独自性とは、盤石な基礎の上にのみ生まれる
就活生や新入社員と話していると「自分にしかできない仕事がしたい」という声をしばしば聞きます。その心意気はとても大事。でも仕事のゴールはそこじゃないよ、という話を今日はしようと思います。
私も昔は、基本を習得する前に応用することばかり考えていました。「自分にしかできない何かが必ずどこかにある!」と固く信じていたんでしょうね。
しかしキャリアを重ね、責任や覚悟を問われる瞬間が増えるにつれ、そんなもの大してないんだなぁと徐々に気づいて来ました。
どうやら自分にしかできない何か =「独自性」ではないらしい、ということを。
例えば、お気に入りのお店がなくなってしまったらとても残念ですが、生活そのものは案外困らないものです。別の何かがその穴を埋めてくれるように世界はできているんですよね。
要するに、なくなって誰かが困るほどの「独自性」は、思いのほか少ないということ。世の中には代わりがゴマンとあるのです。
私の仕事で言えば、企業に対して人財育成コンサルティングや教育研修を提供してる会社ってほんっとたくさんあるんですよ。しかもうちの会社より規模がずっと大きくて歴史も長い会社が多々あります。
そんな中、日本を代表する業界のリーディングカンパニーから「あなたの会社と取引したい!」とご指名頂けるのって、本当に信じられないくらい尊いことだと改めて思うんですよ。
だからこそ、ご縁に報いる自分でいたい。
奇をてらった秘策はありませんが、基本を着実に、目の前の仕事を1つ1つ丁寧に、と日々襟を正しながら。
その地道な継続の先に独自性、すなわち「その人でなければならならない理由」が生まれて来るのかな、そうであったらいいな、といつも思っています。
独自性とは結局、盤石な基礎の上にしか生まれないということ。
独創的なキュビスムの絵が人の心を掴むのは、ベースに卓越したデッサン力があるから。基本もなしにいきなりピカソになれません。
だから、これから何かにチャレンジする人には「小さなことを疎かにしないで」って言いたいのです。
万一ビギナーズラックで一瞬バズっても、土台がなければ砂上の楼閣。もろく崩れ落ちます。多少時間がかかってもコツコツ積み上げたことは必ずあなたの助けになります。
そして最近はね、「自分にしかできない何か」を追い求めるより、「自分が消えても困らない世界」を生きているうちに作る方が、よっぽど価値があるのではいか、とうっすら思っている自分がいます。
季節が巡るように、命も巡るもの。
人生たかだか100年、されど100年。
「仕事を通してどう生きるか、何を成すか」引き続きまっすぐに追求していきたいと思います。