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§読書録:「ジョニー、あなたと知らずに」エドナ・オブライエン
山田詠美さんの「無銭優雅」を読んでこの本を探しました。
言葉の運びがたいへんに美しく、魅了されたものです。
息子の親友であるハートと恋に落ちる女・ノーラ。色々あって、わけもわからぬうちにハートを殺してしまいます(殺意はたぶんなかった)。
ネタバレも良いところですが、実際そういう小説です。
あとはひたすら、ハートの美しさに溺れてしまったのノーラの心の描写が続きます。
全てを忘れて心が解き放たれるようなひとときだった。
ここでなら生きられる。ここで生涯を終わりたい、ふとこんな言葉をつぶやきたくなるようなひととき。わたしたちを縛りつけているさまざまな憂いはまたたく間に消え失せ、手枷足枷は吹流しに姿を変え、慈悲深い神々にいざなわれて空に舞いあがり誇らしげにピルエットを踊る。わたしは夕暮れの広場でつかのまの夢を見ていた。
ピルエットだシルエットだかわからない私が、綺麗だなぁと思った文章。
意味はよくわからないけれど、言葉がキレイですごく素敵。
ここで生涯を終わりたい。
そんな景色を見たことはありますか。