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僕を見て
先日、仕事帰りに図書館へ行った。
予約しておいた本をすべて借りて、気になる本をカウンター付近で探していた時の事。
男性が絵本を抱えて私の前を通ろうとした。
私が止まると会釈をして去っていった。
その10秒後に今度は私の後ろを2,3歳の男の子が走って行った。
「ぱぁぱぁ、ぱぁぱぁ、、、ぱぁぱぁ、ぱぱ~」
左を見ると、さっきの男性の元へ駆け寄っていた。
お父さんは息子をノールックで、周辺をきょろきょろしていた。
目線が全然下に降りていない、自分を見てくれていないと瞬時に判断したその男の子。
なんと「はぁ、はぁ…」と肩を上げ下げし、
全速力で走ってきた演技をし始めた。
走ってきてすぐではなく、父親の視線・様子を確認してからだ。
お父さんがやっと見てくれ、頭をポンポンっと撫でた。
すると、ピタッと息切れ演技は止まった。
私には子供がいないので、正直驚いた。
2,3歳の子でも親の興味を引くために、このような生きる術を身に着けているのかと感心した。
と同時に、お父さん見てあげてくれ、と思った。
私も子供の頃見ていてほしくて、
「見ててね、見ててね」と何かするわけでもないのに、見ていてほしかった。こちらに注意を向けているか、親をいつも見ていた。
いかに見ていてくれるか、それで自分の存在価値を確かめていたのではないかと思う。
褒めてほしいだけじゃなく、監視してほしいという意味ではなく、
注目してほしい。
それがいかに幼少期のうちに満たされるかで、のちの承認欲求を落ち着かせるのではないかと思う。
素直にそれが表れている場面を見た。
微笑ましいと思うと同時に、子供のポテンシャルの高さを考えさせられた日だった。
見た目こそ子供かもしれないが、一人の人間として接することにしようと思う。
しかし、大人になってもこの2,3歳時のように、
いや、素直じゃない表現方法でアピールしてくる大人がいる。
これがややこしいんだ、また。
皆さんの周りにもいないだろうか。
私は腹黒いので、敢えて満たしてやらないようにしている。戦いだ。