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長野・松本でのできごと・日記

新幹線と特急列車に乗って、長野へ行った。長野、遠い。特急しなのの揺れ進む電車に酔い、読もうと思った本も読めずにへとへとになって長野駅に着いた。なんでこんな遠いところまで…と思ったけれど、改札を抜け駅を出た時に深く吸い込んだ空気で一瞬にして来てよかったな、と思えた。

山が近いから?建物が少ないから?電線が地上にないから?山が近いのは京都も同じなのに、全然空気が違うのだ。スッキリと遠くの山まで見渡せて、うーんと伸びをしたくなる感じ。軽やかにどこまでも歩けそうな。

一日目は、UVERworldのライブに行った。メンバーたちも長野をたいそう気に入っていて「毎年行きたい」とMCで話していた。うんうん、その気持ちわかるよ。メンバー自身が長野の地を好きでいるからか、セトリが他の地域よりも最高だった気がする、気のせいかもしれないけれど。好きな街でライブをする方が気持ちがよさそうだし、あながち間違いではない気もする。

帰り道、駅までの片道30分歩くのを一瞬だと思ってしまうほどにライブは最高で、そのあとに入ったお店もこぢんまりとしてて気に入った。駅に降り立った瞬間から「この街が好きだ」と思って、好きだと思った街にいるからこそ、思い出がより一層深まっていくものなのだろう。

夫婦ふたりで朝から元気に営業されていた「喫茶ブルーリボン」

翌朝は、昨日のライブの余韻を引きずりつつ、Googleマップで調べたホテルから一番近くにあった喫茶店へ。食パンとサラダとコーヒーのセットで550円だった。店内では音楽でもテレビでもなく、ただラジオが流れていて、「最近ラジオ聴いていないな~」ということに気づく。誰かと話している気になれるラジオ、ひとりでいるときに聴くのいいかもしれないね。

ひたすらに青い空を追いかけて、善光寺まで歩く。朝の澄んだ空気が気持ちいい。参道のにぎやかさに心が躍る。こんな雰囲気は京都を思い出すけれど、京都よりも人は少なくて、ちゃんと両脇のお店を見る余裕があって嬉しい。寒いのが早くなるからか、木々の紅葉が進んでいて、より一層山の美しさを引き立てていた。つい、うーんと背筋をのばしたくなるような気持ちよさ。快晴でしか得られない気持ちよさと、独特の線香のかおりを味わって、参拝をする。

2日連続で訪れた「みよ田」

昼ご飯は駅ビルに入っていた信州そばのお店へ。実は2日連続おなじお店に来てしまった。おいしかったから。個人的にうどんよりそばを食べる頻度が少ないから、その分おいしさも深まる。

ここで、夫は特急しなのに乗って京都へ帰り、私は普通電車に乗って松本へ移動。二人旅から現地でわかれてひとり旅をするのは初めてだったけど、なんだかいつもと違う感じがしてワクワクした。ホームで夫を見送って、私は松本へ。

松本はずっと行きたかった場所だ。今までも何回か行ったことはあるけれど、ひとりで来るのは初めて。天気が良かったから、とりあえず松本城へ向かおう。街自体がきれいで、澄んでいて、歩いているだけで心地いい。

天守の最上階からの景色をぼーっと眺めていた。ちょうど夕暮れ時に差し掛かったタイミングで、ぼんやりとオレンジ色の光が街を照らす。紅葉した山々が、優しくて柔らかい光に包まれる。

UVERworldのTHE OVERという曲に大好きな歌詞のフレーズがある。

よく見れば 青空も 青一色じゃ無いその複雑さは 心を映したようだ

THE OVER/UVERworld

本当に、空の色って時間帯によっても季節によっても、もちろん天気によっても変わっていって。青空ではあるけれど、想像する青空とは違う色しているんだよな、でもどうやって表現すればいいか分からないな、みたいな空に、たびたび遭遇する。夕暮れ時の青空は、そんな複雑な、でも優しい気持ちになるような、青の色をしている気がするのだった。

夜はホテルにこもって、昼に買った、のもとしゅうへいさんの「海のまちに暮らす」を読み進める。海のまちに引っ越してきて、まちのことを知りながら、忘れてしまいそうなほどのささやかな日常の出来事を掬い上げるような文章に、引き込まれて戻れなくなる。最近、たくさんの本を読んでいると、「好きだな」と思って何度も読みつぶしてしまう文章、というものが分かってきたように思う。その逆もしかり。私は私の大切な言葉だけを抱きしめて、時々その言葉たちに励まされながら日々過ごしていきたいなぁと思うものだ。

次の日は、朝一でずっと行きたかった「栞日」さんへ向かう。スコーンとコーヒーを注文して2階にあがると、別世界のような空間が広がっていた。こんな部屋に住みたい。秘密基地のような本に囲まれた空間に。

静かな空間でピンときた本を手に取り読んでみる、その時間でしか得られない何かがある。

そのあとも、「本と花 枯淡苑」さんで帰り道に読む本をじっくりと選んだり、「cafe chiiann」さんで里芋たっぷりのキッシュを味わったり、小さな個人店での時間を楽しんだ。

松本の街の素敵だなぁと思ったところは、小さな個人店がたくさんあるところ。カフェやコーヒースタンドも多く、街に根付く美術館や公園もあり、観光客もいるけれど、あくまで主役は街のひと、みたいな佇まいがした気がする。「cafe chiiann」を訪れた時にも、立地は観光地ど真ん中だったのにも関わらず、他のお客さんはみんな「久しぶりです~」と店員さんとお話されてて、いいなぁと思った。


さて、まとまりもなく日記テイストで2泊3日を書き起こしてみた。書き起こしてみると、写真以上に「いろいろ見て、感じて、思ったんだな~」ということが分かる。エッセイ調で書いていると、テーマに逸れた部分はカットしちゃうけれど、日記として書いてみると思いのほか書くことが多くなって気づいたら2,000字を超えていた。

最近、いろんな本を読んでいると、「もっともっと自由に、好きなことを書いていたい」と思う。いい文章を読むと、自分の文の拙さに落ち込んだりもするし、逆に悔しさが湧き上がってくることもある。まずは「私にとってのいい文章」「好きなこと」を書いていきたいなぁと思う。

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misaki|散歩日和
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