フリーランスが「ビジョン・ミッション・バリュー」掲げてみた
2021年前半、私は悩んでいました。なんだか自信が底をついてしまい、これまで信じていたものを大して信じられなくなったり、信じていなかったことを信じてみたいと強く願ったり、大きな転換を迫られているような感覚でいました。
そんな自信喪失したフリーランスが、MVV(ビジョン・ミッション・バリュー)を考えて、自分と決着するまでの振り返りです。
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ちょうどその頃、私は産業カウンセラーの資格を取るべく、養成講座にスクーリングしていました。講座では、グループになってカウンセラー役・クライエント役に分かれて実際に悩みを話し、みなで聴き、見立てをし議論をするのです。
私は仕事で自信がなくなっていること、これまで信じていたものが信じられない気がしていることなどを吐き出すように話していきました。
話をしていく中で、大学を卒業してからずっと一貫して心に刻んでいること、愛着のあるインターネットという場所はこの数十年で様変わりしてしまったこと、それに気付いていながら心はずっと過去に囚われていて「今のインターネット」をちゃんと見ようとしていなかったことなどに気付いていきました。
じゃあ私はどうしたいのか…。この悩みに向き合うために、自分のWebサイトを見直すところから始めようと思いました。
なぜWebサイトを見直すのかというと、私にとってWebサイトは、思いをどれくらい表現出来ているか、伝えられているかのひとつの指針だからです。この悩みと向き合うには、表現の根っこにある思いを整理する必要があると思いました。だからこそ、まずはここからリスタートしてみようと考えました。
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私のWebサイトはSTUDIOで作っています。これまで自分のメインの事業にプラスして、STUDIOを使った制作代行も始めるようになりました。ありがたいことに公式サイトの制作事例に載せていただき、時々お問い合わせをいただけるようになりました。
でも、一方で自分のWebサイトに少しの自信もありませんでした。
Webサイトで表現していたことを棚卸ししていくと、自分の提供したいことを書いているというより「きっとこう書いておけば求められるだろう」という気持ちに突き動かされているような、そんな印象でした。自信のなさは、こういうところで表現されてくるんだなと痛感しました。
猛烈に反省し、一から考え直すことにしました。自分が何を提供したいのか・出来るのか、どんなターゲット層を想定するのかから、構成の練り直し、デザインの学び直し、STUDIOに関する知識のアップデート、SEO対策の方針作り、更に提案資料の構成の見直しや作り直しまで、とことんメスを入れていきました。
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MVVを考えると決めたのは、ある程度SEO対策の効果が出始め、お問い合わせが安定してくるようになった頃でした。
お問い合わせをいただいた方から詳しくお話を伺っているとき「Webサイトにあった言葉がすごく私たちのやりたいことにあっていたし、記事の内容で不明瞭なところが明確になれたので、問い合わせしました」と言っていただきました。
そのとき「そうか、自分の考えを適切に表現すれば、ちゃんと見てくれる人はいるんだ」と気付きました。
こんなことは頭ではわかっていましたが、どこかで怖気づいている自分もいました。周りと足並みが揃わなかったらどうしよう、みたいな気持ちに近いかもしれません。
でもこういう気持ちも、自分に自信がないから出てくる気持ちでもあります。だから、自分のマインドを表現するために、MVVを考えてみようと決意をしました。
作ったMVVはこちら。
VISION
人とやさしくつながるインターネットを目指して
画面越しに人がいる、データの先に人がいる。そんなことを想像しやすいインターネットを目指します。
大学生のころ「明日誰かが生きる理由を作りたい」という思いを持ってこの業界に飛び込みました。私はあまり学校にも馴染めず、表面上はとても優等生ぶって振る舞っていましたが、心は常に虚無でした。そんな私が自分を保てていたのは、インターネットで人とつながっていたからでした。
今の時代、インターネットは完全に資本主義と化し、どこか心がないがしろになる瞬間があります。画面の先に人がいる実感がなくなり、データで人を判断するもどかしさを感じることも増えました。でも、なぜやるのかといったらそこに人がいるからで、それ以上でも以下でもありません。
やさしくつながるインターネットを作るには、画面やデータの先にいる人を豊かに想像したり声を聴くことが大事だと感じて、このビジョンを設定しました。
MISSION
人に寄り添う体験設計
Webサービス、Webサイトに関わるすべての人にやさしい体験を。ユーザーからチームメンバーまで、人に寄り添う体験設計をご提供します。
ビジョンを実現するためには、お客様からチーム内まで関わるすべての人が恩恵を受ける重要だなと思っています。私はチームの進行管理なども行う立場なので、お客様のことを考えつつもチームのみんながいかに心地よく働けるかも常に頭に入れて進行することを心がけています。
だからこそやさしい体験設計は、関わるすべての人に対して提供したいと思っています。
VALUE.01
「いいね、やってみよう」
それはルールからちょっと外れるかもしれないけど、やってみる価値はありそう。失敗を恐れずに、試してみたい…。そんなときに「いいね、やってみよう」から道筋を描いていくパートナーでありたいと思っています。
チャレンジしたい気持ちって、抑えられないのが人間だと思っています。それはときに、恐怖や不安を跳ね返すくらい、大きなエネルギーを持っていることもあります。ただ、やってみようと口だけで言うのではなく、責任を持って道筋を描いた上でやっていきたいというのが大事なので、こんな言葉でまとめました。
VALUE.02
ロジックとエモーションの両立
論理的に組み立てていくことも大事だし、心を動かしていくメッセージも大事です。どちらの意見も尊重し「人に伝える」という大原則を忘れないものづくりを進めていきます。
心理学の勉強をしていると、人間がいかに感情で動いているのかがよくわかります。でも、論理的に考えを導きだすことが出来るのは人間だからでもあります。これらどちらかを疎かにすることは出来ないです。どちらも尊重した考え方でいたいなと思っています。
VALUE.03
答えはすでに、側にある
複雑に重なり合っている課題を解きほぐしていくと、シンプルな答えにたどり着くことがあります。隣の芝生の大成功も大事かもしれないけれど、側にある小さな答えを大事にします。
ブランディングのブレストなどをしていてもよく思いますが、丁寧に言語化を進めていったときに、斬新な何かに出会うというよりも「いつもそばにあった考え方」に改めて気付くものです。そうやって紡ぎ出した答えに寄り添いたいし、大事にしたいし、歪ませない戦略・戦術を提供したいなと思っています。
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時代は変われど、何かを作る楽しさや人に寄り添う気持ちのような人の営みは、さほど変わらないものです。MVVを表現してみて、自分の大事にしている思いや価値観に改めて気付いていくことが出来たし、肯定していくことが出来たなと感じています。
フリーランスとして仕事をする上で、MVVは「ビジネスパートナーとしての行動指針」になるように思いました。お客様から一緒に仕事する仲間まで、私はこんなスタンスでいますと約束するものです。
Webサイトを一新しMVVを掲げられててよかったと思っています。この思いを胸にこれからも精進して参りますので、どうぞmiroworksをご贔屓に(ハート)