを日本人投資家など海外投資家が買収を検討する際の注意事項も聞きました。

過去に、アメリカ国外から連絡をくれた買手候補の方から「E2ビザが取得できるビジネスなら、なんでも良いから買いたい。紹介してくれ」と言われましたが、このような買手はもっと注意深く考える必要があると思います。多少の時間がかかっても、辛抱強く自分にとって最適なビジネスを探す方が賢明です。
意思決定のスピードが速すぎて、後悔してしまうケースもあり得ます。
E2ビザの場合は、収益性を維持向上させ、ローカルの経済に貢献し続ける必要があります。売上が成長していることを示し、きちんと収益を生んで、税金を納められているビジネスであるとアメリカ政府に示さなくてはいけません。その代わりとして、海外からの居住者を迎え入れるという仕組みですから。
ビジネスに注力できずに業績も厳しくなってしまって、例えば賃料の支払い義務が履行できなければ違約金が発生するし、収益確保が難しければ投資家ビザの更新も難しくなる。だからこそ、「このビジネスであれば、自分で経営できる。自分の手で成功に導くことができる」と、少なくとも自分自身でそう思えるビジネスを選ぶ必要があります。

これについても、私も全く同意見です。E2ビザ(投資ビザ)というのは、一度取得が叶っても、継続的に収益を上げる必要があるところが簡単ではないところ。端的に言えば「お金でビザを買う」に近いように見えるかもしれませんが、ビジネスが継続向上し、ローカルに貢献し続けることが必須条件です。

私もスモールビジネスのクロスボーダーM&Aを推進する立場として、肝に銘じておかなければならないと思いました。オーナーとして、心身ともに身を捧げるビジネスを見つけることが肝だと思います。たとえ買収前の収益性がよかったとしても、買収後はオーナー次第で経営は変わってしまうモノ。甘く見ずに厳しい目で選定することが大事です。

テキサスはアメリカ南部。人種差別はないの?

最後に、アメリカ南部って人種差別ないの?という、素朴な疑問をぶつけてみました。

全く、差別的なことは感じません。移民として、そう感じたことは一度もないし、友人にもシンガポール人、中国人、日本人と出会ったのはMISA(私)が初めてだけど、色んな人種がいますがそんな話を聞いたことはありません。ダラスエリアは”Melting Pot(人種のるつぼ)”であり、世界中から来たさまざまな国籍の人に溢れています。
昔は、ニューヨークやシカゴなど大都市でしかそういった多国籍な環境は無かったけれど、いまはダラスエリアのどこへ行っても「アジア人だから」と差別するようなカルチャーの場所はありません。むしろ、アメリカ南部の人たちは非常に親切なんですよ。ホスピタリティ精神にあふれる人ばかりでであることで有名です。

これに関しては、半年ここに住んでみて思うのは、アメリカに住む人たちは非常に「多様性」に慣れているというか、「人と人は違う」ということが当たり前であるというマインドが自然と土台にあるのだろうと感じています。

日本人のほうが、閉鎖的で単一民族社会に長年住んでいる人たちばかりなので、「違い」に敏感で、むしろ差別的なところが強いとさえ感じます。

この半年で出会ったビジネスブローカーだけでも、パキスタン人のWasimも移民だし、他にもイギリス人、インド、トルコ…など、様々な人種に出会います。

海外から日本に引っ越した場合は「これから日本人に囲まれて仕事するんだ」という状況になりますが、「アメリカに引っ越した」=「アメリカ人に囲まれて仕事するんだ」ということにはまったくもってならないということを実感しました。

まとめ

というわけで、この現地人インタビューシリーズ「Voice from LOCALシリーズ」もnoteでも不定期にご紹介しようと思っていますので、よかったらマガジンフォローもよろしくお願いします!

今回のWasimのインタビュー記事本文は、下記リンクよりご覧いただけます!

インタビュー本文はこちらから👇PART1~4


それでは皆様、本日も良い一日を!

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