詩 『ヤブガラシ』
庭へと続く階段が
誰かの希望を誘導する
あの強い背中に
いくつもの悲しみを抱えていたのは
本当なのか嘘なのか
誰も本当のことは言わないなんて
未来に希望を持たないなんて
いつまでも誰もが忘れないあの空気が
そっと何かを包み込む
そっと心を動かしていく
誰かのために謙虚に生きていく
ナスとトマトのあの畑に
そっと入っていった先には
ヤブガラシ。
ヤブガラシのその先に希望を見るか
絶望を見るか
馬鹿にしたような
そんな力強さだけが
背中を押してくれる
結局世の中そんなもんだって言いたいだけ
結局忘れたくないのは
トマトでもナスでもなく
あの知らぬ間にやってきたヤブガラシ。