将来の夢は「紙屋さん」という希望が未来をつくる。
こんにちは!
中庄の未来をつくる部、刑部渉です。
僕は「モノづくりができないからこそ、できる余白という価値提供」といった信念を持って中庄の未来をつくる部を開設しました。
紙屋としてモノづくりはできないけど、紙を通して何かを実現するためのお手伝いをしていきたい。そんなオモイでやってきたことです。
僕は自身で何かを生み出すようなことはできないし、今まで出会った作家さんやデザイナーさん、アーティストさんは本当にすごい人ばかりで尊敬の眼差しばかり注いでいました。
先日、西淀川アートターミナルで開催された「CANVAS CHALLENGE 03展」でも弊社が用意したティシュ箱をさまざまな作家さんが作品に仕立ててくれました。
西淀川アートターミナルについて↓
https://nishiyodo-art.com
協力企業として、僕も僭越ながら審査をさせてもらいましたが、どれも素敵な作品すぎて僕のようなズブの素人なんかが審査するのは憚られるなと感じていました。
でも、現在紙の遊園地プロジェクトを一緒に進めており、西淀川アートターミナルのプロデューサーでもあるアトリエヤマダの山田龍太さんが「刑部さんは紙屋として、紙のプロとしての視点で審査してくれたら誰も何も言えないですよ!」とおっしゃってくれました。
なんだかその言葉がとても嬉しくて、背筋が伸びる気持ちにしてくれて、僕の中でもスッと腹落ちして、すんなりと審査を進めることができました。
「僕らは紙のプロなんだ。」
その気持ちは自信でも過信でもなく、紙屋で働く上での最低限の責任であると改めて心に刻む機会となりました。
同時出店した「紙屋 中村庄八商店」も温かく迎え入れてくれた西淀川アートターミナルを運営しているあおぞら財団の方々や運営スタッフの皆さまにも本当に感謝です。
皆さまが、製本ワークショップにもご参加いただき「こんな紙があるんだ!」「素敵ですね!」「また来てほしい!」とおっしゃっていただけたことで、来てくれた方にとって少しでも新しい何かを届ける事ができたのかなと感じます。
その西淀川アートターミナルでの展示でグランプリを受賞した内藤晶さんが、先日弊社ショールームにきてくれました。その際、とあるこどものころの夢を教えていただきました。
「私はこどものころおりがみ屋さんになりたかったんです!そこはおりがみを販売する場所ではなく、沢山のおりがみがあって、自由にこどもたちとおりがみを折ったり、遊んだりできる場所なんです!中庄さんはそれを実現してますね!夢のようです。」
とおっしゃって下さいました。本当に嬉しいお言葉でそんな場所を作ってこれたことを僕自身も何だか誇らしくなりました。
僕が中庄の未来をつくる部や紙の遊園地プロジェクトを通じて実現したいことってなんなのだろう…?って、丸2年が経過しつつある今、改めて考えます。
それは「皆さんにとっての紙という存在の新しい可能性を開くこと」そして、中庄で働く全ての方にとって「中庄で働いていることを誇りに思ってもらいたい!」ということなのかもしれません。
僕が中庄の未来をつくる部を開設したきっかけのひとつが「こどもに誇れる仕事をしていきたい!」でした。
新入社員として入社した中庄株式会社。
そこから家庭紙部に配属されて、色んな経験をさせてもらい、いっぱい色んなことを学びました。
仕事の内容がどうというよりかは、自分自身が「このままでいいのかな?!」と思いながら仕事をし続けていることにすごく違和感を感じていて、「たった一度しかない人生こんな形でいいのかな?」「自分のこどもにとってそんな父親の姿でいいのかな?」と考えていたことを思い出します。
「将来の夢は紙屋さんになりたい!」と、
こどもたちにとっての将来の選択肢のひとつに選ばれるような存在になりたい。
そのためにも、「紙屋」という立ち位置の中で進めているあらゆるプロジェクトを通じて新しい紙屋としての立ち位置をつくっていきたい。
最初に掲げたすべての原点である中庄のオモイ。
「紙×伝承。紙に込められたあらゆる目に見えない大切なオモイを通して、お客様に喜びと感動を届ける。」
そこから生まれた
中庄の未来をつくる部としてのオモイ。
「モノづくりができなからこそできる余白という価値創造。」
そして、そこから生まれた紙の遊園地プロジェクトとしてのオモイ。
「日本橋の地に新しい創造拠点となる発信地をつくる!」
そんな中庄から発するあらゆる情報がタッチポイントとなって流通する事で、熱量に変わってバトンのように連鎖していきます。
人間は感情の生き物です。「あの人が好き。」「あの場所が好き」「あそこにいくとつい長居してしまう。」というような理由を明確に言語化できないことが多々あったりします。
弊社が大切にしていきたいのはそんな「目に見えないオモイ」です。
中庄の社是である「信は万事の本と為す」。それはお客様との信用や信頼を大切にするということ。これは初代のころから中庄の商いおける絶対的な指針であり、大切に受け継いでいく念いです。
今の世の中において手段として解決できないことなんてほぼないと思います。なので「やっぱり中庄がいいな!」って思っていただけるようなものを社内にも社外にも作っていきたい。
僕みたいな一社員でも、熱量を燃やし続けていけばオモイが誰かには届く。そして、僕だけではどうにもならないかもしれないけど、嬉しいことにそのオモイに共感してくれる方たちが沢山いてくれます。その方たちと一緒ならきっと何かを生み出せる。
「紙屋」として誇りをもてるものをつくっていけるようにこれからも尽力していきます。
最後までお読みいただき本当に有難うございます。そして、これからも宜しくお願いします。