京都暮らしの備忘録Vol.6「観光と暮らしの間の休日」
私はいま、京都のゲストハウスでプチ定住をしている。どんな暮らしをしているかというと、普通に週5で働いて、週2で休みを取るような暮らし。だから観光というよりは果てしなく「暮らし」をしているという感覚で日々暮らしている。
賃貸に住むわけではなく、かといって毎日遊んでいるわけでもない。仕事もするし普通に暮らす。そんな観光と暮らしの間で休日を楽しめるのが、プチ定住の特権だ。
そこで今日はプチ定住をしている私の「観光と暮らしの間の休日の過ごし方」についてまとめてみたい。
新緑に癒やされる(南禅寺・天授庵)
京都のお寺といえば、桜と紅葉が有名。けれど、本当に新緑の時期のお寺も、きれいだ。とくに紅葉がきれいな場所は、新緑で緑の世界が広がる初夏に訪れたい。
今回は、紅葉の名所でもある南禅寺の塔頭・天授庵に来てみた。目の前に飛び込んでくるのは、圧倒的な緑色。
この日の最高気温は36度。天授庵を訪れたのは朝の9時頃だったけれど、それでも歩いていると汗がにじむほどの暑さだった。けれど、なぜか緑の世界に入り込んでからは、「じめっとする暑さ」を感じなくなったのだ。不思議。
覆われた緑が風にさわさわとそよがれて揺れる。揺れた葉っぱの影が揺れる。木漏れ日が差し込む。そんな緑の世界。
こんなにも汚れのない、きれいな景色を見ていると、心までスッと軽くなるような。美しいものを美しいと思える心の余裕があることをうれしく感じるような。そんな気持ちになる。天気が良い日、暑くて家に引きこもってしまうこともあるけれど、やっぱり外に一歩出て出会える景色を大切にしたいな。
本を読みながら休憩(岡崎・蔦屋書店)
南禅寺から西へ15分ほど歩くと、平安神宮や京都市京セラ美術館、ロームシアターなどが集まった岡崎エリアにたどり着く。炎天下のなか歩いているとどうかしそうになるので、ひとまずここで休憩。キンキンに冷えたアイスコーヒーと、じっくりと選んだ本1冊を手にイスに腰掛ける。
私が蔦屋書店を好きな理由のひとつは、さりげなく手に取った本がとんでもなくいい、というケースにたくさん出会えるからである。背表紙に惹かれたから、タイトルに惹かれたから、ずっと気になってから、なんて理由でサッと読み進めてみると、とんでもなく今の私が求めていた本に出会えることがある。
この日は「暇と退屈の倫理学/國分 功一郎」を手に取って読んでいた。とてつもなく面白かったので、そのまま購入。こんな出会いがあるから好き。
大好きなカフェでランチを(出町柳・蒼々として)
岡崎から25分ほど歩いて(歩いてばっかり…)次は大好きなカフェ「蒼々として」へ。ここは、だれかに「京都の好きなカフェは?」と聞かれたら1番だと答えるほど、空間と世界観とスイーツとコーヒーが大好きなカフェ。静かに、ただそこに在る、というような佇まいが好き。
さっき買った本をおともにして、キッシュランチを。たまねぎとチキンがたっぷり入っていて、幸せで満たされた。大好きな空間とおいしい料理、静かな時間、何よりも日々の暮らしで守りたいもの。
御手洗祭で健康を祈る(下鴨神社)
ランチのあとは下鴨神社へ。私が訪れた期間は、「御手洗(みたらし)祭」が行われていた。御手洗祭とは、下鴨神社の境内にある御手洗池に膝下まで浸かり、ろうそくを供える、別名「足つけ神事」。
ひんやりとした池に浸かりながら、日々の健康を祈る、そんな行事。昼の14時、1日の中でも1番暑い時間帯のはずなのに、池に足を浸けると想像以上に冷たくて。上半身と足が別の世界にいるみたいな不思議な感覚だった。
大人になって水に足を浸ける、っていう機会がなかなかないから面白かった◎このひんやりとした感覚、夏だなあって感覚、忘れたくないな。
観光と暮らしの間の休日を楽しむ
京都暮らしのいいところは、手に触れられる距離に「観光」があることだと思う。お寺に参拝に行く、神社の行事に参加する。そんなイベントがいたるところで行われていて、それに気軽に参加できる空気感があるのがいいなあ、と思う。観光と暮らしの間を楽しめる、そんな感覚で休日を過ごせるから、いつだってわくわくするし新鮮な気持ちになる。
天気がいいから新緑を見に行こう、そんな軽やかな選択がすぐにできてしまう、この街が、やっぱり好きだなあ。
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