3.マインドフルリスニングで契約をとる方法
マインドフルネス瞑想を初めて一カ月ほどたった時だった。
観光がてらなのか若い女性2人が、美咲の売っている商材の話を聞きたいと会社にやってきた。
その前に、コンサルさんの話をしよう。
その時の美咲のイメージでは、いろいろな分野で営業成績トップを押さえ、名門大学出身揃いのコンサルタント会社の中で、引き抜きに合った中途採用ということだった。
年齢は美咲よりも二つ年上で、とても美しい顔をしていた。
「ホストとかDJとかしていたことがあるんですよ」
彼は全く問題ないといった様子で、それさえも自身のストーリーとして語り、そこまでの努力とか変容とかを感じさせる人だった。
そもそも、その会社のトップが、営業の分野においては第一人者であったので、そこにおけるノウハウはきっといろんな心理戦があるのだろうと思っていた。
美咲は営業が苦手だ。
昔働いていたサロンで大きなイベントを立ち上げるようになった時、上司が話をつけていたところに赴き、協賛金を募る営業にいきなり駆り出され、見ず知らずの人からお金を預かってくる仕事したときに苦手意識が芽生えたのだった。
おかげで、大きなイベントを仕切り、ある程度の集客はできるスキルは身についたけれども・・・
こちらから売り込むというものにどうにも苦手意識を感じるのだった。
その日は、コンサルさんの営業手法をまねてみようと、マインドフルネスの一種、『マインドフルリスニング』をベースに、できるだけ相手の話を聞き、求めていることに寄り添い、自分のエゴが出ないように(例えば高いキットを売りたいとか)口数を少なくし、選択権はお客様にゆだね持ち帰ってももらったのだ。
『マインドフルリスニングのワーク』
①2人一組になる。
②一方が話す方、一方が聞き手に回る。
③最初の5分間話したいことを一方が話す。
相手はできるだけ、反応せず(うなづくなどはOK)黙って話を聞く。
話す方は、自分の心の動きを観察する。
聞く方も、自分の心の動きを観察する。
④役割を入れ替える。
⑤お互いが話し終わったら、感じたことをシェアしあう。
※マインドフルな状態というのは、ただありのままを受け入れることなので
話を批判したり、ジャッジしないことが約束。
半月ほどして、お客様から連絡がきた。
美咲がいままで売ったなかで、一番高いキットが売れたのだ。
コンサルさんに、報告の電話をする。
『ぜひまたコンサルをお願いしたいんです』
3年前のコンサルとは、明らかに違う手ごたえ。
それは、決まりきったテクニックではなく、自分の心を開き
体得していくような・・・
そのころからか、美咲のもとにいろいろな人が相談をもちかけるようにやってくるようになった。
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