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7年目個人事業主が考える、好きを仕事に系フリーランスがうっすら苦手な件

7年前、生まれて初めて「好きなことでお金をいただく」という経験をした。(ヘッダー写真は当時のもの。時代を感じるゆるふわメイクです…!)

事務の傍ら始めたパーソナルスタイリストの仕事で、ブログに募集を出し、3000円で骨格診断をやらせてもらったのだ。資料を指差す手元が緊張でブルブル震えていたのを今でも鮮明に覚えてます。

30歳の大台にのり、キャリアも私生活も全てに焦っていたあの頃。元夫の転勤に帯同し大学以来二度目の上京をしたものの、営業事務の仕事は物足りなく、学生時代の友人は仕事に子育てに忙しい。時間はあるのにお金がない状態になり、持て余した暇をお金に換えるべくスクールに通って骨格診断とパーソナルカラーの資格を取得した。

「好きな服を気兼ねなく買える収入が欲しい」「毎日好きな服を着れる自由なライフスタイルを作りたい」。まぁ自己啓発本から切り取ったような、ちょっと笑っちゃうくらい浅い動機だけど、浅かったからこそ慎重な私でも一歩を踏み出せたんじゃないかと今は思う。

SNSを使ったプチ起業ブームに運よく乗れたこともあり、33歳で独立してフリーランスから法人へ拡大。月商は一時期100万を超え、雑誌に載ったりいい経験もたくさんできたけど、次の目標が見えなくなって37歳で個人事業に切り替え会社勤めの傍ら副業として細々と続けている。副業になった途端、気が緩んで体重が3キロも増えてしまったけど…。

7年目です、と言うと「長く続けてるんですね!」と褒めていただくことが多い。フリーランスは3年続けば御の字と言われているし、資格講座で十数人いた同期のうち現役は私を含めて2名だけ。ただ「やっぱり好きだから続けることができたんですか?」と言われたら、それは違うと思う。

「好き」は感情でナマモノなのだ。好きな時もあれば嫌いな時もある。特にライフイベントの多い20〜30代は優先順位がどんどん入れ替わる。おしゃれだって産後半年くらいは授乳ブラとジャージのズボンで一日中過ごしていた。

きっかけは「好き」だったけど、始めることと続けることには求められるものが違う。始めるのには勇気がいる。不安を打ち消すためには、好きやワクワクするといったポジティブなエネルギーで一気に加速し踏み出すしかない。

ただ、続けることに勇気は要らないのだ。モチベーションは始めるタイミングで必要になるだけで、ずっと全力疾走するのは難しい。特に妊娠出産子育てはかなりの労力を持っていかれてしまうので、残ったわずかなエネルギーで仕事をせざるを得ない。

モチベーションや感情が伴わなくてもできるようになって初めて、あ、これはもう好きだの嫌いだのじゃなくて"仕事"なんだ、と気づいた。やりたいかやりたくないかじゃなく、やるべきことをやるしかない。

趣味なら好きなタイミングで働けばいいけれど、仕事にしてしまったらどんなに眠くても問い合わせメールには当日中に返信を返さなくてはならないし、自信満々で出した企画がボツになってもすかさず代案を差し込む。モチベーションより仕組みと経験値で仕事を止めずに回してきた。

そうやって、モチベーションはなくとも自分にもお客様にも地道に信頼関係を築くことで7年も客足を絶やさず事業を続けることができたのだ。

さて、こんな昔話をなぜしたかというと、好きを仕事に系のクリエイターに連続で仕事をすっぽかされたからです(笑)。そこそこ有名で、昔愛好していた媒体の仕事をされていただけになかなかショックな出来事でした。

きっと好きじゃなかったんだろうな。私のことが好きじゃないのか、頼んだ仕事が気に食わなかったのかはわかりません。嫌われてるとは感じなかったけれど好かれてないのは気づいてましたよ…!?

悲しいけれど仕方がないね。モチベーションドリブンなフリーランスのメリットは、好きじゃないものからとことんフェードアウトすることで好きに囲まれた世界を作れることでしょう。周りはともかく、本人的には幸せなのかもしれません。

オチはありません!それでは、また🕊

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