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散歩中の偶然の出会い
何度でもいう。私の趣味は散歩をすることだ。京都での家探しの最重要条件は「散歩が楽しい街かどうか」だったし、1日の中に「散歩をする時間」として2時間ほどの余白のスケジュールを組み込んでいるほど。散歩が好きなのは、せわしない日々から距離を置いてぼーっと過ごせるから。大好きな音楽をたくさん聴けるから。偶然、思ってもみないような景色に出会えるから。
今日も毎日の習慣で勝手にふらふらと外にでかけた。午前中は天気もよさそうだし、紅葉を見にいきがてら散策しようかな。そう思い、京都御所を横切りながら鴨川を歩き、さらには観光客でにぎわう東山エリアまで。13キロ、20,000歩の散歩へ。
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散歩では、偶然の出会いを大切にしている。あえてルートを決めずに、Googleマップは見ないようにして。「あっちの景色きれいそう」「あの店気になるからのぞいてみようかな~」といったように、偶然におもむくままに、そのときの私に行先をゆだねている。
そうやって出会った景色やお店。
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京都御所の敷地内にはいれば、とんでもなく大きな木々が迎えてくれる。ありきたりな表現だけれど、なんて自分はちっぽけなんだ、と思わせてくれるただっぴろい空間。ベンチに腰掛けてぼーっと目の前の真っ赤に染まるモミジの木を見つめてみる。
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太陽が雲に隠れたり出てきたり。光の加減によって葉っぱの色づき具合が移り変わる。真っ赤な部分もあれば、まだ染まり切っていない緑色の部分もある。「変化の過程をじっと見つめる」、私が一番好きな時間だ。
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京都御所を抜けて鴨川沿いを歩いて、東山の方へ足を運ぶ。途中にかわいらしい花屋さんがあって、店頭にドライフラワーが売られていた。ちょうど部屋のインテリアにカスミソウメインのシンプルなドライフラワーがほしいと思っていた。いくつか並べられている中で、一番ぴんときた束を選ぶ。
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これを買うぞと調べた上で買いに行くのももちろん楽しいけれど、こうやってふと散歩途中に偶然に通った道で出会う店先で買う、というのは気分がいい。偶然、出会えた、といううれしさ。一本でも道を外れていたら出会わなかったかもしれない。そう思うともっともっと大事にしようと思うのだ。
お気に入りの2つのドライフラワーの束を抱えて、知恩院や円山公園、高台寺、八坂の塔、建仁寺、と主要の観光地をふらふら観光客気分で練り歩く。京都に引っ越してきてからというものの、出かけることが少ないためか、京都の街にこんなにも人がいる、という実感がなかった。けれど、ちゃんと観光地には人がたくさんいる。大勢の人に紛れ込みながら、ドライフラワーを抱えた私は浮足立つ観光客の中で消え入るようにさっそうと歩いていたと思う。
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私の毎日は、こうやって過ぎていく。ふわりふわりと漂うように。行きたい場所に目的をもって向かうわけではなく、「なんだかよさそうかも」という実に曖昧な予感に誘われながら歩いていく。歩きながら、自分が考えていることを整理していく。ときにはなにも考えずに頭を空っぽにしてひたすらに前に進むこともある。
なんだか歩いている、というのは日々を暮らすそのものだな。明日はどこにでかけよう。毎日の24時間の中に、散歩をする、という時間があるだけで、日々が少しだけ穏やかに満たされていくものだ。
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