ナス|葉が網目模様で黄色い|マグネシウム欠乏
家庭菜園でナスを栽培すると、古い葉が網目模様に黄色くなることがあります。これはマグネシウムの欠乏症です。病気ではありませんが、ナスに少し元気がない状態です。今回はナスを育てる際に起こりがちな、”マグネシウム欠乏”についてご紹介します。
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マグネシウム欠乏
植物体内のマグネシウムが不足することで発生します。
順調に収穫できている場合:
ナスが順調に収穫できて栽培期間が長くなってくると、収穫した実にマグネシウムが持っていかれて不足することがあります。また、日照不足が続くと発生しやすくなります。
初めから元気がない場合:
また土壌のpHが高いこと、他の肥料成分とのバランスが崩れていることによって植物に吸収されにくい、という場合もあります。土づくりで苦土石灰を撒きすぎてpHが高くなった、肥料を与えすぎた、などの人的要因のほか、高温で地面がとても乾いている、逆に曇りが続いているなどが考えられます。
症状
マグネシウム欠乏になると、黄色くなった部分の光合成がしにくくなるため成長が遅くなります。古い葉に症状が出やすく、葉脈を残して黄化するので、網目模様になります。
古い葉に症状が出るのは、マグネシウムの植物体内での移動が早く、成長スピードの早い成長点付近に移動してしまった結果、古い葉で不足するからです。
幸いナスの成長への影響は、病気や害虫ほど大きくありません。慌てずに原因を考えていきましょう。
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似ている生理障害
鉄欠乏は、葉が網目模様に変色し、症状が似ている生理障害です。
鉄欠乏は新しい葉に、マグネシウム欠乏は古い葉に発生するので区別することができます。
マグネシウム欠乏の対策
・葉面に硫酸マグネシウム液を散布する
とにかく症状を改善したい場合、まずは葉にマグネシウムを補給します。硫酸マグネシウムの1%水溶液でも効果があります。
・根本的な原因を考える
最初に、日照不足を疑います。梅雨などで曇りや雨の日が続いているなら、ある程度のマグネシウム欠乏は仕方がありません。
栽培期間が長くなり、ナスをたくさん収穫している場合には、土壌のマグネシウムが不足している可能性があります。
もし育て始めたばかりで、晴天が続いているのにマグネシウム欠乏になっているなら、土壌のpHが高くなりすぎているかもしれません。土づくりの際に苦土石灰を撒きすぎていないかをご確認ください。
ただしpHが一旦高くなってしまうと、資材などでさっと矯正することは難しいです。
具体的な対策としては
・酸性雨で自然に治るのを待つ(かなり時間がかかります)
・窒素の追肥時に硫安を撒く
・カリの追肥時に硫加を撒く(若干土を酸性にする効果があります)
マグネシウム欠乏の予防
予防で大事なのは、苦土石灰の量を適切にすることです。土づくりの時に土壌pHを計測し、6.8以上あれば苦土石灰を入れなくても良いでしょう。
また施肥量が多すぎないか、確認しましょう。特にリン酸、カリを過剰に施肥してしまうと、これらの栄養成分がマグネシウムの吸収を妨げてしまうため、マグネシウム欠乏になります。
まとめ
家庭菜園でよく使う苦土石灰、使う量は気を付けたいですね。マグネシウムを苦土で補給したいのに、pH上がりすぎてナスへの吸収が阻害されるなんて、皮肉…(;・∀・)
マグネシウムに限らず、いくつかの栄養素はpHがずれていると植物に吸収されにくくなり、成長に悪影響が出てしまいます。野菜にとってよりよい環境を作ることが、家庭菜園上達の大事な一歩です!
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