おとーしゃんのお目目
2歳の娘と家の前でシャボン玉をしていた。
ようやく、ちゃんと「ふ〜〜」ってシャボン玉を膨らませるようになったのだ。
少し前までは吸ってるのか吐いてるのかよく分からず
そのしゃぼん液は綺麗に円を描き膨らむことはなかった。
でもどうだろう。いつの間にか円を描くことを習得し、得意げだ。
子供の成長はつくづく早い。
「おとうしゃんもやってみる??」
そう言われて2歳のプニプニした小さな手で緑の棒を差し出した。
とびっきり大きいのを作ってあげようと気合いを入れてゆーっくり膨らます。
「オホホホ!おっきいいいい!!!」と大興奮の娘。
それを見た娘は自分でやってみたくなったようだ。
僕は緑の棒を娘に返し娘を見つめる。
すると次の瞬間。
「おとーしゃんのお目目にゆっちゃんいる。」
と言われたのだ。
なんて事ない。僕の瞳の中に娘が投影されていただけの事だ。
ただそれだけのこと。
でもその瞬間僕は思った。
僕の瞳に娘が投影されているように
娘の瞳にも常に僕が投影されている。
何を当たり前のことを、と思われるかもしれない。
でも「子供は親の背中を見て育つ」ということを
感覚的に初めて理解したのだ。
そうなのだ。
子供の瞳にはいつも僕ら親がいる。
子供の瞳に映る親の姿。
常にその瞳には親の生きる姿が映されている。
子供の瞳にどんな親を映したいだろう。
どんな親で居たいだろう。
どんな背中を見て欲しいだろう。
そう思った瞬間、何だかん少し背筋が伸びた。
子供の瞳に常に親は映っている。
そんなことを頭の片隅に入れて今日も子供と向き合っていこう。