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トマト|葉が紫になる|リン酸欠乏
家庭菜園でトマトやミニトマトを栽培していると、葉が紫に変色していくことがあります。これはリン酸が欠乏することによって生じる生理障害。
リン酸は花を咲かせたり、実をならせるときに使う大切な栄養素です。今回はこの”リン酸”を適切に補給し、トマトの花や実をたくさんつける方法をご紹介します。
トマトの病害虫・生理障害とその対策をまとめたサイトはこちら!不調の原因を見つけ、すぐに対策しましょう。
リン酸欠乏
リン酸は窒素・リン・カリと言われる三大栄養素のうちの1つで、”リン”と呼ばれることもあります。植物体内のリン酸が不足することで発生します。特にトマト栽培の終盤には栄養のバランスが崩れがちで、出やすくなります。
リン酸は、花や実を育てるために必要な栄養素で、欠乏してしまうと花や実の数が減ってしまい、収穫量が少なくなってしまいます。適切な追肥によって、最後までたくさん花や実をつけたいですよね。
症状
リン酸欠乏になると、葉の縁や葉脈が紫色に変色します。合わせて花の数が減ったり、新芽が小さくなるなどの症状が出て、重症化すると枯れてしまうこともあります。
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原因
リン酸欠乏の原因は主に3つあります。
リン酸肥料が足りない
窒素肥料の与えすぎ
土中にリン酸はあるが吸収できない
1.リン酸肥料が足りない
トマトはリン酸を比較的多く必要とします。追肥の頻度が少ないなどの理由で土壌にリン酸が足りなくなると症状が発生します。
2.窒素肥料の与えすぎ
窒素肥料を与えすぎた場合にも、リン酸の吸収が阻害され、葉には欠乏の症状が出ます。この場合は同時に窒素過多の症状も出ていると思いますので、以下の記事をみてチェックしてみてください。
3.土中にリン酸はあるが吸収できない
少し専門的になりますが、日本の酸性土では、与えたリン酸の一部が土中の鉄やアルミニウムと結合してしまい、植物に吸収されません。これは家庭菜園だと手の打ちようがないですね。追肥しましょう。
対策
リン酸肥料を追肥します。ほかにカリウム欠乏や窒素過多の症状が出ているかを確認し、次の対策を試してみてください。
1.窒素過多ではなく、カリウム欠乏も出ている場合
窒素-リン-カリをバランスよく含む肥料を与えます。
2.窒素過多になっている場合
リン酸だけを補給する肥料を与えます。ようりんなら微量要素も補給できておすすめです。
予防
予防で大事なのは3点です。
定期的に追肥する
窒素過多にならないようにする
土のpHを6.0以上にキープする
1,2については、窒素過多を防ぎながら追肥するために
リン酸とカリのみの液肥や肥料と併用することをお勧めします!
8-8-8など同量の肥料をいつもの半分にする
残りの肥料を窒素無しの液肥や肥料で補う
もし窒素が足りない(生長点の緑色がすごく薄い等)場合は8-8-8など栄養素同量の肥料を追加する
おススメの液肥や肥料をご紹介します。
3.土のpHを6.0以上にキープする
こちらは元肥を与えるときに、苦土石灰を与えてpHが低くなりすぎないように調整しましょう。
pHは高すぎても良くないので、きちんと測ってから苦土石灰を撒くのがベストです。
まとめ
トマトは肥料のバランスが難しいので、リン酸欠乏が時々発生してしまいます。葉が紫になっているのを見つけたら、きちんとリン酸を追肥してたくさんのトマトを収穫しましょう!
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