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海の見えるカフェ

毎年夏に滞在してお世話になるので
9月の夫の誕生日の頃にほんの少しだけ
お返しをする。
小さい鞄が欲しいとの事で一緒に探したりした。何しろ予算が僅かなので、
たいした事は出来ないし夫もそれをわかっている。
今年は根府川にあるレストランでランチをする事になった。
神奈川は台風の影響もあり、予定した日が
雨予報だったので1日遅くした。
そうすると夫が行きたかった「れんが屋」が
定休日とわかりランチにしては高いなーと
思っていたので少しほっとする。
小田原から乗り換えて待ち合わせの根府川に
到着。海が近い。
ひっそりとした無人駅で
わたしは茨木のり子さんの詩で読んだ根府川駅に下車したので嬉しい。

海に近い根府川駅

予め調べておいた「サドルバッグカフェ」を
目指す。駅から車で7分くらい。「絶景がご馳走です」とサイトに書いてあった。

テラス席からは海と青空と鉄道と牧場が見える

お店で牧場も経営しているとの事で、
お馬さんも彼方下に見えた。
夫は渡り蟹のカレー、わたしはシーフードのパングラタンにした。

かなりのボリューム

アイスコーヒーをプラスして1人2500円。
2人で五千円、予算ぴったり。
いい所だったね、と喜んで貰えてよかった。

そこから車で1時間半。
伊豆の夫の住まいへ。今回は1週間位で帰る。滞在中に小旅行も計画している。

茨木のり子さんの詩を検索した。
記憶では海に近い根府川駅と赤いカンナが
印象に残る作品だったと思う。

  「東海道の小駅
   赤いカンナの咲いている駅
  たっぷり栄養のある
  大きな花の向うに
  いつもまっさおな海がひろがっていた」

と始まる詩はこうして終わる

  「女の年輪をましながら
    ふたたび私は通過する
    あれから八年
    ひたすらに不敵なこころを育て
    海よ
   あなたのように
   あらぬ方を眺めながら…」

【茨木のり子 根府川の海】

海を見ているのは好きだ。
列車からも車からも海を見ている。
でも「海よ」と呼びかける詩を書いた事はない。青い海と赤いカンナ、そして戦争を体験したのち「不敵なこころを育て」た自分。
茨木さんのような素晴らしい詩は書けないけれどいつかは私も海の詩を書いてみたい。
女の年輪は充分に増したので。



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